十六歳のアメリカ ハイスクールの一日 十一、アメリカの歴史 29 | 六月の虫のブログ

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 アメリカ史のクラスには、チャックの他、我が校バスケットボールのスター選手、パット・マーチン (Pat Martin) 、十一年生クラス会長、ヴァル・カーシュ (Val Kirsch) 、後に好リリーフでボクに二勝目をプレゼントしてくれるダン・ハイランド (Dan Highland) たちがいた。パット・マーチンは、十一年生の中で一番人気のある女の子、キャシー・クロディナイキー (Kathy Klodnycky) と付き合っていた。パットは非常に優しく、背も一九〇センチ以上ある好青年だ。彼がキャシーと付き合うのも仕方ないとみんな納得していし、二人はみんなが羨むほど仲が良かった。ところが、バスケットボールのシーズンも後半戦に入った一月頃、パットとわがままでみんなから嫌われている十二年生のジョーン・ルドウィック (Joan Ludwig) が仲良さそうにカフェテリアにいるのを見掛けた。ジョーンは美人だが非常に生意気だった。彼女がカフェテリアでコンタクト・レンズを落としたことがあった。彼女は、 ”Don´t move!” と大声で叫び、少しでも動こうとした奴を凄い勢いで怒鳴りつけた。そして、落としたコンタクト・レンズが見つかるまで周りのみんなに探させ、自分で見つけるとお礼も言わずにその場を立ち去った。「彼女のような女を我々は ”Bitch” と呼ぶんだ」と横にいたチャックが教えてくれた。

 いつも明るいキャシーが寂しそうにしているのを見て、みんなは彼女を元気つけようと明るく振る舞った。キャシーは当分の間ボーイ・フレンドはいらないという感じだった。また、男たちも彼女にはアプローチし辛かったのも事実だ。彼女とパットはオノ・ヨーコとジョン・レノンのようなカップルで、ボクたちには他の組み合わせは想像できなかった。一方、ジョーンは完全にみんなから嫌われ、孤立したが、パットをボーイ・フレンドにできて有頂天になっているようだった。ボクには、パットが理解できなかったし、彼自身も明るさがなくなったように思えた。ボクが、マクナマラ高校在籍中、彼らのよりが戻ることはなかった。その後、十二年生になって彼らがどうなったか、ボクは知らない。

 十一年生クラス会長のヴァル・カーシュは、ボクが一番気楽に話せた女の子の一人だ。彼女は、ユーモアもあり可愛く、何よりマクナマラ高校の女子の制服が一番似合ったのは彼女だろうと思う。マクナマラ高校では、女子には制服着用が義務付けられていた。女子の制服は、下は深緑のチェックのスカート、上は白のブラウスだった。男子には制服はなかったが、ドレス・コードはあった。シャツは襟付きでなくてはいけなかったし、ジーンズは不可、靴もスニーカーは禁止されていた。それでも学制服を着るよりずっとよかった。


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         左から4番目の背番号41がパット。