今、少し前ブラッド・ピット主演で話題になった映画『マネーボール』の原作本を英語で読んでいます。
主人公のビリー・ビーンの最初の上司が唱えたバッターに対する3つのルール。
1.すべてのバッターは自分が1番バッターだと思って、とにかく塁に出ることを考える。
2.すべてのバッターはホームランを打つパワーを持っていないといけない。それによって、相手ピッチャーは注意深く投げるようになる。その結果、四球で塁に出る確率が上がり、出塁率が上昇する。
3.プロ野球選手になる素質を持っている人、バッティングはフィジカルよりもメンタルな能力によるところが大きい。バッティングに対して教えられることは、メンタル面が大部分だ。
ビリー・ビーンの最初の上司は、「出塁率が高くて、メンタル面に問題がなければ、バッティングは後でなんとかなる。ボールを見る忍耐力と野球に対する心構えがバッターとして成功するための秘訣」だと考えているのです。
つまり、”打率が3割(.300)で、出塁率が.320の選手”よりも、”打率が.260で、出塁率が.345の選手”の方がチームの勝利に貢献する可能性が高い。
それに、多くの場合、”打率が.260で、出塁率が.345の選手”の方が、”打率が3割(.300)で、出塁率が.320の選手”よりも、年俸を安く抑えられます。
なぜなら、今までは選手を打率で評価していたからです。首位打者は、最も打率が高いバッターのことですよね。
ビリー・ビーンは、今までの尺度で考えるのをやめ、科学的な独自の尺度で選手を評価しだのです。これは一種のイノベーションですよね。
ビリーは彼の尺度で年俸の低い二軍の選手を集めて、オークランド・アスレチックスを低予算で強くしたのです。
まだ、読み終えていないのですが、『マネーボール』はビジネス書としても優れていると評価されているようです。今後の展開が楽しみです。
以前書いた関連記事、『イチローとアダム・ダン』。この記事は当然『マネーボール』を読む前に書きました。
http://ameblo.jp/junebugmaymolly/entry-11330260516.html
もしかしたら、企業の人事評価でも、さらに人だけでなく商品やサービスの評価も評価の尺度を変える必要があるのかもしれませんね。だって、イノベーションとは、今、現状を否定するところから始まるのですから・・・。
凡人の私が今、現状を否定すると無になっちゃいます。ああ、悲し・・・