「なんで女性がいいの?」って・・・ [下] | 六月の虫のブログ

六月の虫のブログ

ブログの説明を入力します。

 レズビアンバーを出た後、私とドイツ人の彼は、オーストリア人の彼との待ち合わせ場所に向かった。時間があったので、アムステルダムの運河沿いを歩くことにした。アムステルダムの建物はロンドンに比べると、色がついたものが多いが、日本やアメリカのようにカラフルではなかった。


 待ち合わせのパブの前に着いた。波止場の船乗りが多そうなパブだ。二人でそのパブに入って、オーストリア人の彼を探した。私はパブに入った瞬間、そこにいた男たちの目線を感じたのだ。上から下までなめられるような視線。私はこのパブがゲイバーだということがすぐに分かった。中にいるのは、黒の革ジャンを着たごっつい男ばかりだ。オーストリアの彼はカウンターに座って、黒の革ジャンの男たちとビールを飲みながら話しをしていた。革ジャンでないのは、私とドイツ人の彼の二人だけ。ストレート(ゲイでないの)は、私だけだ。私は心の中で「ゲイって男らしいんだ」と感心した。


 オーストリア人の彼とその彼氏とその友達、ドイツ人の彼と私の五人は、ゲイバーを出て次のパブに・・・。


 このパブも、なんか違う!ビールのピッチャーを頼んで五人で盛り上がっていると、大きなソーセージほどあるマリファナ(巻きタバコのような)が回ってきた。みんな、一吸いして次の人に回している。私は吸うふりをして、ドイツ人の彼に回した。彼はパスして、次の人に・・・。その場で息をするだけで、マリファナを吸っているような気分になるくらい煙っていた。アムステルダムでは当時、合法的にマリファナを吸えるパブがあったのだ(今もあるのかなあ)。


 次の日、ランチを例の五人で食べた。オーストリア人の彼は、「昨日の夜は、彼氏と暖炉の前でワインを飲みながら、愛し合った」って惚気話を。ドイツ人の彼と私は、ただただ爆睡。私がオーストリア人の彼に「なんで男性がいいの?」と聞くと、「君は、なんで女性がいいの?」だって。


 彼は女性と結婚するかもしれないけど、自分がゲイだということを理解してくれる女性でないと無理だと言う。子供を作ってもいいとも言う。女性ともエッチできるんだ・・・。


 二人とは住所を交換し合ったけど、連絡をとることはなかった。でも、二人ともいい奴だった。私がゲイでないことを尊重してくれたから・・・。




六月の虫のブログ


 「なんで女性がいいの?」って訊かれて、「別に男性が好きでもおかしくないんだ」と妙に納得した私でした。