「なんで女性がいいの?」って・・・ [中] | 六月の虫のブログ

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 そう、私はドイツ人とオーストリア人のゲイ二人と仲良くなり、アムステルダムで行動を共にすることにしたのです。


 夜行列車や長距離列車で一人旅をすると、いろんな人と出会える。今なら少し危険なのかもしれませんが、当時は楽しかった。


 アムステルダムに着くと、オーストリア人の彼はボーイフレンドとの待ち合わせ場所へ。私とドイツ人の彼は、その日に泊まるホテルを探しました。私たちは民宿みたいな宿に泊まることにしました。普通の家の二階にある部屋で結構広くてきれいでした。ベッドも二つ並んであるのではなく、部屋の隅とその反対側の隅に離れて置いてありました。


 荷物を部屋に置いて身軽になった私たち二人は、街に繰り出すことにしました。遊覧船に乗って、アムステルダム市内の運河から見える景色を楽しみました。


 夕方、運河沿いにあるパブに入りました。まだ時間が早いのか、お客さんはまばらで、数人の女性たちがビリヤードをしていました。私たちはカウンターに座って、ビールを飲んでいました。ドイツ人の彼はドイツの彼氏に振られて、いい男性にめぐり合うためにゲイのメッカ、アムステルダムに来たのです。しぐさやしゃべり方は完全に女性です。


 お客さんの数も増え、音楽が流れ始めると、お客さんはフロアで踊り出しました。見ると、踊っているのは女性ばかり。それも、女性同士で向き合って踊っている。私がカウンターに座っているお客さんを見ると、みんな女性でした。このパブにいる男性は、私とドイツ人の彼の二人だけ!二人で、「もしかしたら・・・」と顔を見合わせたとき、スローな曲に変わりました。すると、向き合って踊っていた女性たちは、抱き合ってチークダンスを始めたのです。中にはディープなキスを始めるカップルも。このパブ、レズビアン・バーだったのです。


 私は「もったいない。かわいい子もたくさんいたのに・・・」と思いながら、ドイツ人の彼と店を出ました。


 つづく・・・


アムステルダムの運河。当時、サンフランシスコと並んで、ゲイが多い街といわれていました。

 

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