天国から来た大投手 Vol.33 | 六月の虫のブログ

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第二部 吉野 森次郎


三、誕生!エースで四番


 浩輔が気がかりなことは、森次郎のピッチング練習をする相手がまだ見つかっていないことだ。二月の野球部入部までにいろいろ試しておきたいことがあるのだ。ジミーは浩輔に「その問題はもう解決しそうだよ」と下界を指差しながら言った。森次郎は弘子の親父さんにキャッチボールの約束を取り付けていたのだ。

 元旦、弘子と初詣に出かけた森次郎は「親父さんの風邪の具合はどう?」と彼女に尋ねた。弘子は「もうとっくに治っているわよ。昨日の夜は少し飲みすぎて、今朝は二日酔い気味だったもの」と笑った。「明日は早慶大学のグランドでキャッチボールするんでしょ。パパも楽しみにしているみたい」と言って森次郎を安心させた。初詣から帰ると、二人は森次郎の家に行った。森次郎の母親と三人でお節を食べていると、森次郎の父親が年始回りから戻ってきた。彼は弘子に「弘子ちゃん、明けましておめでとう。ちょっと見ないうちに、また胸が大きくなったねえ」と言った。すると母親は「あなたそれはセクハラよ」と父親をたしなめた。森次郎の目線も父親の言葉につられて、弘子の胸元へいっていた。弘子は森次郎の視線に気づくと「どこ見てんのよ」と言って横に座っている森次郎のひざを叩いた。


 つづく・・・



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