十六歳のアメリカ Vol.39 | 六月の虫のブログ

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メイキング・フレンズ


一八、初めてのキス (つづき)


 マッキャンさんに航空ショーに連れて行ってもらった。ロータリー・クラブのメンバーは上品で金持ちな人が多いが、マッキャンさんも例外ではなかった。彼は、俳優のロバート・ワグナーに似ていて、非常に渋かった。航空ショーには彼の奥さんと二人の息子も一緒に来た。長男のマイクは私より一級下で、マクナマラ高校の十年生だ。マイクのお父さんに似て、落ち着いていて賢そうだ。子は親に似るものだ。

 戦闘機のアクロバット飛行を見た後、小型のジェット機に乗せてもらうことになった。私はここに来る途中、車の中で食べたポップコーンのおかげで、腹具合が悪かった。小型のジェット機に乗り込む前から気分は良くなかったのだが、飛行機が空を飛び始めると、ますます気分が優れなくなった。小型の飛行機は、ジャンボなどの大型飛行機と違って、揺れがすごい。揺れも前後左右とバラエティーに富んでおり、自分の顔から血の気が引くのがわかった。私はマッキャンさんたちに気分が悪いのを悟られまいと努力したが、マッキャンさんは分っていた。着陸後、地上で待っていたマッキャン夫人が私に、飛行を楽しんだかどうか尋ねたので、私は楽しんだと答えた。すると、横にいたマッキャンさんは「彼はエアシックになったみたいだ」と奥さんに言った。せっかく楽しかろうと思って、飛行機に乗せてくれたのに気分が悪くなるなんて、非常に自分を情けなく思った。

 スチュワート家に戻ると、マムにマッキャンさんに御礼をしたいが、どうしたらよいのか尋ねた。私はマッキャンさんたちが、私の気分が悪くなったことを気にしていないか心配だった。マムは、御礼にサンキュー・レターを送るのがよいと教えてくれた。私はさっそくマムにもらったサンキュー・カードに御礼を書き、次の日にマッキャンさん宛てに送った。このとき以来、サンキュー・カードは私の必需品となった。この他にも、ロータリー・クラブの人たちには一ヶ月に一、二回はお世話になった。また、ロータリー・クラブのコンベンションなどには必ず出席し、いろいろな人と知り合う機会に恵まれた。


 つづく・・・

 


航空ショー。もう、ニューヨークではできないだろうなぁ。

  




注意: 『十六歳のアメリカ』は、私の体験を基に書いていますが、フィクションです。



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