『「女の気持ち」と「男の気持ち」~宿命的な違いを探る』シリーズ連載8回目の今日は、恋人や夫との会話にストレスを感じてしまう女性に向けて、秘策をお送りします。
前回は、「女の話を聞くのが下手な男性」に向けてのアドバイスを書きました。
女性のみなさんが読んでくださった場合でも、「これは私の彼にも読ませなきゃ!」と思ってもらえるように書いたつもりです。
とはいえ、実際には「ちょっとあなた、これを読んで、こういうふうに会話してよ!」といったところで、なかなかうまくいかないかもしれません。
なにしろ人間って、自分でハッと気づいたことは、すぐにも実行したくなります。
ところが、他人から「こうしろ」と命じられたことには、どんなことでも抵抗しがち。
あなたの彼や夫がそうだったとしても、「これだからもう、この人はダメなのよ」と批判しないであげてくださいね。
それよりも、今回の話に耳を傾けてみてください。
あなたのほうが、男性への「会話の仕向け方」を変えてみませんか?
これから、好きな人との会話が弾むコツをお伝えしますので、一度、試してみてくださいね。
▼あなたの話を聞くのが下手な彼……こうすれば解決しますよ
ポイントはただ一つ。彼にね、あなたの話に割り込んでもらえるように話せばいいのです。
このまえ、お話しましたよね。男性には「女性の話に割り込んでいくのが正解」だと。
これを実行してくれない男性に対しては、あなたのほうから自分の話に彼が割り込んできやすいように仕組んでいけばいいわけなのです。
▼男性向けのアドバイスを書いた前回のお話はこちら
第7回 「女って難しい」と嘆く男性へ…すぐに使えて役立つアドバイス
この第7回目と同じ会話を、「割り込みやすい会話」に変えた例を見てみましょう。
女 「昨日さぁ、友達の仕事引き受けちゃったんだけど、そういうことって、あなたもある?」
男 「そりゃあるよ」
女 「そういうときって、どうするの? 次は代わってもらうの?」
男 「うーん、場合によるけど」
女 「代わってもらえないと損した気持ちにならない?」
男 「まぁ、なるよな」
女 「だよね! でしょ。なのに、〇〇ちゃんは何とも思わないっていうわけ」
男 「ぷっ。変な奴。友達やめれば?」
女 「ぷっ。あはは、そうだね(笑)」
◆これが「共感誘導」方式。よくある会話は「状況説明」方式
いかがでしょうか?
これだけでは分からないかもしれませんね。
とりあえず、上記の会話のことを「共感誘導」方式と名付けておきますね。
では次に、まったく同じ話を、多くの女がやってしまいがちな「状況説明」方式の会話で見てみましょう。
女 「このまえね、急に休んだ友達の仕事、引き受けちゃったのよ」
男 「うん」
(自分が話を聞いていることを示したつもり)
女 「まぁ、いいのよ。私だって急に休むことあるしさ、だけど、そういうときは、ちゃんとお返ししようとするわけ、私は」
男 「うん」
(聞いていることを示しているつもり)
女 「だけど、こっちからさぁ、この前は私が代わってあげたから、コレお願いね、とは言いづらいのね。」
男 「うん」
(同意を示したつもり)
女 「まぁね、ちゃんと言えばいいんだろうけど、なんかやっぱり言いづらいのよね。
でね、その話をしたらさぁ、〇〇ちゃんは仕事を代わってもらっても、そんなの気にしたことないとか言うのよ。その〇〇ちゃんていう子はね、先週のことなんだけど、仕事の途中で……」
男 「ちょ、ちょっと待てよ、それ何の話?」
(頭が混乱してきたら、質問したつもり)
女 「だから、急に休んだ友達の……」
男 「〇〇ちゃん?」
女 「違う、それは××さん! 〇〇ちゃんは別の人! ねぇ、ちゃんと私の話、聞いてるの?」
ほうら、いつのパターンになりました。
男は英語のリスニングテストのごとく、口をはさまず女の話を聞いていますが、だんだん、話の筋を見失っています。
そんな男のことを、女のほうが「私の話を真剣に聞いていない」と思って怒り出す……これが典型的な男女の会話の失敗パターンです。
◆質問を増やせば、共感してもらえます
では、もう一度、うまくいったほうの「共感誘導」方式で行った会話を思い出してください。
「そういうことって、あなたもある?」
「そういうときって、どうするの?」
「代わってもらえないと損した気持ちにならない?」
……こういうセリフは全部、「質問」ですよね。
質問を投げかければ、どんな男性だって自然と会話に割り込んでくることになります。
そうすると、男のほうも「ただ話を聞いている」という感覚ではなくなってきます。
「自分だったら、こうだな」ということを考え、答えながら話を進めていくわけですから、もう受け身ではいられません。
そうなると、彼のほうも女が話している状況を主観的にとらえやすくなるわけなのです。
すると、ふたりの心に「共感」が生まれます。
これが「共感誘導」方式なのです。
女って、つい、ずらずら頭に浮かぶまま、自分の話をしてしまいがち。
けれども、この「状況説明」方式では、男のほうは「話の筋」を追うことに集中しがち。
そうすると、「うん」とか「へぇ」とか相槌を打つのが精いっぱいになります。
しかも、話が進めば進むほど、頭が混乱してきて、眉間にしわが寄ります。
その様子がね、女には「私の話に退屈しているのかしら、この人……」という不安を呼ぶわけなんですね。
とにかく、一気にまくしたてないこと。
状況を説明しようとしないこと。
そして、どんどん彼への質問を会話に入れてみること。
彼を受け身な会話の聞き手にしてはいけませんよ。
会話を弾ませるには、あなたから質問を投げかけてあげましょう。
これを試してみてくださいね。
……つづく。
▼ここまでの連載は以下のリンクからご覧いただけます
『「女の気持ち」と「男の気持ち」~宿命的な違いを探る』シリーズ
第1回 女と男 あきらかに違っているのは「身支度」
第2回 「女が男に求めるもの」と「男が女に求めるもの」……その違い発見!
第3回 ランチタイムにも表れる「男に刷り込まれている価値観」とは?
第4回 こんなにも違う! 女と男が悩みを打ち明けるときに求める「模範解答」
第5回 女性が苦手なのは……「ある部分」だけを切り取って解決すること