前回の『「女の気持ち」と「男の気持ち」~宿命的な違いを探る』というシリーズ4回目は、「よかれ」と思って口にした提案を女性に拒否され、「女心が分からない……」となってしまう男性心理を見たところで終わりました。

 

では、女心を理解するために必要なのはというと……まず「同情」かもしれませんにやり

 

 

◆女って、いろいろ大変なんですよ。本当に。

 

たぶん、ここまでの私の話を読んで、「女っていうのは結局、ワガママなだけじゃないか!」と思ってしまわれた方もいるかもしれません。

 

だとしたら、私の説明が下手だから。

もう少しだけ、女の言い分につき合ってください。

 

別に女性は、どんな悩みに対しても、「手間暇かけて、じっくり耳を傾け、共感を示し、いろんな対策を考えてくれなきゃイヤ!」というワガママな要求を男性に突きつけたいわけではないのです。

 

ただ、私たち女は、物事を複雑に考えなければいけない世界で生きています。

 

たとえば、第一回でもお話した通り、女は自分たちの身支度に時間をかけます。

「そういうのが好きだから」という人もいるかもしれません。でも実のところ、「ああ、もう、なんでこんな面倒くさいことを毎朝しなきゃいけないんだ!」と思っている女性のほうが多いはず。

 

「髪は五分刈り、服はシャツとジーンズ、靴はスニーカー。メイクもネイルもなしで別にいいじゃん!」と開き直れる女性もいますが、ごく少数です。

 

だって、そんな外見で通えない会社はいっぱいあるし、学校の友達にもママ友にも無視される可能性が高いし、要するに「社会に入れてもらえなくなる」危険があるからです。

 

ですから女は身支度に時間をかけます。

それは、とても複雑な作業です。

 

 

「まとめ髪」ってどうするかご存知ですか?

バサッと後ろでゴムで止めればいいんでしょ、なんていう単純なものじゃありません。

 

女性陣から「ダサい」と言われない素敵なまとめ髪に仕上げるには、ゴムを止める位置を気にして、そのゴムを隠すように毛束を巻き付け、ニュアンスを足すために、あちこちから“おくれ毛”を出したり、もう、とにかく手間がかかります。

 

メイクだってそう。

 

たとえば、ほんの数センチしかない「まつ毛」にだって気配りがいります。

自分の眉毛の色に合わせて、女性はマスカラの色も変えるって知っていますか?

 

下地やファンデーションは、自分の顔色に合ってないと浮きます。いろんな色やメーカーを試さないと、しっくりくるものが見つかりません。

 

輪をかけて大変なのはファッションです。

「流行」に合わせなければいけません。

 

ブラウスをスカートのなかにインするか、それとも外に出すか、どらちが「今っぽい」か。

今年の露出は「足首」なのか「腕」なのか、それとも「胸元」なのか、とれが正解か。

 

 

「……だから何?」と言わないでくださいね。

 

男性も一時期、色シャツが流行りましたが、それほど根づかなかったですよね。

シャツの色が増えるだけで、コーディネイトってややこしくなります。

シャツがピンクなのに、ネクタイもピンク系って変かな?とかね。

 

そういうややこしい組み合わせのオンパレードを女性は毎日こなさなければいけません。

 

 

◆女の日常のなかの「ややこしさ」~料理編

 

「でも、うちの嫁さん、そんなオシャレしてないよ」という方は、ごはんを考えてみてください。

 

毎日の料理もまた、ファッションと同じくらいに複雑です。

 

たとえば、今夜のメインは茶色い唐揚げ。

 

だから付け合わせは青い野菜で彩りを添えよう。

 

そうすると根菜が足りない。

味噌汁には大根を入れようか。

 

だとしたら、小鉢に大根おろしを使うと食材が重なっちゃうし、青菜のおひたしもメインの付け合わせと食材がかぶるし、でも、きんぴらは3日前に作ったばかりだし……。

 

 

「そんなのが、ややこしいというなら、男だって日々、ややこしい人間関係や仕事に励んでいるぞ!」と反論なさるでしょうか。

 

俺は美容師だ、俺は料理人だ。

プロとして、そんなことは当然やっている! と思うでしょうか。

 

それはそうです。

 

だけど、女の手間暇は「日常生活」にあふれているものなのです。

仕事時間が終わっても、そこから抜け出せないものであり、「私はもう止めた!」と言い出すのが極めて難しい社会的なプレッシャーに圧されたものです。

 

 

 

◆で、結論は……と急かさないでもらえるといいのですが

 

さて、大抵の男性はそろそろ、こう思っているはず。

「もう分かったよ。ちょっと話、長いよ。で、結論は?」

 

ごめんなさい。私も女です。

つい、あれこれ長くなりました。

 

でも、その言葉、好きな女性やパートナーのまえでは、なるべく控えてくださいね。

 

「もう分かったから、結論は?」とバッサリ話を切られると、たいていの女性は胸にグサッときて、いじけますから……。

 

でも答えます。

要するに結論は……女が「ややこしい悩み」を抱えるのは、ややこしい手順が満載の毎日を生きているから。

 

ファッションもメイクも料理も、「これはこうして、そうすると、こっちはこうして、だとしたら、こっちはこうしなきゃいけなくて……」というふうに物事が全部つながっています。

 

悩みも同じ。「あの人のココが不満。でも、それを言うと、こうなって、そうすると、こっちで問題が起きて、だとすると、あっちにも配慮が必要で……」というように。

 

つまり、「ある部分」だけを切り取って解決するのが女は苦手。

 

これが結論です。

 

……それでは次回、そんな女心に優しく寄り添う男になる方法を……と思いましたが、そのまえに、女性のみなさまへ、今度は「男心」をお伝えしますキラキラ

 

 

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