ピエロが西を向く!! -33ページ目

ピエロが西を向く!!

世田谷区経堂「しゅとカフェ」のオーナーシェフ。

「おい、そこどけよ!」

朝の5時半。

「あっすいません。」

起き上がって声のほうをみると、おっさんがいた。

「お前だけの場所じゃねえんだよ。早くどけよ。」

まぁ言ってる意味はわかってる。けどなんか言い方がムカついた。
仕事も出来ないのに上司にはへーこらして、部下に威張り散らし、スーツの肩のところにフケでもついてるんだろう。

「寝起きでぼーっとしてるんで遅くてすいません。」
いちおう作り笑いで。

「お前みたいのは海岸沿いの松林で寝りゃいいんだ。あそこは浮浪者の集まりだろ。」
と言って僕の笠を地面に落とした。
東海道五十三次の宿をマジックで書いてきた笠だ。
こんな旅でもしなきゃ被らないダサい笠。でも一週間ずーっと雨から僕を守ってくれたヤツ。愛着も沸いてきたんだ。
それを落とされてけっこうムカついた。
それからもなんだか色々と言ってたが無視した。
代わりに僕のくっさーい屁をこいてやり、タバコを吸った。僕のオナラはすっごく臭いんだ。
んで、なんか僕の雰囲気を察したのかブツブツ言いながら去っていった。

嫌な朝だ。


たまーにいるんだ。
こーゆーやつ。野宿してて変に絡んでくるヤツってだいたいこーゆー人。
普通っぽいけどストレス溜まってるタイプ。正義を履き違えてる。
ホームレスのおっちゃんは縄張りを荒らさなきゃけっこうよくしてくれる。
ヤンキーは話したがり「吸う?」って言ってタバコをあげるといい話し相手になる。


まーいいや。いい目覚まし時計になった。
6時に出発する。
そうです。今日も雨っす。

ここ浜松の旧東海道は両側の松林がとても綺麗なところだ。
気分も上がってきた。
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しっかし本当に晴れない。
まあ梅雨時期だってのはわかってるんだけど、それでも3日に1日くらいは晴れてもいいじゃない?
去年の北海道までの旅は真っ黒に日焼けして帰ってきたのに。
今回は真っ白だよ。
洗濯物は乾かないのでコインランドリーだし、野宿ポイントも絞られてしまう。

コンビニでバナナと珈琲を飲んで先を急ぐ。
昨日あたりからスピードが上がってるんだ。
明らかに鍛えられてきてる。

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舞坂、新居の関所を通過する。

朝のおっちゃんは別にして、浜松からとても人がいい感じになってきた。
クラクションを鳴らされたと思って見てみると、軽トラに乗った兄ちゃんが手を振っている。
振りかえすと親指を立ててくれた。
いい笑顔だった。

道ですれ違う住人にも何度か声をかけられた。
「ご苦労様ぁ~」
いい言葉だ。
潮見坂の登りはかなりの急勾配。
やがて峠に出ると、東海道随一の景色が望めるポイントへ。
明治天皇も岩倉具視、木戸孝允とともに眺めたのだろう。
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潮見坂からしばらくすると二川宿へ。
二川の宿跡にはこの旅で初めての東海道五十三次の博物館があった。
お金がかかるということなので、一瞬躊躇したが興味があったので入ってみた。


いやぁなんで写真たくさんとってこなかったんだろ……
すげぇ面白かった。
当時の旅の服装やら支度の仕方やら荷物などやらいろんなものが展示してあったのにぃ……
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お腹空いた。
博物館の人に近くに食べるとこあるかと尋ねてみたが、お昼時を越えてたためやってなさそう。
もう一踏ん張りして豊橋まで頑張ろう。

休憩がてら豊橋のグルメを調べてみると、カレーうどんがあるらしい。
いいね。
カレーうどんを思い浮かべて2時間歩く。

豊橋は当時の宿は吉田宿と呼ばれてたみたい。
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ベッピンの語源を作ったとされる鰻屋が本陣跡。
デラベッピンね。
そういやデラって言葉名古屋弁だったよね。
なるほどガッテン。
いや、ためしてガッテン。

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ようやくカレーうどんにありつける。
カレーうどんの下にご飯が入っていて、カレーうどんとカレーライスが2度楽しめるというやつ。
ここのおっちゃんがまぁいい人で、ずーっと休んでいいよぉーなんて言ってくれる。
コインランドリーの場所を丁寧に教えてくれた。

この雨続きで2日に一度はコインランドリーに行っている。晴れだと歩きながら乾かせられるのにそうもいかないからね。

コインランドリーに行く途中にいい公園見つけた。
ステージがあって雨も凌げそう。
今夜はあそこにしよう。

コインランドリーで洗濯。
コインランドリーってトラブル多いんだろうね。
禁止マークがたくさん貼られている。
あれしちゃダメ、これしちゃダメ、罰金いくらなどなど……
監視カメラもたくさんついている。
案の定僕が準備してたらお店のおっちゃんが監視に来た。
カッパを脱ごうとしたら、
「ここ、着替えは禁止だから。」
出た。
「いや、着替えてないし、ただこれを洗おうと思っただけなんすけど。」
他のコインランドリーに移ろうと思ったけど近くにないんだよね。
気にいらないことが多くて、嫌なら商売すんなよ。

ったくこっちは迷惑かけないように濡れた荷物は外に置いたままにして、ちゃんとタオルで拭いたりしてから入ってるのにさぁー
朝のおっちゃんと一緒だよ。

洗濯を終え駅のほうまでブラブラしてたら、スタバの中にいた女の子がこっち見てたから軽く手を振ってみたら手を振ってくれたので、ジェスチャーで
「トナリ、スワッテ、OK?」
とやったらOKとのことなので、少しお茶する。
こんな事書く必要ないんだけど、話の流れでブログを教えちゃったので、正しく書いたわけ。

でも人と長く話してなかったので、楽しかった。
いやぁデラベッピンな人だったよ。
聞くと駅前でも寝れるとのことだったけど、夜になって偵察すると、かなり年季の入ったおっちゃん達が多かったので、さっき目をつけた公園で寝ることにする。

どーせ明日も雨だろーな。
そういや今日は七夕か。
去年の今頃は富良野にいたなぁ~

星が見えないや……











「だぁ~~ぁ~、まじかぁ!!なんだ4対1ってぇ!!」
ちょいと寝過ごしてしまって、テレビをつけたら負けてるじゃないか。

満喫の小さなブースの中で支度をしながら観戦。
なので声は出せない。
心の声「行けゴリラ!!」「マナちゃん頑張ってぇ~」
僕の平等な応援も虚しく負けちゃった。
しょーがない。
出発しよ。

今日の目的地は浜松。
言うまでもなく今日も雨ね。
時間は10:30。
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袋井宿を通過。
お休み処で休みたかったが、月曜休み。
僕が歩いてるのは旧東海道でいわゆる東海道とはちょっと違う。
たまに道の広い国道になったりするのだけど、基本的に小さな道。
なのでそんなにコンビニなどはない。
ここがやっていないとなるとかなり先までなさそう。

午後2時にもう空腹で限界というときに、焼きそば屋さんを発見。
いやぁいいとこにある。
この辺焼きそば有名なの?
大盛りで¥500。
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生き返った!!

お店のおばちゃんと少し話す。
東海道五十三次を歩いてると言うと、たまにそんなやつがお店に来るみたい。
店構えは綺麗とは言えないけど、旅人の嗅覚を誘うんだろうなぁ~。
「もう旦那も亡くなって辞めてもいいんだけどねぇ~、あんたみたいな人が来るからさぁ~」
ぜひ続けて欲しいものだ。

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見付宿に到着。
もうすぐ半分ってとこかな。
国道1号線と合流して歩いてると、
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日本橋から246キロの標識。
ってことは数字的には492キロの丁度半分。
ここまで一週間かぁ~
やっぱり2週間かかるんだなぁ~
でもこれは僕の気持ち的にはかなり大きいんだ。
マラソンでいうと折り返し地点。
どんどんゴールが近づいてくる感覚。
自然と足の運びがよくなる。

さすがに一週間歩くと足も出来てきて、初日よりもスピードが出るようになった。

今日の目的地までもうすぐ。
いつもよりも距離も短いのでもうすぐだ。

18時に浜松に到着。
本陣跡を探したんだけど、なくなっちゃったみたい。
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やっぱり大きな街になると、こういった史跡みたいのは無くなってしまう傾向があるね。
連日の雨でお風呂に入りたいので探してみるとここから5キロだって。
1時間の距離。

お風呂にゆっーくり入って、テーピングを巻き直して、あっご飯食べるの忘れたってことで、銭湯のカレー食べてたら友人から浜松は餃子が美味しいとの情報が……涙

野宿ポイント探し。
近くに公園がある。
いい公園だ。
屋根あり、トイレあり、自販機あり、交番あり。

さて、おやちゅみ。




オクと別れた僕は再び一人で歩く。

友人っていいものだなぁ~

さて、ここからは一人。気合いを入れ直さなくちゃならない。
今日は少しいつもより長く進みたいのだ。

雨で濡れたのかスマホのカメラの調子が悪いのが気になるけど。

これから大井川越え。
当時大井川は駿府城の堀の役割をしていた為橋を渡すことはおろか、舟を渡すことも禁止され、旅人にとってはこの河を渡ることは難所の一つだったそう。
徳川幕府は河の両側に川合所を設け、肩車や輿に乗って渡ったそうだ。
今ではもちろん橋が架かっているが、歩いてみるとものすごい距離。
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天気の安定している時は水深が越しくらいまでしかなく、運が良ければ渡渉してやろーと企んでたんだけど、連日の雨でこのとおり。

しっかしこの距離を人を担いで渡っていた川越人夫はものすごい体力だったと思う。

河を越えると金谷宿。
18時を過ぎすこし薄暗くなってきたけど今日はまだまだ歩く。

明日の朝なでしこジャパンの試合があるんでしょ?
観たいからその分アドバンテージを作っておきたいんだ。

さすがにペースは落ちてまた新しく豆が出来たみたいだけど、無心で歩く。
真っ暗の中を歩いていると、孤独と寂しさで惨めな気持ちになる。
それに引き換えこの雨。

はるか遠くに城が見えてきた。
掛川城だ……
今日の行程は今回で最長の50キロ。
昨日の休みがあったとはいえ、なかなか疲れたぞ。

もう今夜は漫画喫茶で許して……