『赤ヘル1975』、そして考える毎年恒例の原爆の日 | 日々是好日

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最近読んだ重松清さんの「赤ヘル1975」
読み終えたのは8/6でした。



我が家が毎年、息子の平和教育のために、
小さいながらも続けている。
平和祈念式典を観ながら、話をして
黙祷を捧げるその日です。

広島のテレビはどこをつけたって
原爆の日の特別番組。

だけど、全国ではそんな事ないんだろうな…
そんな虚しさを覚えます。

そして、多くの方に赤ヘル1975読んで欲しいなぁと思ったり。

舞台は原爆投下から30年後の夏。
そして、カープが初優勝をした秋へとかけての物語。
東京から引っ越してきたマナブは、熱烈なカープファンの少年で原爆で父を亡くし実家の家業を手伝いながら暮らすヤス、カープが好き過ぎて近所の人と毎試合スコアをつけるユキオ。広島の平和活動、広島が嫌い…と言いながら、被爆した祖父と暮らす真理子。同級生達の関わりや親子の関わりの中で、戦争について考えていく思春期の子供達の話、です。

抜粋ダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジ

「ユキオから下の年のモンは、強いカープしか知らんようになる。」

「都会になった広島の街しか知らんのと同じよ」

それでええんよ、それはほんまにええことなんよ、と噛みしめる。

「ほいじゃが、忘れたらいけん、忘れてしもうたらいけんのよ」

弱かったカープのことをー。

その弱かったカープを応援してきた人たちのことをー。

広島の街に刻まれた、悲しみと苦しみと怒りと祈りを、決して忘れてはならないようにー。

ダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジ



広島の抱える複雑さが理解できるような。話だった。


平和祈念式典の外で、大きな声でアベヤメロ!安保反対!などと関係のないデモ隊が毎年いて違和感がある事や、
県内である我が地方でも、私の年代の時にさえあった、君が代の紙面を糊で貼り付け見えないようにしたり、国歌斉唱は絶対にしないし日の丸もかがげない、という偏った教育現場。

いろんなものが渦巻いている。




この小説の中で言えば、私も「よそモン」であり、
原爆のことを語るなんておこがましいし、
原爆手帳を持っていた祖母。
亡くなってからその事実を知ったのだけど。

それ程に当事者からしたら、思い出したくもない。
よそモンが何を知っとるん?何が分かるん?
そんな声が聞こえてきそうだけど、、
それでも、少しでも接点がある人が話をしなければならない時代になったのだと感じるこの頃。


本当に辛いこと、苦しい事は、誰しも誰にも言えないものである。と思う。

こんなにSNSが発達してもなお、
本当の本当の部分の苦みやコンプレックスは、
みんなひっそりと持っているだろうことと同じように。



だからこそ、被爆者で亡くなる方がほとんどになってきた中、
話を聞く機会をくださる当事者の話を
息子にも伝えていく使命が私たちにはある気がしています。


それは原爆に限らず、自分たちの身近で聴ける戦争体験を。


そんなことを考えた今年でした。

そして、今日も私はカープの応援へといくのでした。





最近読書欲に溢れております。
おすすめ貼っておきます。
とは言え私はもっぱら小説専門です。







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