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jun2980さんのブログ

 何にでも興味をもっています。今、ミステリー小説の連載中です。また、韓国ドラマ、良い加減料理や難病の膠原病をテーマに写真なども載せながらつぶやいています。皆さんのペタやコメントが励みになります。どうぞよろしくお願い致します。



       第26話

僕の腕の中に萌子さんがいた。

「秀治君、ありがとう」

そう言って、萌子さんは僕の首に腕を絡めて抱きついてきた。

僕もきつく萌子さんを抱きしめた。

20年ぶりに萌子さんと肌を合わせたことで、僕の思いを確信することができた。

僕の人生で愛する人は萌子さんただ一人なのだ。

「秀治君、上手になったね」

萌子さんは顔を上げて僕を悪戯っぽい目で見た。

萌子さんは、時々、こちらが慌ててしまうことをさらりと言う。

「だって、20年経ったのだもの。僕だって、成長するさ」

萌子さんはまた僕の胸の中に顔をうずめて「フフフ」と小さく笑った。

「20年前、秀治君、『あなたを喜ばせたい。でも、どうやったらいいか分からない』って。可愛いかった」

「勘弁してくれよ」

このまま、ずっと続いてくれるのなら、もう何もいらない。

僕は萌子さんをもう一度きつく抱きしめた。

先に体を離したのは萌子さんだった。

「秀治君、実亜ちゃんを守ってあげて。多分、実亜ちゃんは実刑になるだろうけれど、最低の3年だと思う」

僕は動揺を隠せないまま、

「萌子さんは?萌子さんはこれからどうするの?」

「私のことはいいの。大丈夫よ」

「…だけど」

僕は萌子さんを手放したくなかった。

「私、こう見えても強いのよ」

萌子さんは僕を大きな瞳で捉えた。

現実が蘇ってきた。

僕は人を殺したのだ。

しかも、今、こうしてベッドの中で愛し合ったばかりの萌子さんのご主人を。

「秀治君、私、人生の中で一番愛した人は秀治君ただ一人よ」

萌子さんは僕に向き直ると、真剣な眼差しを向けた。

「一番、愛しているからって、結婚出来るものではないわ。それに…」

萌子さんはしばらく間をあけた。

僕はそのまま、待っていた。

「愛する者同士が結婚したって、その愛が永遠に続く訳ないし」

僕は何も言わずに、萌子さんの話をそのまま待っていた。

「秀治君と私だって、結婚しないから、愛し合っている錯覚をしているのよ」

「錯覚?」

「そうよ。結ばれないから燃えるのよ」

「萌子さんと僕が結婚しても、上手くいかないということ?」

今、僕は萌子さんを独占したいと思っている。

この合法的な方法が結婚だ。

「上手くいくかどうかは分からない。でも、いずれ、こんな風には愛し合えない」

そして、萌子さんは悲しそうにつぶやいた。

「私、病気だし」

「そんなこと、僕は構わない」

「秀治君、私の肌、随分と黒くて汚くなったでしょう」

「仕方がないじゃないか。病気でそうなったんだ。僕は気にしない」

そう言って、僕は萌子さんに手を伸ばし、抱き寄せると抱きしめた。

「同じ家に住んでしまうと、私の皺の出来た顔も、崩れた体の線も嫌になってくるものなのよ。それに、ヒステリーを起こしたり、不機嫌になったりして、喧嘩するようになるわ」

「だって、そういうのを見せ合って、許し合うのが夫婦だろう」

萌子さんは僕から離れると、くるりと背中を向けた。

「秀治君、お別れよ」

「萌子さん…」

「あなたには、私のきれいな面だけを見せてお別れしたいの」

萌子さんの会っすすり泣くような声が聞こえてきた。

「お願い。帰って」

僕にも分かっていた。

萌子さんには不安定な愛だから、胸がしめつけられるような緊張が心地よく感じられていることを。

実亜の天真爛漫さや無邪気さに振り回され、時々、疲れてしまい苛付いたときも、心の片隅にある萌子さんの残像を見て、気を紛らすことが出来ていた。

僕はそろりとベッドから出ると、服を身に付けた。

「萌子さん、僕帰るよ」

「うん。法廷で会いましょうね」

それっきり、萌子さんはベッドの中で黙ってしまった。

僕はもっと、甘い情熱的な別れをしたかったが、萌子さんはもう割り切っているようだった。

僕は萌子さんの毛布の膨らみをしばらく、眺めていた。

いつまでも、女々しい自分に微苦笑をした。

「秀治君、私、秀治君との思い出があれば生きていけるから」

「でも、僕は萌子さんのご主人を」

「生きているあなたを私は選んだのよ」

僕はその場に立ちすくんだまま、なおも萌子さんの体の膨らみを見ていた。

「さようなら」

萌子さんはやはり、泣いていた。

僕は静かに部屋を出て行った。

外はもう暗かった。

雪は降っても確実に溶ける雪だ。

夜でも雪が溶けていた。

          続く

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。

コメントをいただけたら嬉しいです。 

         愛川るな 



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今日は6月30日

今年も半分、終わったのですね。

早いなあ。。。

今日はちょうど、一年の真ん中なので「年のへそ」というそうです。


そして、韓国ドラマ「冬のソナタ」
に出演したパク・ヨンハさんの命日です。



私は、ペ・ヨンジュンさんより、パク・ヨンハさんの方が好きだった。

やっぱり、今日は、パク・ヨンハさんを思って、悲しくなっちゃいますね。

         愛川るな 



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最近、作ることに夢中になっているのが、パフェ。

今回はマンゴージュースを凍らせてシャーベット状にしました。

アイスクリームも手作りです。



写真に写っている緑色の葉っぱはミントです。

このミントをパフェに飾りたくて、
鉢植えにして、育てています。



作ったら、食べちゃうんですよね…

食べることにも夢中になっています。

困ったなあ。


         愛川るな 



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今日の札幌は最高気温29℃。

夏だ~!嬉しい!!

でも、暑い。

『冬のカケラ』書こうっと。

うーん(。_。)…ちょっと、待て、あそこの表現…調べてみよう…

と、やっているうちに、また読書にのめり込んでしまいました。

私の場合、雑多種の本を読むのだけど、今日はどういう訳か、古い古い本でした。

1956年発行の
『北海道のむかし話』

紙の周りは色が黄色に変色しています(笑)

で、ちょっと興味を持ったのが
「スズメとキツツキ」
という、むかし話。

端的に内容を話しますと、


昔、昔。
鳥達が集まってお化粧したり入れ墨をしているところに、親の危篤の知らせが入った。
スズメは途中にして、直ぐに駆けつけた。
だから、親の死に間に合った。
キツツキは最後の仕上げまで念入りにしていた。
だから、親の死に間に合わなかった。

それで、親孝行者のスズメは、口は食べ汚したようになり、体中には墨をぶっかけたようになって醜い姿だけれど、穀物ばかりを食べていけるようになった。

でも、親不幸者のキツツキは最後までおめかしをしていたので、大変美しい姿だけど、腐った木をつついて虫ばかりを食べるようになってしまった。


さて…美しい姿で穀物を食べられるようになるにはどうしたらいいのかしら…

私はスズメの人生もキツツキの人生も両方嫌だな。

私にはこういう教訓は役に立たないと、つくづく思ったのでした。



         愛川るな 



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昔、昔、大昔。

私が19歳の時、北海道ローカル番組で、カップルで出演するクイズ番組がありました。

カップルはどんなカップルでもいいのですが、私は当時の恋人と出演しました。

8組のトーナメント式で、勝ち抜いたカップルが、準決勝、決勝と進んでいきました。

優勝者にはハワイ行きがプレゼント。

どういう訳か、私達はまぐれ当たりで決勝まで進みました。

と、いっても、全部彼が答えていました。

全く、答えない私に司会者が突っ込みを入れて、場を盛り上げていました。

だって、私、あまりにも緊張していて、ボタンを押すのに、ワンテンポ遅れてしまっていたんですもの。

いくら演劇部で舞台を踏んだ経験があっても、テレビのカメラの前では、勝手が違い過ぎました。

でも、一つだけ、

「11月ごろ、降ったり止んだりする雨のことを何というでしょうか」

というクイズに、私が一番早くボタンを押して答えたのが、

「し、しぐれ」

どぎまぎして答えました。

「はーい、正解」

司会者が大げさに誉めてくれて、笑いを誘っていました。

でも、残念なことに、決勝で敗退しました。

それから、数ヶ月した3月、私は結婚して夫の仕事で他県へ。

と、まもなく、実家に電話がそのテレビ局から、かかってきて、私をテレビ局で起用したい旨の話しが舞い込みました。

もう私は、札幌にいないので、どうすることも出来ません。

でも、もし、あの時。。。

札幌にいたなら、そして、運良くテレビの仕事をしていたなら。。。

もしかしたら。。。

私の永遠の男・福山雅治さんに直接会えたかも知れない…

クイズ番組に一緒に出たあの時の彼…今の夫の顔を見て、つくづく…

ああ、続きは言うまい。

これが、私の運命なのです。

どういう訳か、こういう時は病気にもなっていなくて、という運命を考えてしまう。

あっさり、現実を受け止めよう。

どうもいつまでも、私は夢見る夢子でいかん。


         愛川るな 



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