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junのおにゃのこライフ

女装子のお出かけブログですぅ♪

問題ゎ、かわいくなったことぢゃなかった。

スマホを握りしめ、公園のベンチでため息をつく。
今日の自分ゎ、どう見ても“おにゃのこ”。
声も仕草も、鏡の中の輪郭も、全部おにゃのこ。

でも、♂モードの生活が待っている。

郵便物の宛名、近所の顔見知り、何より玄関の向こうの「いつもの自分」。

「このままぢゃ、帰れない……」

口紅ゎまだ唇にきちんと居座っていて、落ちる気配はゼロ。
あの極小文字が、脳内で拡大表示される。

〈キスすると解除〉

「ほんとに、それだけ?」

条件がシンプルすぎて、逆に疑わしい。
キス。
軽く? それともちゃんと?
そもそも、誰と?

道行く人たちゎ、それぞれの一日を抱えて忙しそうで、junの事情なんて誰も知らない。
知られたら困る。
でも戻れないのも、もっと困る。

カフェに逃げ込むと、常連のバリスタが笑顔で声をかけてきた。
「お美しい方。どこかでお会いしたことありません?」

その一言で、胸がきゅっと縮む。
違う。違うんです。
説明できない違い。

カップの縁に映る自分の唇を見つめながら、junゎ考える。
この口紅、意地が悪い。
日常のど真ん中で、選択を迫ってくる。

スマホを開いてブログを確認すると、下書きが一つ残っていた。
タイトルだけが、ぽつんと光っている。

解除条件、ほんとに“キス”だけ?

「……助けて、コメント欄」

そう呟いて、投稿ボタンを押した。

帰り道、夕焼けが街を染める。
その色は、あの口紅とよく似ていた。

チェック柄ワンピースの女性がセルフィー

次回ゎ「キスで戻って、夜で迷子」

 

 

 

 

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玄関で靴を履こうとした、とある朝。

視線の端に、小さな銀色の筒が転がっている。

見覚えのない口紅。

キャップを外すと、澄んだ赤が朝の光を弾いた。
「誰のだろぅ」
理由もなく、ほんの出来心で唇に触れさせた瞬間、空気が柔らかく折れ曲がった。

鏡に映っていたのゎ、もぅオトコの自分ぢゃない。

肩まで落ちる髪ゎ、均一に揃った前髪からなだらかに流れ、艶のある栗色。

頬にゎ薄く仕込まれたチークが自然な血色を灯し、まつ毛ゎカールして影を落とす。

口紅ゎ赤と言っても強すぎず、輪郭を丁寧になぞることで、笑みの形まで整えていた。

ギンガムチェックのワンピースを着た女性

服ゎ、青と白のギンガムチェックのワンピース。

胸元ゎ浅いスクエアカットで、飾りボタンが縦に並び、ウエストで軽く絞られている。

生地ゎ柔らかく、身体の線に沿って落ち、座るとスカートが膝の上で静かに波打つ。

肩ゎ露出しすぎず、腕の白さが際立つ絶妙なバランス。

足元ゎシンプルで、全体が「きちんと可愛い」という言葉に収まっていた。

身体の感覚が、少し遅れて追いついてくる。

重心が低くなったような、でも軽い。

普段ゎない胸の前に確かな重みがあり、呼吸に合わせてわずかに揺れる。

手首ゎ細く、指先ゎ丸みを帯び、力を入れるとき、その“入れ方”が分からない。

声を出そうとすると、喉の奥で音が高くなる予感がして、思わず黙った。

股間に手を持っていくと……「ない」


今日ゎ“おにゃのこモード”固定です、と誰かに宣言されたみたい。

慌てて洗面所でメイクを落とそうとするけれど、石けんもクレンジングもびくともしない。
代わりに、口紅のスティックの裏側に極小の文字を見つけた。

〈キスすると解除〉

「条件、そこ!?」

思わず一人ツッコミ。
しかも相手指定なし。
でも、朝からそんなイベントあるわけない。

鏡の前で口紅をそっと指でなぞる。

「……これ、連載ネタにするしかなくない?」

こうして始まったキスしないと男に戻れない口紅とちょっと不思議な日常の記録。

 

次回、「解約条件、ほんとに“キス”だけ?」(の予定)

 

 

 

 

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