ホテルの部屋ゎ、思ったより静かだった。
ベッドサイドのランプが淡く灯って、カーテンの隙間から街の光がにじむ。
「優奈」と名乗るその女性ゎ、junの話を「不思議だね」と笑って聞いていた。
説明ゎ端折った。
口紅のことも、解除条件のことも、半分くらいだけ。
「じゃあ……試してみる?」
その一言で、心臓が一段跳ねる。
魔性の雰囲気をもつ優奈とのキスゎ、思ったよりもあっさりしていた。
触れた瞬間、胸の奥で何かがほどける感覚。
背骨に沿って、すっと元の位置に戻る感ぢ。
「……戻った」
声が低い。
鏡を見なくてもわかる。
肩の重さ、視界の感じ全部が♂モード、“男のjun”だ。
よかった。
ほっとした。
安心してそのまま疲れるように眠り、夜ゎやさしく閉じた。
朝、カーテン越しの光で目を覚ましたjunゎ、違和感に眉をひそめる。
空気が、軽い。
体が、少し小さく感じる。
恐る恐る、洗面台の鏡を見る。
「……うそ」
そこにいたのゎ、見慣れた“おにゃのこ”の輪郭。
唇にゎあの色。
キスで一度ゎ元に戻ったのに。
口紅ゎ、バッグの中で何事もなかった顔をしている。
よく見ると、裏側の文字が増えていた。
〈キスで一時解除〉
〈深く触れると再起動〉
「条件、増えてるし……」
ベッドの上で膝を抱える。
男に戻れたと思ったのに。
ホテルの窓の外でゎ、いつも通りの朝が進んでいく。
junだけが、ひとつ余分な条件を抱えたまま。
次回ゎ「一時解除と恒久モード」
↑別画面が開ききるまでちょっと待ってね。

