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2013理科の時事問題をたくさんUP。受験、中学・高校定期テスト向け

毎シーズン、テストの時期になってくると 忘れたようにやってくる時事問題対策。いつも、「あ~、普段からニュースに目を光らせておけばよかった・・・」と思うんだけど、気が付いたら忘れてる。そんなあなたのために、時事ネタをUPしていきます。

▼「ブレードランナー」と呼ばれる両脚義足の選手

中学までの理科で世の中がわかる!


■史上初、"健常者"の大会に出場
両脚義足のスプリンター、オスカー・ピストリウス選手(南アフリカ)。
2011年8月28日(今日)、世界陸上400m一次予選に出場します。

■その功績
北京パラリンピックで100m、200m、400m金メダル三冠を達成。
両足切断者 世界記録保持者。

■モットー
"You're not disabled by the disabilities you have, you are able by the abilities you have."
(障害によって不可能なのではなく、持っている能力によって可能なのだ。)

■バックグラウンド
先天的に両足のすねの骨が無い難病、
1歳までに両足を切断する手術。

■ランナーを支える義足
アイスランドの義肢メーカー「オズール」社製の義足。

このメーカーの理念
「Live A Life Without Limitations」
制限のない生き方を実現する、というようなニュアンスです。
http://www.ossur.jp/

オズール社とピストリウス選手の活躍が、
多くの人に勇気を与えるでしょう。


■「炭素繊維」という素材
ちなみにピストリウス選手の義足は
炭素繊維(カーボンファイバー)素材でできています。

炭素繊維(カーボンファイバー):
鉄に比べて重さが4分の1
強度は10倍
剛性は7倍という優れた素材。

様々なものに利用される。
ゴルフシャフト、
釣竿
テニスラケット
風車
自動車のボンネット
パソコン
レントゲン機器
車椅子
人工衛星

■ほとんどが日本製
炭素繊維(カーボンファイバー)
主流のPAN系炭素繊維は、
70%のシェアを日本の3社。
・東レ(34%)
・東邦テナックス(19%)
・三菱レイヨン(16%)
(2008)

■ボーイング787の半分は、炭素でできています。
ジェット機「ボーイング787」
構造材の約50%が炭素繊維。
にも関わらず、カーボンの重さは全体の1%に過ぎない。
軽量化により燃費が2割改善。

■市場拡大
炭素繊維の市場は
今年以降も、年15~20%拡大していく。
(日経新聞)


■科学とメーカーが走者を支え、
走者は人々を勇気づける

▼僕のイメージ図
中学までの理科で世の中がわかる!

オスカー・ピストリウス選手は1986年生まれと、
僕の同い年です。

たまたま昨日の新聞のスポーツ欄で見かけて、
気になったので 調べてみたのでした。

・彼のあくなき挑戦に勇気づけられると共に、
・それを支えた義肢メーカーの功績、
・炭素繊維という素材のおどろくべき有用性を再認識しています。


■黒板の上ではわからない本質
理科の授業で「炭素」と聞くと
もう退屈な印象しかないですが、

こうした場面に注目すると、
「そうか、こんな所で炭素繊維が貢献してるのか!」

科学技術の本質のようなものが感じられました。

科学技術が、一人のランナーの走りをサポートし、
そのランナーは 世界中の多くの人々を勇気づけると思います。
▼知る人ぞ知る「ジョジョ」の名シーンだけど…

中学までの理科で世の中がわかる!

■涙を科学分析すれば

先日、島田紳助さんの電撃・涙の引退会見がありました。
あまりに唐突な話なので、「なにかそれ以上の裏があるんじゃないか?」
と 疑惑が上るのも無理はないかと思います。

個人的には紳助さんに対して何の疑念も持っていないんですが(笑)

もしもあの涙の成分を科学的に分析したら、
真相を知る手がかりになるのでしょうか?

■涙の「味」は感情で変化する
涙の98%は水分です。
・ナトリウム
・カリウム
などの微量ミネラル。

感情によって、成分の割合が変わってきます。

■悔しいとき/怒りの涙
・交感神経が活発になり、
・量としては少なく、
・ナトリウム多め
しょっぱい。

■悲しいとき/うれしいとき
・副交感神経が活発
・量は多い
・水分が多い。
うす味。

■嘘や演技による涙は?
嘘をつくときは交感神経が活発になるといわれます。
(俗にいう「嘘発見機」は、そこのところを判断するそうです。)

それから 瞳孔の開き具合を見て 嘘を見破る人もいます。
(交感神経が活発になると、瞳孔が開くからです。)
ウソの涙は しょっぱい可能性がありますね。

しかし…

演劇派の俳優さんは、
涙を流す時に悲しい事を思い浮かべるといいます。
悲しいときの涙は、水分が多く、たくさん流れていきます。

演技で出している涙は、うす味かもしれません。


■味によって嘘を判断できるか?

結論:
一概には判断できないようです(笑)

■実は、涙は常に出ている
ちなみに涙は、泣いていなくても
年中、分泌されています。

涙腺→瞳→鼻腔
と、瞳を潤して 鼻腔に流れていきます。

中学までの理科で世の中がわかる!

■1リットルの涙…
放っておいても
年間に200ccくらいの涙が流れています。

涙を流して号泣し続ければ、
1リットル流すことも可能かもしれませんね。
▼「錬金術師」と呼ばれる人は実在したけど…

■人気漫画の元ネタは
ちょっと前に終わってしまったんですが
人気漫画「鋼の錬金術師」という作品があります。
少年誌から大ヒットし、アニメ化、映画化されました。

主人公は「錬金術」という術を使い、
この世の様々な物質の組成を操っています。

マンガの舞台は中世ヨーロッパっぽい雰囲気なんですが、
よく調べてみると 錬金術師と呼ばれた人達は、実在していました。

では漫画の元ネタになったであろう歴史上の「錬金術」について、
言及してみようと思います。

(この記事は、2010年11月、mixiのフレンド限定に配信して
比較的好評だった記事のリライトです。)

■幻の技術
「錬金術」とは、昔~昔 流行った、幻の技術。
ギリシャから始まり、中世ヨーロッパを駆け巡ったそうです。

鉄や鉛や他の物質から「金」を練りだそう
という、夢の研究です。

価値のある「金」を作り出せれば、
大儲けできるからです。

当時の人々は、「金の錬成は可能だ」と信じていました。

そして「錬金術師」と呼ばれる研究者たちが、
様々な化学実験を行って 金を作り出そうとしていました。

■頑張ってみたけど…
結論から言うと、残念ながら「無理」と判明。

当時の技術では、何かと何かを混ぜて熱してみるとか、
あれやこれやと物質をいじくり回すしか研究の手段がなかったでしょう。

色~んな実験をしたものの、、
結局「金」を作りだせなかったそうです。

分かったのは
「他の物質から、金の原子を作り出すことはできない」
という どうにもならない事実。

(※現代のテクノロジーでは、作る事ができるそうです。
でも金1gを作るために、それ以上のコストがかかります。)

■偉大なる副産物
金の錬成にはすべて失敗しましたが、
錬金術師達は、手当たり次第に実験を行っていく中で、
金以外の元素をたくさん発見しました。

中学までの理科で世の中がわかる!

例えば「リン(P)」の発見。
「黄リン」という同素体は 暗闇の中で酸化して光を放つ。

光り輝く「黄リン」を見て、当時の錬金術師ブラントは、

「ひ 光輝く石じゃ!ワシ・・・
ついに賢者の石を発見したぞい!」


と、興奮してしまったそうです。

(「賢者の石」とは、どんな物質でも金に変えてしまう魔法の石とされていました)

でも 黄リンが、他の物質を「金」に変えることありませんでした。

(ガーン 賢者の石じゃなかった)

■元素の「周期表」が作られる
そんな調子で、金は作り出せなかったんですが
新しい元素が次々と発見されていきました。

ある日、「メンデレーエフ」という科学者は
たくさんの元素がランダムに並べられてるのを見て
一定の法則で並べ替えようと考えました。

そういうわけで、おなじみの「元素 周期表」が作られます。
中学までの理科で世の中がわかる!


「水兵リーベ 僕の船・・・・・・」(ハァ…)
と覚えさせられた、アレです。(笑)


■ロマンから生まれた化学の前進
「金を生み出す」というのは、今考えてみれば無謀かもしれません。
でも、研究者のロマンですよね。

結局、金は生み出せなかったのですが、
その他たくさんの元素の発見は
のちの化学研究に大きな前進をもたらしたのです。

重大な発見や科学の進歩というのは、
案外 そんな動機から始まるのかもしれませんね。


参考
サイエンスチャンネル
科学番組「elements ~メンデレーエフの奇妙な棚」
(2)光をもたらすもの~錬金術と元素~
中学までの理科で世の中がわかる!