別室指導は「見せしめ」か。 | 気ままに生活。

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すっかりほったらかしてしまいましたが、ぼちぼちアップしたいと思います。
よろしくお願いします。


ワタシも教師の友人がたくさんいるので、よく学校での話を聞く立場にいるのですが。

気になる記事があったので紹介します。




中学「別室指導は見せしめ」…保護者ら人権救済訴え(読売新聞)


 兵庫県川西市立東谷中学校(同市見野、岡田良仁校長)が、教諭に従わない生徒らを「別室指導」としてクラスから一定期間“隔離”し、個別指導していたことがわかった。市設置の第三者機関「川西市子どもの権利オンブズパーソン」が「生徒の権利が十分保障されていない」と是正を勧告したが、同中学は「授業を円滑に進めるためのやむを得ない対応」と、続けていた。この指導を受けた男子生徒の保護者らから「見せしめ、懲罰的だ」との声が上がり、兵庫県弁護士会に人権救済を申し立てる事態になっている。

 市教委や岡田校長などによると、同中学が別室指導を始めたのは今春。授業態度を注意した教諭に反抗したり、暴言を吐いたりした生徒に対し「他の生徒の妨げになるため、本人を落ち着かせる」との目的で、5日間、別の教室に移し、教諭と1対1でプリント学習をさせた。1日目は1時間だけだが、以降は毎日1時間ずつ延長。遅刻などがあれば5日以上続けて行うこともあったという。

 生徒の一人から人権救済の申し立てを受けたオンブズパーソンは8月、「『秩序を守るため』という目的は、教育を受ける権利を制限する正当な理由とはいえず、生徒に積極的な授業妨害もみられない」などとして中学側に是正勧告した。

 市教委も「別室指導は必要な場合もあるが、あらかじめ期限を決めるのは不適切」とし、口頭で指導したが、同中学は9月末、別の生徒に5日間の別室指導を行っていた。

 この生徒ら6人の保護者は11月、「平手打ちされた」など体罰も訴えて市教委に改善を求める一方、同弁護士会に人権救済を申し立てた。代理人の櫛田寛一弁護士は「学校側が問題生徒を頭から抑えにかかる異常な状況だ」と指摘する。

 岡田校長は「板書中の教諭に物を投げつけた生徒もおり、社会常識を身につけさせるためにも個別で指導している。見せしめという思いは一切ない。理解が得られるよう生徒や保護者と粘り強く話し合っていくしかない」と話している。

 ◆孤立化させる恐れ

 影山昇・東京海洋大名誉教授(学校教育学)の話「別室指導は、その生徒を孤立化させてしまう恐れがあり、人権問題と言われても仕方がない。同じ教室の中で問題解決を図るべきだ」

 ◆やむなしの場合も

 元中学校教諭で「学校崩壊」の著書がある河上亮一さんの話「少数生徒の行動で教室全体が混乱しているなら別室指導もやむを得ない場合があるかも知れない。学校は教室の状況と、他の生徒への影響を保護者らにしっかり説明し、ともに対応を考えるべきだ」




えっと、まず別室指導について。

放っておいてもそこまで問題ない生徒については、こんな処置はしないと思います。

…この別室指導を行うのに教師を最低1人は割かないといけませんから。



ただでさえ公務員のリストラによる教師削減で絶対数が少なく、仕事が回らない学校が多い状況で余分に教師を使って別室指導をするくらいですから、相当の問題を起こした生徒か、授業を受けているほかの生徒への影響が凄かったのだと推測されます。

誰だって余分に仕事を増やそうとは思いませんから、別室指導を行わなければならないやむを得ない事情があったのだと思います。

実際、ただ隔離したのではなく、時間が短いとはいえプリント学習などをさせており、「授業を受ける権利」というのを奪っているとは言えません。

そもそも、教室にいても授業をまともに受けないから別室指導という形にした訳ですから…。


「平手打ちされた」というのが本当ならばそれは問題ですが、別室指導については学校全体で話し合った結果、というのならばそういう措置もアリだと思います。

「教諭に従わない」という理由で隔離することはないでしょう。


ちなみに、コレを行うことによって、問題を起こす生徒が減るのならば「見せしめ」と言われてもいいと思います。

教室で生徒の前で怒るのも「見せしめ」と言われてしまえばそうですし、「見せしめ」が悪い行為だともワタシは思いません。(コレについては賛否両論ありそうですが…)




…ところで、体罰が規制され、教師の威厳というか立場が低下して行っていますので、どうすれば問題を起こした生徒を更正することができるでしょうか。



「根気良く注意する」

…確かに、更正すれば最も見栄えの良い手段です。

ですが、教師が1人の生徒にそこまで時間をかけることは現実的に不可能です。


実際「補習」としてサボった生徒に個別指導を行い、意外と熱心に取り組んだという話もあります。

「教師が自分ひとりをかまってくれる」というのがその理由だそうです。



教師の方々の多くは決して鬱陶しいから問題児を隔離しているのではなく、いかに生徒に授業を受けさせるかを推敲して取り組んでいるはずです。

保護者の方々も第三者機関も、そのへんの教師の気持ちを汲んで行動を起こして欲しいと思います。


…もちろん、教師の方々には頑張っていただきたいですが。

教師でもないのに立ち入った意見をしてしまい、すみません。