ジャスト日本です。
有名無名問わず、さまざまな分野から私、ジャスト日本が「この人の話を聞きたい」と強く思う個人的に気になるプロレス好きの方に、プロレスをテーマに色々とお聞きするインタビュー企画「私とプロレス」。
今回のゲストは、絵描きのしょこたんさんです。
(画像は本人提供です)
しょこたん
幼少期より絵を描く事が好きで、代々木アニメーション学院にてキャラクターデザインを学ぶ。
卒業後も独自で活動し、女子プロレスに出会い、女子プロレスの素晴らしさを絵で伝える活動を開始。現在に至る。
プロモーション
twitter→@sktn0511
Instagram→sktn0511
私とプロレス しょこたんさんの場合「第1回 スターダム大好き女子の想い」
私とプロレス しょこたんさんの場合「第2回 彼女がファンアートを描く理由」
是非ご覧ください!
私とプロレス しょこたんさんの場合「第3回(最終回)もっと女子プロレスの魅力を広めたい」
SNS上での煽り合いについて
ーーSNSの話が出たので聞きたかったことがあります。スターダムの選手はTwitterで対戦相手同士で煽り合いや挑発合戦をやるじゃないですか。あれはどのように感じていますか?
しょこたんさん 試合前の恒例行事になってますね。あれを見せることでファンの熱を煽っているところもあると思います。
ーーウナギ・サヤカ選手はTwitter上の煽り合いでは人とは違った角度から攻めるんですよ。
しょこたんさん そうなんですよ(笑)ウナギ選手はいつも自分から対戦相手に絡んでいって、煽り方も独特だし割と長くやり取りしてます。SNSの更新も多いので、ウナギ選手を見ない日は無いですね。あと煽り合いではないですが、最近はスターダムの選手が新日本の選手とTwitter上で絡んでいますよね。個人的にはキッド選手とエル・デスペラード選手の兄妹のような関係が好きです(笑)。
ーーキッド選手とデスペラード選手は頻繁に仲良く絡んでますね(笑)。この二人には共通の知り合いがいたそうで、LINEか何かで仲介してもらってや初めて会話した時はお互いに素顔だったという話は聞いたことがありますよ。
しょこたんさん そうなんですね。デスペラード選手は優しくてカッコよくて、新日本では一番好きなプロレスラーです。先日、デスマッチをされている試合も見ましたよ。
ーーそれは2022年9月12日・『タカタイチデスぺマニア』国立代々木競技場第2体育館大会で行われた葛西純選手とのノーDQデスマッチですか?
しょこたんさん はい。めちゃくちゃ刺激的でした。デスペラード選手はマスクを引き裂かれて血だらけになってしまったんですけど、やっぱりカッコよかったです。この試合の前にデスペラード選手は「死んでもいい覚悟でリングに上がる」と言ったのですが、試合後に葛西選手が「死んでもいい覚悟なんて捨ててしまえ」と、デスペラード選手を思いやる返答をして、その言葉にも感動しました。最近は、スターダムと新日以外の試合も少しずつ見るようになりました。2023年1月1日・プロレスリングノア日本武道館大会で行われたグレート・ムタVS SHINSUKE NAKAMURA(中邑真輔)もチェックしました。凄く芸術性の高い試合だったと思います。私はSHINSUKE NAKAMURA選手の試合は見たことがなかったんですけど、入場の時から既に中邑真輔選手の世界観が広がっていて、その芸術性の高さに感銘を受け、ファンになりました(笑)。
ーー中邑選手は元々、アーティストなんですよ。アートを描くのがうまくて個展を開催してますから。
しょこたんさん そうなんですね。素敵です!最近はYouTubeで男子プロレスもチェックして勉強しています。
気になった男性プロレスラーとは?
ーーYouTubeでチェックしていて気になった男性プロレスラーはいましたか?
しょこたんさん 凄くカッコいいなと思ったのがハヤブサ選手です。身体が大きくて、あれだけのアクロバティックな動きをされるレスラーは当時は珍しかったと思うので、凄い人気があったんじゃないかなと思いました。
ーー私はハヤブサさん直撃世代なんですけど、今思えば奇跡のプロレスラーですよね。
しょこたんさん 以前、新日本のウィル・オスプレイ選手がハヤブサ選手をオマージュしたコスチュームで試合をしたことがあったじゃないですか「この衣装の収益は全てハヤブサ選手のご家族の方に寄付する」とお話しされた記事を見て、本当に彼はハヤブサ選手をリスペクトしているんだなと思いました。
ーー今のオスプレイ選手の体格がハヤブサさんに近いんですよ。ハヤブサさんは183cm 105kgというヘビー級の体格であれだけ飛べて天性の華がありましたね。あと意外とパワーがあって、196cm 127kgの高山善廣選手をタイガー・スープレックス・ホールドで投げ切っちゃうんですよ。
しょこたんさん 凄いですね!
ーー高山善廣選手をジャーマン・スープレックス・ホールドで投げる選手はいましたが、タイガー・スープレックス・ホールドで投げた選手は私の記憶ではハヤブサさんだけですね。
しょこたんさん そうなんですね。まだ知らない事が多いので、もっとハヤブサ選手が活躍されている動画を観たいです。
ーーもし今の時代にハヤブサさんが出現したらとんでもないスーパースターになっているでしょうね。それこそプロレス界の大エースになっているかもしれません。
しょこたんさん 動画で観ましたが、ハヤブサ選手のファイヤーバード・スプラッシュもめちゃくちゃ威力がありました。
ーーハヤブサさんはファイヤーバードとラ・ケプラーダは基本的に毎試合使ってましたね。だから彼はファイヤーバードをやり過ぎて、左肘を慢性的に痛めることになって…。理由はファイヤーバードを仕掛けた際に、必ずマットに左肘を強打してしまうからです。
しょこたんさん そうなんですか。それは痛いですね…。ビッグマッチだけやるのではなく、毎回やるのは凄いサービス精神ですね。
ーーそれがハヤブサさんの「胸いっぱいのプロレス」なんですよ。手抜きの試合をしてしまうとファンにバレちゃいますからね。
しょこたんさん 昔からプロレスを見てきたファンは特に気が付きますよね。
ーープロレスで地方巡業でハネダチ(業界用語で試合後に宿泊なしで次の興行地にバスで長時間移動すること)の時に、選手は少し普段よりセーブをしながら試合をする傾向があるんです。特に昭和の全日本プロレスはハネダチが多くて…。でもそんなハネダチの日に30分近くの激闘を繰り広げたのが天龍革命時代の天龍源一郎さんと阿修羅・原さんなんですよ。
しょこたんさん そうなんですか!
ーー天龍さんは天龍革命で実行したことのひとつが、地方興行での試合は絶対に手を抜かずに全力ファイトをやるわけです。どんなところでも真っ向勝負で全力ファイト。それが天龍革命の凄さなんですよ。そういう先人の活躍があってこそ、今のプロレスがあるんですよ。
しょこたんさん 素晴らしいです!そういう話を聞くとプロレスってやっぱり命懸けで刹那なんですね…。
声出し解禁のスターダム大阪大会を観戦
ーースターダムは地方興行でも凄い試合をやられているじゃないですか。『5STAR GP』とか壮絶な激闘が多かったですよね。
しょこたんさん 『5STAR GP』はあのスケジュールを乗り越える選手の皆さんが凄すぎますよ。
ーーその通りですね。話は変わりますが、2023年2月3日のエディオンアリーナ大会は観戦されましたか?
しょこたんさん 見ましたよ。この日の大阪大会は声出し解禁だったんです。私はこれが初めての声出し観戦でした。
ーーそうですよね!しょこたんさんはコロナ禍の最中にプロレスファンになっているので、
声出し応援に慣れていないんですね。
しょこたんさん そうなんですよ。大会を通じて感じたのは、声出し応援の中で闘う選手が本当に嬉しそうで、いきいきされました。特にレディ・C選手が嬉しそうに試合してましたね。あと月山和香選手へのコールが凄かったです。コロナ禍以前からスターダムを応援しているファンの方が率先して声を出していたので、はじめてでも声援はやりやすかったです。
ーー多くのプロレスラーは声援をもらってエネルギーにしていると思うので、声援なしで試合をするのはきつかったと思いますよ。
しょこたんさん 同感です。声出し解禁の大阪大会は楽しかったですよ!
しょこたんさんの好きな名勝負
ーーありがとうございます。ここでしょこたんさんの好きな名勝負を3試合。挙げてください。
しょこたんさん ひとつ目は2021年3月3日・スターダム日本武道館大会で行われたジュリアVS中野たむの敗者髪切りマッチです。ふたつ目が2021年6月12日・スターダム大田区総合体育館大会で行われた林下詩美VS朱里のワールド・オブ・スターダム戦。43分越えの激闘の末に両者KOとなった試合ですね。
ーー両試合、共にしょこたんさんがプロレス好きになった2021年からセレクトされましたね。
しょこたんさん はい。三つ目は2022年11月3日・スターダム広島サンプラザ大会で行われた上谷沙弥VS白川未奈のワンダー・オブ・スターダム戦ですね。上谷選手のフェニックス・スプラッシュが白川選手の顔面に直撃する事故が起きてしまい、試合はレフェリーストップで上谷選手が勝って、白川選手は顎部打撲、口腔部を負傷して欠場に追い込まれるという結果になりまして…。
ーー確かに壮絶な結末でしたね。
しょこたんさん 顔面を負傷した白川選手がボロボロになって血を流しながら、バックステージで自分の想いを伝えている姿を見て、プロレスラー魂を感じました。女性なら、歯がボロボロになった醜い姿なんて見せたくないはずなのに、あそこで出てきてファンに自分の気持ちを伝えた白川選手は、プロレスラーとして物凄い大きなものを得たと思うんですよ。私はあの時、白川選手に気持ちをグッと掴まれました。今、上谷選手がワンダ―王座を長期防衛していて、最多防衛記録V15を達成されたのですが、この上谷選手を止められるのはもしかしたら白川選手じゃないかなと思ってます。
ーー上谷選手は防衛を重ねていて素晴らしい王者なんですけど、試合内容はかなり不安定なんですよね。飛行機でガタガタ揺れながら飛行している感じなんですよ。あれが妙に印象に残って目が離せないレスラーだなと思いますよ。
しょこたんさん 確かにそういう所がありますね(笑)先走るし、情報漏洩しちゃうし、泣いちゃうし…上谷選手はプロレスラーとして天才的な才能をお持ちなんですが、普通の女の子らしいところもあって、絶妙なバランスにいつも目が離せません。
ーーKAIRI選手に記者会見で泣かされたとかありましたね。
しょこたんさん 2022年のスターダムは朱里選手が安定した強さでワールド王座を防衛を重ねて、上谷選手はギリギリな感じで防衛していた印象があります。
ーーそのギリギリな感じが人を惹きつける上谷選手の魅力であり、才能だと思いますよ。
しょこたんさん わかります。上谷選手は不安定でも底知れない力を持ってるんです。ギリギリな時ほど、秘められた力を発揮するのでいつも驚かされます。でも私は白川選手が上谷選手を破ってワンダ―王座を取るんじゃないかなと思っています。白川維新に期待しています!
私のイラストがきっかけで女子プロレスを好きになってほしい
ーー二人の再戦が2023年4月23日・スターダム横浜アリーナ大会で決まりましたので、この結果がどうなるのか気になるところです。ではしょこたんさんの今後についてお聞かせください。
しょこたんさん スターダムのファンアートを継続的に更新して、自分のイラストでスターダムや女子プロレスの魅力を広めていきたいなと思っています。女子プロレスの人気が世間にも届くようになって、会場にもっと女性ファンが来場していただければ嬉しいです。
ーー素晴らしいです!
しょこたんさん 私の絵柄は少し少女漫画のテイストがありまして。ガチガチのプロレスアートにはしていないので、それが引っ掛かりとなって若い女の子の皆さんにも届いてほしいなと願ってます。プロレスって怖いと思われてる方も多いと思いますが、実際にプロレスを見ると凄く面白いし、いい選手がたくさんいますから、ちゃんと観たらすごく奥が深くてイメージが変わると思います。私のイラストが女子プロレスを好きになるきっかけになってくれたら嬉しいです。
あなたにとってプロレスとは?
ーーその志がいいですね。しょこたんさんが描いている夢が現実になればいいですよね。ではしょこたんさんに最後の質問です。あなたにとってプロレスとは何ですか?
しょこたんさん 私がスターダムに出会った当時は、コロナ禍で外出もあまり出来なくて閉鎖的な状況で、楽しいことや好きなことが見つからない日々を過ごしてました。そんな時にたまたま女子プロレスを知って、希望を持てたんです。スターダムの選手たちの試合を見るとすごく元気を貰えて、明るい気持ちになりました。今がしんどくても、明日から頑張ろうという気持ちになれたんです。
ーー明日からの活力になるんですね。
しょこたんさん そうです。プロレスって華やかでかっこよく見えても、常に死と隣り合わせじゃないですか。だから命懸けのリングで試合を繰り広げる選手たちは私にとって、ものすごく美しくて尊い存在なんです。そんな選手たちの試合を見ると力が漲るんですよ。だからこそ、私にとってプロレスは生きる希望なんです。
ーー素晴らしいです!これでインタビューは以上です。しょこたんさん、ありがとうございました。今後のご活躍をお祈り申し上げます。
しょこたんさん こちらこそありがとうございました。
(第3回終了/私とプロレス しょこたんさんの場合・完)