名前 | 悩める50代女性のブログ

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レスに苦しみ、ミッドライフクライシスに悩み…苦しんで生きてきました。でも、この先は、自分で自分を幸せにしてやりたいと思います。50女の幸せ探しに、どうぞお付き合いください。

何を見て、思い出したのか忘れてしまったけど、

たぶん、テレビか何かを見ていて、

あっ!と思った。

 

この名前、私が通っていた予備校で、

私を待ち伏せして声をかけてくれた男の子の下の名前だ。

上の名前は特徴的だったので忘れてなかったけど、下の名前は忘れていて、どうしているかなぁ…と思っていたのだ。

 

女子高育ちで、自分に自信の無かった私は、いきなりの高い壁(精神的にも、また物理的にも。(男の子達は皆背が高くなっていて、黒板が見えづらくなっていた。))に怖じ気づき、下を向いて隅っこを歩いていた。

 

そんな私に

こんにちは。

と、声をかけてきた。

◯◯クラスの△△と言います。

…いきなりで、頷く事しかできなかった。

 

戸惑う私を彼の友達達が、

こんな娘だったんだ~(笑)

と覗き込みながら通りすぎて行く。

俄には事態が飲み込めなかった。

 

次の日も彼は声をかけてきた。

…でも、私はどうして良いか解らなかった。

昨日まで、ずっと下を向いて隅っこを歩いていたのである。

そんな私にも彼は笑顔で、そっと離れて行ってくれたように記憶している。

嫌な思いは一つもしなかった。

ほどなくして、彼は別の女の子と付き合いだした。

 

彼は、理系のクラスでいつもトップで、名前が貼り出されていた。

頭が良くて、女の子ともスマートに付き合って、すごいなぁ…と思っていたっけ。

 

彼の名前を検索してみると、写真が出てきた。

彼はトップ私大の理工学部を出て、一部上場企業の専務になっていた。

 

細くて優しそうなタレ目は一層優しそうに下がり

スッと通った鼻筋と、ふっくらした唇はそのままだった。

髪の毛は黒々としていて、痩せた体型も変わらない。

 

今の私なら、あの時の彼と付き合えるのにな。

ベッドに横たわり、彼の顔を見上げ、

首に手を回してあのふっくらした唇と唇をあわせたなら

どんなだったろう。

 

彼は私の事など覚えてはいないだろうが

まさか昔声をかけた女

今こんな事を考えているなんて

彼は知るよしも無いのだろう。