衆議院で自民、公明の与党が過半数を割り、野党の協力がなければ法律や予算の成立が困難となり、国会提出前の与党による法案の事前審査が事実上無意味となるなど、国政は従前と様変わりしたように見えますが、参議院での予算審議で石破首相が野党が主張した高額療養費制度の見直し撤回に言及した刹那、「混乱」「優柔不断」などと糾弾まがいの批判に、『熟議の国会とは程遠い』と感じさせました。加えて、採決前の高校授業料無償化や基礎控除引き上げなど、非公開の政党間協議は、若年世代の課題や子育て支援の本質を離れた妥協の結果としか見えません。そうした中で、石破首相が公邸で自民党衆院議員1期生15人と会食し、土産名目で10万円分の商品券を配布したと報道されました。『政治とカネ』をめぐる問題で政治不信が高まっている折の国民感情を逆なでするかのような稚拙な所作にはあきれるばかりですが、100兆円を超える国家予算の内容が脇におかれ、予算委員会の主たる論議が『商品券』になっていることは国民にとって極めて不幸な事象です。2年前、社会福法人が運営する保育園で、草刈りや花壇の手入れ、見守りボランティアなどに来て下さる皆さんに年度末に薄謝として2,000円から3,000円分の商品券やクオカードをお渡ししていた事例について、松江税務署から「源泉徴収の必要あり」として追徴課税処分を受けたことを思い出しますが、国会でウクライナやパレスチナ紛争をはじめとする国際紛争やトランプ関税などの貿易摩擦、少子化、円安や物価高騰、コメ不足など、内外の大きな問題よりも政治家の資質や行動の是非を問う質疑が延々と繰り返される様こそが、政治への信頼を失墜させる元凶となっていることを認識していただきたいものです。
水産庁は、水産業や漁村地域の再生を図るため漁業者自らが漁業収入向上とコスト削減の具体的な対策に取り組む「浜の活力再生プラン」を推進しており、全国の優良な取組地区を表彰していますが、このほど、令和6年度の「浜の活力再生プラン優良事例表彰」の受賞者が決定し、農林水産大臣に福井県の高浜地区地域水産業再生委員会、水産庁長官賞に島根県の宍道湖流域水産業再生委員会および大阪府の大阪市地区地域水産業再生委員会が3月10日、農林水産省本館7階講堂で表彰を受けました。宍道湖流域水産業再生委員会は、宍道湖業漁業協同組合と島根県、松江市および出雲市を構成団体とし、貧酸素化や藻類・水草類の異常繁茂等の影響を受ける中で、シジミの資源量の安定化を実現すべく、漁場保全や資源管理、単価向上に向けた品質向上、販路の多角化等に取り組み、10年連続で全国1位の漁獲量を達成し、『宍道湖ヤマトシジミ』は地域の重要な特産品となっています。漁業者は、貧酸素化防止のための湖底耕耘や県水産技術センターと連携して作成した水草管理マニュアルに基づき、毎年約15トンを漁業者自らが除去する等の漁場保全活動を実施しており、天然採苗と生息適地への稚貝放流による資源増殖や資源量調査に基づく資源管理の徹底により、資源量の安定的な確保が図られています。しかし、近年は国内全体でのシジミ需要減少や他産地との競合により単価が低迷しており、品質向上のため、選別の徹底や規格統一、需要の高い大型シジミの出荷を増加させるなど、ブランド力の強化とともに、「しじみの日」の制定や公式オンラインショップでの冷凍販売、ふるさと納税、レトルトしじみ汁の商品開発など、販路多角化や認知度向上、消費拡大の取り組みが高く評価されました。
3月13日、島根県議会は本会議(最終日)が行われ、境港管理組合議員に田中明美議員など3名、島根海区漁業調整委員会委員に福田薫さんなど15名および隠岐海区漁業調整委員会委員に小谷茂雄さんなど10名の選任に同意し、令和7年度島根県一般会計予算など知事提出議案77件と放課後児童クラブの充実を求める意見書および特別委員会の調査など2件について常任委員長および特別委員長の報告が行われました。討論では、令和7年度の島根県一般会計予算など12件について「財界、大企業優先の国政のツケが廻ってきており、県勢は停滞し、福祉、医療・介護などへの十分な予算が措置されていない」とする反対意見があり、採決の結果、すべての上程議案を可決・承認しました。安全協定に基づく中国電力島根原子力発電所の特重施設等の整備に関わる事前了解について丸山知事が発言を求め、「特重施設の整備は原発の安全性を補完するもので特段の反対意見はなく、すでに立地自治体および周辺寺自治体から同意する旨の意見をいただいている。今般、県議会の防災地域建設委員会での審査において了解すべきとされたことから、これに同意する」と述べました。特重施設は特定重大事故等対処施設の略称で、原子力発電所がテロ攻撃等を受けた際、中央制御室から運転員が避難して中央制御室から離れた特重施設と呼ばれる別の場所から原子炉を制御して原子炉の事故を防止するための施設で、今後5年間の間に整備を終えることとされています。今期定例会においては、第2期となる島根創生計画や農林水産基本計画、教育ビジョンなど,今後の県政運営の指針となる計画案が審議されたこともあり、委員長報告に多くの時間が費やされました。