2023年は『バービー』と『スーパーマリオ』が世界中を席巻!【北米&全世界興行ランキング】 | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

2023年は『バービー』と『スーパーマリオ』が世界中を席巻!【北米&全世界興行ランキング】




2023年公開作品で北米興収で5億ドル以上、全世界興収で10億ドル以上を稼いだのは2本。『バービー』と『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』がボックスオフィスを活気づけた

まさかここまでのメガヒットになるとはワーナーも予想してなかっただろう。マーゴット・ロビーが映画化を温めていた『バービー』が北米、全世界ともに2023年の興行ランキングで1位に輝いた。全世界興収では『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を抜いて歴代14位という快挙。ゴールデン・グローブ賞では最多9ノミネートされ、興行成績賞を獲ったのもうなずける。同日公開された『オッペンハイマー』との映画対決で「バーベンハイマー」ミームがSNSで話題になり、きのこ雲とバービーを合成したミーム画像が連投された。日本人としては複雑な思いでこの盛況を“静観”していたが、『バービー』のオフィシャルSNSがミームに「イイネ」をしたことがきっかけで“爆発”。『バービー』日本公開直前という最悪のタイミングで批判が殺到し、一時は公開中止運動にまで発展した。その影響もあってか日本では初登場8位 → 9位 → 3週目で圏外と全く振るわず、興収6億円弱に止まっている。このミーム騒動を抜きにしても「思っていた内容と違ってた」「フェミニズム全開な内容についていけなかった」「マーゴット・ロビーはキュートだがもっとファンタジーな内容を期待してた」と海外に比べて日本での評価はあまり芳しくない。



2位は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』で、日本のみならず世界中でマリオブームが巻き起こった。まだ具体的な動きはないが水面下で続編製作も進んでいるとのこと。『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は前作『スパイダーマン:スパイダーバース』以上の大ヒットで軌道に乗り始め、評価も前作以上の絶賛が相次いだ(日本ももうちょっとヒットしてほしいところだが)。



ついに完結を迎えた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』はシリーズ最高のヒットではないものの最終章に恥じぬ興収を残し、評価でもホメ意見が圧倒的、見事に有終の美を飾った。昨年のMCU映画は『アントマン&ワスプ:クアントマニア』『GotG 3』『マーベルズ』の3本が公開されているが批評、興行ともに成功を収めたのは『GotG 3』だけ。『アントマン~』は世界興収では大きく数字を落とし、『マーベルズ』はMCU映画史上ワーストを更新する大惨敗となり、ディズニーに大きな損失をもたらした。今年のMCU映画は『デッドプール3』の1本で勝負に出る。一方でメインヴィランのカーンを演じていたジョナサン・メジャースは暴力事件で有罪確定となったことでマーベルをクビになり、『アベンジャーズ』5、6作目は仕切り直しに。前途多難なMCUの行方が注目されている。

 

一方、DCは『シャザム!〜神々の怒り〜』『ザ・フラッシュ』『ブルービートル』『アクアマン/失われた王国』の4本が公開されたが、どれも精彩の欠く成績に終わり、10年続いた「DCエクステンデッド・ユニバース」の締めくくりとしては物足りない結果となった(個人的傑作の『ザ・フラッシュ』はもっとヒットしても良かった)。今後は新生「DCユニバース」として仕切り直すが、離れていったファンが戻ってくるかは未知数だ。どんな人気ジャンルの映画でも必ず過渡期は訪れるが、供給過多のアメコミ映画がこれからもブームをけん引するのか、それともここで終わってしまうのか。




一時は日本公開も危ぶまれた『オッペンハイマー』が米国のみならず世界各地で大ヒットし、映画史上最も当たった伝記映画となった。「バーベンハイマー」騒動に一方的に巻き込まれたものの(ユニバーサルは便乗することなく静観)、批評家から高く評価された“問題作”は日本公開も待ち望まれた。大人の事情でいつもならユニバーサル作品を配給している東宝東和ではなくビターズ・エンド配給で公開が決まったことは、映画ファンにとって、この作品をどの国よりも“観る権利がある”日本人にとって朗報と言える。



歌手のハリー・ベイリーがアリエル役に起用されたと知った一部のファンの間では、「アニメ版とイメージが違いすぎる」「この映画も多様性キャストの犠牲に」「またディズニーのポリコレか」と批判的な意見が相次ぎ、映画の成功が懸念されていた『リトル・マーメイド』だが、結果的に約3億ドル、全世界興収で5億6900万ドル超えのヒットに。ロッテントマトのオーディエンス評価は94%という高い支持を受けたが、日本ではやはりアニメ版のイメージが強すぎるせいか評価は分かれた。とはいえ誰もが認めざるをえないベイリーの歌に心酔した人が多く、日本でも34億円のヒットとなっている。



4作目をもってジョン・ウィックの物語に終止符が打たれた『ジョン・ウィック:コンセクエンス』はシリーズ最大のヒットとなり、過去最高のアクションにシリーズファンからこれ以上ない賛辞が寄せられた。プロデューサーは「次のアイデアはあるがまだ決まったわけではない」とシリーズ続行を示唆しており、「次回作が実現するにしてもこれまでとは違う展開になる」と含みを持たせている。アナ・デ・アルマス主演のスピンオフ『バレリーナ』は6月7日米国公開予定。



大ヒットの成功を喜ぶシリーズ映画もあれば、思わぬ不振で苦汁をなめたシリーズ映画もある。15年ぶりの新作で最終章『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は日本は平凡な成績で終わったが、米国興収も2億ドル以下、全世界興収では4億ドル未満とシリーズ唯一の赤字作品に。シリーズ最大のヒットとなった『クリスタル・スカルの王国』の米国興収3億1710万ドル、全世界興収7億9065万ドルと比べても一目瞭然。過去4作が一度も公開されていない中国ではそもそも『インディ・ジョーンズ』シリーズがフランチャイズとして成立しておらず、興収はたったの330万ドルで惨敗。ちなみにアジア圏では日本が一番ヒットしている。不発の原因は「スピルバーグ、ルーカスが直接関わっていない」「シリーズを寝かしすぎ」「ハリソン・フォードが年を取りすぎた」「ストーリーが微妙」「アクションが面白くない」「サブキャラに魅力がない」「冒険のワクワク感が足りない」などさまざま。またカンヌ国際映画祭での不評が興行に影響したとも。製作費3億ドルもかかった本作の不振でディズニーは1億ドル以上の損失を負ったと言われている。



一方で作品評価は高いのにパッとしない成績だったのが『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』。前作『フォールアウト』に比べて米国興収は-22%、全世界興収は-29%と大きく数字を落とした。『トップガン マーヴェリック』のトム・クルーズ人気に乗って『トップガン』以上の興収を期待していたパラマウントとしては肩透かしな結果に。コロナパンデミック対策で製作コストが大幅に膨れ上がったことで、劇場興収だけで収益につなげることは出来なかったようだ(ソフトや配信などの二次使用で黒字に出来るのだろうが)。次回作となる第8弾(にしてファイナル)は米俳優組合によるストライキの影響で公開が2025
年に延期に。さらに今作『デッドレコニング PART ONE』から『PART ONE』が外れ、8作目の当初のタイトルだった『デッドレコニング PART TWO』も変更することが決まっている。部作の後編であることには変わりないが、『PART TWO』を使うことは興行的に影響があると判断されたためだ。

 


ラストランを前に息切れ気味となっているのが『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』。米国興収はスピンオフ『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』を含めたシリーズ11本のフランチャイズで8位という期待外れの結果に。しかし『ワイスピ』シリーズは米国よりも海外興収のほうが高いので、今回も7億ドル超えのヒットとなった(とはいえシリーズ最高のヒットとなった7作目『ワイルド・スピード SKY MISSION』の全世界興収15億1504万ドルから半減してるわけだが)。




2023年公開作品興行収入ランキング


北米興収 ※一部見込み額も含む
1  『バービー』 6億3623万6220ドル
2  『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』 5億7493万4330ドル
3  『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』 3億8131万1319ドル
4  『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』 3億5899万5815ドル
5  『オッペンハイマー』 3億2675万1405ドル
6  『リトル・マーメイド』 2億9817万2056ドル
7  『アントマン&ワスプ:クアントマニア』 2億1450万4909ドル
8  『ジョン・ウィック:コンセクエンス』 1億8713万1806ドル
9  『Sound of Freedom』 1億8417万8046ドル

10  『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 1億8227万3000ドル
11  『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』 1億8075万6269ドル
12  『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』 1億7448万468ドル
13  『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』 1億7213万5383ドル
14  『ハンガー・ゲーム0』 1億6528万945ドル
15  『トランスフォーマー/ビースト覚醒』 1億5706万6392ドル
16  『クリード 過去の逆襲』 1億5624万8615ドル
17  『マイ・エレメント』 1億5442万6697ドル
18  『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 1億4612万6015ドル
19  『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』 1億3727万5620ドル
20  『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』 1億1861万3586ドル


全世界興収 ※一部見込み額も含む
1  『バービー』 14億4563万6401ドル
2  『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』 13億6194万5211ドル
3  『オッペンハイマー』 9億5268万5405ドル
4  『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』 8億4555万5777ドル
5  『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 7億487万5015ドル
6  『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』 6億9061万5475ドル
7  『リトル・マーメイド』 5億6962万6289ドル
8  『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』 5億6753万5383ドル
9  『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 5億1307万3000ドル
10  『マイ・エレメント』 4億9644万4308ドル
11  『アントマン&ワスプ:クアントマニア』 4億7607万1180ドル
12  『ジョン・ウィック:コンセクエンス』 4億4014万6694ドル
13  『トランスフォーマー/ビースト覚醒』 4億3896万6392ドル
14  『MEG ザ・モンスターズ2』 3億9770万317ドル
15  『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』 3億8396万3057ドル
16  『アクアマン/失われた王国』 3億7978万4716ドル
17  『ハンガー・ゲーム0』 3億3591万2115ドル
18  『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』 2億8936万1620ドル
19  『クリード 過去の逆襲』 2億7614万8615ドル
20  『ザ・フラッシュ』 2億7133万3313ドル



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