1984年夏、ボクと『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(再アップ記事) | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

1984年夏、ボクと『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(再アップ記事)

 

※今夜『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』が放送されるので2021年9月24日に公開したブログを再アップします

 


2週続けて『インディ・ジョーンズ』が地上波で放送されますね(どうせなら『レイダース』から放送して欲しかったな。『クリスカ』は別にいいけど:)。

特に思い入れのある『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』が地上波でオンエアーされるなんていつ以来だろう・・・・とWikiで調べたら約4年ぶり。地上波で13回目、金曜ロードショーでは13年ぶりの放送らしい。シリーズが生まれて40年経った今でも新作が作り続けられている人気コンテンツだから、オリンピックじゃないけど何年かに1回の割合で放送してもそれなりの数字は取れるのかも。しかも新作でもないのに地上波放送で本編ノーカットなのはなんとも有難いじゃないですか(心臓わしづかみもカットしないで放送できるのかしら?)。ちょっと前までは『ハリー・ポッター』かジブリアニメか最近公開したばかりの新作邦画ばっかりで、もう地上波映画に夢も希望も持てなくなっていたんですが、金曜ロードショーが視聴者から放送して欲しい映画のリクエストを受け付け、『グーニーズ』や『スタンド・バイ・ミー』など映画が輝いていた80~90年代作品の放送にも力を入れるようになり、日テレやるじゃんってちょっと嬉しくなったり。
照れ



『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』との出会いは11歳の時。日本公開は1984年7月7日。インターネットなんかあるわけもなく、新作映画の情報源は毎週やってた情報番組と金曜の夕刊の新聞にびっしり載ってる映画広告をチェックするしかなかった(新聞広告を切り取ってスクラップブックに貼ってたりするのが毎週の楽しみだった)。「ロードショー」「スクリーン」などの映画誌もあったが、キレイな外人女優が表紙を飾っている本を小5のガキが買う勇気なんてないですがな
(笑)。夕刊に載ってた広告と流れる『魔宮の伝説』のCMを見て「すごい面白そう! コレ観たい!」。「スピルバーグ×ルーカスのゴールデンコンビが放つ冒険映画!」と宣伝されて気にならないヤツはいないよ。チュー

 

 

まだ1人で映画を観に行ける年齢じゃなかったので母ちゃんに連れてってとせがんだけど、母ちゃんは映画にてんで興味がない。『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』を2人で観に行った時も、ジャバが登場するオープニングからイウォークが舞い踊るエンディングまで母ちゃんはずっと夢の中だった。しかもボクが「もう1回観たい!」とワガママに付き合ってくれ、『ジェダイの復讐』は2回連続で観たから母ちゃんは7時間ぐらい映画館で寝てたと思う。今思えばあんな座りにくい椅子でずっと寝かせてしまい、母ちゃんゴメンよ。それに懲りたのか『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』は母ちゃんの知り合いのオッサンに連れて行ってもらうことにした。やたらと調子のいいパンチパーマのオッサンで家にしょっちゅう来てたんで、人見知りだったアタシでもあまり気にはならなかった(人見知りの小学生が全く知らない大人と映画を観に行くほどツラいものはない)。

ということでそのオッサンと2人で京都の河原町三条にあった東宝公楽にレッツラゴー。京都で唯一70mm上映をしてた映画館でスクリーンはビッグサイズ。「70mm上映ってなんだかスゴそう、画面でかそう」とヘンに「70mm上映」を意識してた映画少年でした
(笑)。当時はそんな程度のざっくりしたイメージしかなく、それでこそ今で言うIMAXを観に行く感じだったのかもしれません。これも当時の印象でしかないけど、東宝公楽は500席ある大型映画館でシアター内は結構急勾配な作りになっていたと記憶しており(上映中に缶ジュースを落としたらエライことになりそうなほど)、スクリーンと観客の距離が近いということもあってか、とにかく目の前にスクリーンがあるという感じで画面がデカイ!というイメージがずっと残っているお気に入りの映画館でした。照れ



しかし最近になって分かったことですが、ネットで東宝公楽の当時のチラシを見つけ、70mm上映する場合のスクリーンサイズは6.4m×13.5m(1:2.1)であることが判明。あれ、そんなもんの大きさだったんだ
(ちょっと拍子抜け)。当時11歳の小学生の目線と大人の目線とでは、スクリーンのでかさを感じる“度合い”の違いがあったのかもしれません。そもそも70mm上映って“スクリーンサイズのでかさ”ではないですからね。ちなみに『魔宮の伝説』は35mmで撮られておりブローアップして70mm上映。1:2.39のスコープサイズ作品なので、となると1:2.1の70mm版は若干トリミングされてたのかな。


いきなりゴージャスなミュージカルで始まるオープニングに若干戸惑いつつ
(マジで違う映画を観に来たのかと勘違いしたほど)、その後は息つく間もなくやって来る危機また危機の連続にひたすら大コーフン。特に同世代のキー・ホイ・クアンが出ていたこともあり、自分を投影してインディと一緒に冒険をしている気にさせてくれました。ジョン・ウィリアムズのテンションアゲアゲな音楽がシーンを盛り上げ、飛行機からゴムボート脱出にハラハラ、ゲテモノ料理の数々に苦笑い、インディとウィリーの不器用なラブシーンにニンマリ、虫だらけの場面に阿鼻叫喚、下手なホラーなんかよりエグすぎる心臓わしづかみシーンに「うげっ!」とトラウマ、善玉インディの復活に拍手が起こり、男が大型削岩機に巻き込まれてミンチになる場面でまた「うげっ!」、トロッコチェイスでチンさむ遊園地気分、水バシャー!のシーンで新喜劇並みの大爆笑、橋真っ二つ&絶壁バトルで心臓バクバク状態になり、エンドクレジットが出る頃にはもうグッタリ・・・・・。まさしく正真正銘のジェットコースター・ムービーを70mm上映で心ゆくまで堪能し、「映画ってこんなに面白いんだあ!」とエンタメ映画の極意をスピルバーグとルーカスに教えてもらった至福の118分でした。爆  笑爆  笑爆  笑

 

 

劇場を後にする観客のほとんどが「いや~面白かったなあ」「スゴかったなあ」と口々にしていたのを覚えており、それがまた嬉しかったり。家に帰ってアタシ以上に興奮してたのがパンチパーマのオッサン。母ちゃんに「いや~、スゴかったでぇ! ジェットコースターでビュ~~~ンって走って水がバシャ~~!って襲ってくるねん! 最後は崖のところで戦って・・・・。いや~面白かったわあ!」(←やたらと擬音を多用して説明する中年あるある)と興奮気味に説明してましたな。ちなみにいつだったか地上波で『魔宮の伝説』が放送された時、やはり映画に全く興味のないオヤジに見せたら、子供のように面白がってた。大の大人でも童心に帰らせてしまう『魔宮の伝説』の威力たるや。ニコニコ



実は『魔宮の伝説』が『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』に続くシリーズ2作目ということを後で知って、ちょうど『魔宮の伝説』公開後に『レイダース』のリバイバル上映がありオヤジに連れてってもらった。案の定、オヤジはほとんど寝てたけど
(笑)。しかし帰宅後、オヤジが母ちゃんに「なんかでっかい石がゴロゴロ転がってきて、トラックで追いかけっこしてな、そんで最後、ユーレイみたいなのが出てきてワルもんが全員死ぬねん!」(←要領よく説明できない中年あるある)とざっくりにもホドがある説明をしている横で、アタシは劇場で買ったパンフを夢中になって読んでました(笑)。物語の時系列順だと『魔宮の伝説』 → 『レイダース』になるので、偶然にも“正しい時系列順”で観たわけですけど。ニヤリ



『魔宮の伝説』にすっかりハマったアタシはサントラのカセットテープを買ってテープが擦り切れるほど何度も聴いてましたね。で、テープが擦り切れちゃったんでもう1本新しいのを買って、ダビングできるダブルカセットデッキを姉ちゃんから借りてダビングした方のテープを「再生用」として使い、オリジナルの方は大切に「保存用」として取っておいたのも懐かしい思ひ出。
チュー

80年代はレンタルビデオブーム加熱期。当時は劇場公開から半年後にビデオ化というのが一般的でしたが、『魔宮の伝説』は一向にビデオ化される気配がはなく、ビデオリリースされたのは公開から2年後の86年10月。フリーペーパーでビデオ化されたことを知り、真っ先にレンタル店でレッツラゴー。新作コーナーに30本以上ズラリと並べられた『魔宮の伝説』のビデオパッケージは壮観でした(笑)結局我慢できず1万500円出してVHSを購入。当時中学生だったアタシにとって1万円は大金(笑)。これが『魔宮の伝説』の記念すべき映像コレクション第1号でした。その後、廉価版VHSでもう1回買い直し、スタンダードサイズLD → 輸入盤ワイドスクリーンLD → 日本盤ワイドスクリーンLD-BOX → アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ コンプリートDVD(最初に出たDVD-BOX) → インディ・ジョーンズ アドベンチャー・コレクション(『クリスカ』公開時に特典追加して出たDVD-BOX) → コンプリート・アドベンチャーズ(Blu-ray) → スチールケース仕様Blu-ray → 4ムービーコレクション 40th アニバーサリー・エディション(4K ULTRA HD)と、新しいメディアで出るたびに買い直した回数は計10回。おそらく来年夏公開の『インディ・ジョーンズ5』もセットにしたアルティメットなんちゃらBOXとかも出してきそうですが、多分買っちゃうんでしょう(笑)ウインク







『魔宮の伝説』公開時、「私の絶対の自信作だ。思う存分皆さんに楽しんでほしい」とスピルバーグは誇らしげに語ってました。ですが公開後、インドやヒンズー教の描写が差別的、また子供には刺激が強すぎる暴力描写や残酷描写が多いと批判され(本作がきっかけでPG-13のレイティングが生まれた)、スピルバーグの嫁さんになるヒロイン役のケイト・キャプショーは「キャーキャーわめいているだけのやかましいヒロイン」と酷評されるなど、のちにスピは「今思えば『魔宮の伝説』は色々やりすぎた。私のフィルモグラフィーでは気に入っていない」と言い訳するかのように
(笑)“失敗作”扱いしています(しかし残酷度だけでいえば『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』『ミュンヘン』のほうが圧倒的であるのは言うまでもない)。ニヤリ



ルーカスフィルムが反差別主義&露骨に多様性を打ち出しているディズニーに売却された今となっては『魔宮の伝説』のような作品を作ることはほぼ不可能でしょうし、まだ親になる前の“映画少年”だった頃のスピルバーグだから作れた作品とも言えます。大人向けのエンターテインメントであり往年の冒険映画を現代に蘇らせて批評家に絶賛された『レイダース』に比べて、『魔宮の伝説』はただただ騒がしい子供向け冒険映画と批判されても仕方ないかもしれません。世間では『魔宮の伝説』がシリーズで一番好き!という人も多ければ、最も気に入らないという人が少なくないのも頷けます。

 

『レイダース』の見事な部分はインディと敵のアーク争奪戦に注力した非の打ち所のない完璧な脚本と、絶妙なストーリーテリングにあります。一方、『魔宮の伝説』はストーリーらしいものはあまりなく、「見せ場のつるべ打ち」に重点を置いています。悪く言えばアクションシーンをツギハギしたような映画ですし、見せ場を先に考えて後でストーリーを後で肉付けしたようにも思えます(『ワイスピ』シリーズとか最近のハリウッド・アクション映画に感じるテンプレ感)。実際、トロッコチェイスは『レイダース』でボツになったアイデアをこっちに持ってきたものですし。しかしそのツギハギしたような見せ場の連続を、才能溢れる若きスピルバーグの演出力で「テンポよく」「リズミカルに」クライマックスまでグイグイ引っ張っていく“心地よさ”が『魔宮の伝説』の最大の魅力でもあります。ココが過剰にアクションを盛っただけで観ていてだんだん飽きてくる最近の映画と違うところです。

 

 

映画的カタルシスで言えば『魔宮の伝説』がシリーズで群を抜いて際立っているし、『魔宮の伝説』を先に観てから『レイダース』を観に行った当時小学生のアタシは「『レイダース』も面白かったけど話が小難しかったなあ」という若干のモヤモヤを抱えていたのを何となく覚えています。当時は『レイダース』より圧倒的に『魔宮の伝説』派だったし、ストレートに分かりやすく面白く、見せ場盛り盛りで観客を楽しませたいというスピルバーグの過剰なサービス精神が溢れ出ていたのは明らかに『魔宮の伝説』のほうでした。『レイダース』の緻密なストーリー設計やきめ細かい映画演出など“本当の面白さ”に気づいたのは随分後になってからです。観れば観るほど面白さが増していく『レイダース』と、いつ何度観ても楽しい『魔宮の伝説』。『最後の聖戦』はストーリーとアクションがシリーズで一番バランスよく取れていた良作でしたし、「これでインディとの冒険ともサヨナラかあ」と夕陽に向かって走り去っていくインディたちの姿に涙したものです。だからアレで最後にしとけば良かったのに・・・・(笑)。アタシ的満足度は『レイダース』&『魔宮の伝説』(同じぐらい好き)>『最後の聖戦』>>>>>>>『クリスタル・スカルの王国』という感じですかね(笑)チュー

 


新作の第5弾はディズニーが現在制作していますが、旧4作の権利はパラマウントが所有したままです(4K UHDもディズニーではなくパラマウントからリリース)。しかし権利関係に厳しいルーカスフィルム作品なので『スター・ウォーズ』と同様、劇場でリバイバル上映されることはほとんどありません。今年3月に『レイダース』が4DXバージョンで特別上映されたのはある意味奇跡でした。『魔宮の伝説』を劇場の大スクリーンでまた堪能したいという願いがまさか叶うとは思わなかった2010年6月、有志一同が開催したシリーズ4作をオールナイトでイッキミするイベント上映にも行きました。TOHOシネマズ六本木の一番でっかいスクリーンで「当時使われたフィルムで上映」という貴重な体験は二度と出来ないでしょう。デジタルデータ化、レストアされていない色あせして傷だらけ、いつ切れてもおかしくない劣化しまくりのフィルム上映にヒヤヒヤしながらも、日本中のインディファンと一緒に興奮と笑いに包まれた至福の8時間マラソン上映。ぜひ『インディ5』公開前にトリロジー上映をまたやってほしい! え、4作だからクアドリロジーだろって? アタシはトリロジーで十分ですよ(笑)爆  笑
 

 

 

 

コレ、放送時にリアルタイムで観てた記憶ある。BD特典には絶対に入らない貴重なメイキング!