2020年最低映画は!？ラジー賞『ドクター･ドリトル』『愛は、365の日々で』が最多６候補！

今年もこの季節がやってまいりました。その年のワースト映画＆俳優を決める第41回ゴールデンラズベリー賞（ラジー賞）のノミネートが発表された。

今年のワースト映画の顔になりそうなのが、ロバート･ダウニー･Jr主演で名作児童文学を新たに映画化した『ドクター･ドリトル』と、日本ではNetflix配信された謎の官能ドラマ（笑）『愛は、365の日々で』がそれぞれ６部門で最多ノミネート。

『ドクター･ドリトル』はエディ･マーフィ版とは違い、ロバート･ダウニー･Jrが製作総指揮を兼任して原作に忠実に映画化。しかしスティーヴン･ギャガン監督が手掛けたラフカットの出来に難色を示したユニバーサルが大幅な再撮影を決定し製作費は1億7500万ドルに膨れ上がってしまった。世界興収が2億4550万ドルなので大赤字（製作費と宣伝費を回収するには最低４億ドル以上必要）な上、手直ししても批評家に酷評された。ロッテントマトの観客評価76％はさほど悪くないが、Yahoo!映画では3．38点とパッとしない評価。確かに「つまらないわけじゃないがさほど面白いわけでもない」という熱量低めなビミョーな作品だったことは否めないが、ラジー賞ノミネートされるほどかな？という疑問も（笑）。最低スクリーンコンボ賞では「ロバート･ダウニー･Jr＆説得力のない“ウェールズ”アクセント」までノミニーされている始末。ほとんど難癖（笑）。エマ･トンプソン、ラミ･マレック、ジョン･シナ、オクタヴィア･スペンサー、トム･ホランド、レイフ･ファインズ、セレーナ･ゴメス、マリオン･コティヤールらボイスキャストは無駄に豪華なんですけどね。前回の『キャッツ』に続いて「ユニバーサル制作の動物映画」が２年連続の受賞となるか。

ラジー賞にノミネートされる作品の大半は日本未公開もしくはDVD･配信スルー作品なのであまりピンとこないのは毎度のこと。さらに昨年はコロナ禍で大作や話題作の公開中止・延期が相次ぎ、第40回のような『キャッツ』や『ランボー：ラスト･ブラッド』といった破壊力抜群な作品がないこともあり今回は全体的にタイトルが薄く、ラジー賞もきっとセレクトに迷ったに違いない（笑）。

最低助演男優賞には、最近何の映画に出ているかすら分からなくなってきたシュワルツェネッガーとウィリスの名前が。前作のような圧倒的支持を得られなかった『ワンダーウーマン1984』は、クライマックスでトートツに女豹に変身して観客も唖然となったクリステン･ウィグの最低助演女優賞と、最低リメイク･パクリ･続編賞にノミネート。

アカデミー賞発表前日の4月24日（現地時間）に発表予定。

第41回ゴールデンラズベリー賞ノミネーション

最低映画賞
『愛は、365の日々で』
『Absolute Proof』
『ドクター･ドリトル』
『ファンタジー･アイランド』
『Music』

最低主演男優賞
ロバート･ダウニー･Jr　『ドクター･ドリトル』
マイク･リンデル（“マイピローガイ”）　『Absolute Proof』
ミケーレ･モローネ　『愛は、365の日々で』
アダム･サンドラー　『ヒュービーのハロウィーン』
デヴィッド･スペード　『僕のミッシー』

最低主演女優賞
アン･ハサウェイ　『マクマホン･ファイル』＆『魔女がいっぱい』
ケイティ･ホームズ　『ザ･ボーイ　～残虐人形遊戯～』＆『ザ･シークレット：希望を信じて』
ケイト･ハドソン　『Music』
ローレン･ラプカス　『僕のミッシー』
アンナ＝マリア･シエクルッカ　『愛は、365の日々で』

最低助演女優賞
グレン･クローズ　『ヒルビリー･エレジー　－郷愁の哀歌－』
ルーシー･ヘイル　『ファンタジー･アイランド』
マギー･Ｑ　『ファンタジー･アイランド』
クリステン･ウィグ　『ワンダーウーマン 1984』
マディ･ジーグラー　『Music』

最低助演男優賞
チェヴィー･チェイス　『The Very Excellent Mr. Dundee』
ルディ･ジュリアーニ　『続･ボラット　栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
シャイア･ラブーフ　『The Tax Collector』
アーノルド･シュワルツェネッガー『The Iron Mask』
ブルース･ウィリス　『アンチ･ライフ』『ナイト･サバイバー』『Hard Kill』

最低監督賞
チャールズ･バンド　『バービー＆ケンドラ』３作品
バルバラ･ビャオヴァス＆トマシュ･マンデス　『愛は、365の日々で』
スティーヴン･ギャガン　『ドクター･ドリトル』
ロン･ハワード　『ヒルビリー･エレジー　－郷愁の哀歌－』
SIA　『Music』

最低脚本賞
『愛は、365の日々で』
『バービー＆ケンドラ』３作品
『ドクター･ドリトル』
『ファンタジー･アイランド』
『ヒルビリー･エレジー　－郷愁の哀歌－』

最低スクリーンコンボ賞
マリア･バカローヴァ＆ルディ･ジュリアーニ　『続･ボラット　栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
ロバート･ダウニー･Jr＆説得力のない“ウェールズ”アクセント　『ドクター･ドリトル』
ハリソン･フォード＆完全にニセモノにしか見えないCGIの犬　『野性の呼び声』
ローレン･ラプカス＆デヴィッド･スペード　『僕のミッシー』
アダム･サンドラー＆耳障りなマヌケ声　『ヒュービーのハロウィーン』

最低リメイク･パクリ･続編賞
『愛は、365の日々で』
『ドクター･ドリトル』
『ファンタジー･アイランド』
『ヒュービーのハロウィーン』
『ワンダーウーマン 1984』