好みの筆跡。 | 夏美 きのう きょう・明日。

夏美 きのう きょう・明日。

50代 主婦の日常を呟きます。



「夏美ちゃんの字って
Kちゃんの字に似てる。」

わたしのノートを見た子が言った。


みるみるわたしの顔は真っ赤になった。

恥ずかしかった。

こっそりしていたことを
みつけられてしまった感じがして
なんだか泣きそうになった。


小4の夏。
クラスで一番可愛かったkちゃんからお誕生日に手紙をもらった。

お習字に通っていたkちゃんの文字に目が釘づけになってしまった。

大人っぽくて綺麗なのだけれど
ちょっとクセがあって

そこがまた良かった。
 
真似した。
お手紙を見ながら練習した。
似てきて 嬉しかった。



でも あの子にみつけられて
やめた。
自分の筆跡に戻した。


高校1年のとき。
同じクラスになったJちゃんの文字にまた 心を奪われた。

まる文字が流行り始めた頃。

彼女の文字は センスがよくてオシャレだった。

「真似してもいい?」

堂々と真似しようと 彼女に確かめてみた。

翌日 彼女が1枚の紙を手渡してくれた。


【あ】から 【ん】まで 
すべての文字のお手本が書かれていた。

嬉しくて 顔が真っ赤になった。

わたしのために?!!震えた。

真似た。練習した。

Jちゃんの筆跡そのものにはなれなかったけれど 楽しかった。

わたしも。わたしも。真似する女子が増えていった。

そして

試験前に気付いてしまう。

なぜか 頭に入ってこないのだ。

学校のノートは わたしの筆跡に戻した。


同じ制服を着ているのにまるで違って見えたJちゃんは 

その後


京都の美大へ進んだ。

☆☆☆☆☆

今も ときめく筆跡をみつけると

真似て遊びます。


筆跡を変えると ちょっと違うひとになれます。





きょうもありがとう。




夏美。