わたしと水藍は進路希望表を提出した。
お互いの用紙は見なかった。否、見ないことにした。
気になるなら、問えば良い。水藍はきっと、わたしに答えるだろう。
提出に行くと紫藤(シドウ)と海(カイ)が何やら話し込んでいた。
海は水藍に気付いたけれど、また紫藤と話している。それでも彼女が気になるらしく、ちらちらと伺っている。
(何だかなぁ~)
いじらしいというのか、いじましいというのか。
(いじましい、なんて可哀想かしら)
本人は一生懸命なのだから。
どんなにたくさんの『誰か』に愛されても意味がない。本当に愛されたい『誰か』に愛されないのなら。
けれど。
その『誰か』が自分を愛してくれるとは限らない。
それでも。その『誰か』が愛してくれるように、努力を止められない。
いつか、その努力が何かの形で本人に返ったら良い。
水藍を気にする海を見ながら思う。
わたしが海に協力することは絶対にないけれど!
了