過ぎ去りし日々は取り戻せるのか否かー9 | Juliwolfmunのブログ

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腐女子じゃなく主腐じゃないかと自負するもののブログです。
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ユーリは、ウェラー卿が出て行った扉を呆然と眺めていた。

「俺があいつを…ヴォルフを不幸に?婚約者とかいう変なこだわりに縛られずに、親友として側にいて欲しかったーそれだけだったのに。」
いつも、俺が苦しんでいると手を差し伸べてくれたり、直球だけれど決して間違えた事は言わなかった。「僕がついている、安心しろ」とその自信はどこから?みたいな言葉で励ましてくれたよな。
でも、俺な、ここ最近ベッドの上で寝ているヴォルフを見ると、心臓の動きが乱れ苦しくてしょうがなかったんだ。
これがどういう感情か自分でもはっきりとはわからなかった。でも何とか答えが出た気がするよ、ヴォルフラム。

「俺、王様失格だよな…」
「でも、王としてやるべきことはあるはずだ。いや、王としてではなく大切な…あいつのために」
ユーリは、意を決して他の臣下の所に相談に行った。

「グウェンのところは、今コンラッドがいるだろうから今行っても無駄だろうけれど、先ずは行くべき所だろうな」
ユーリはグウェンダルが居るだろう執務室に向かった。
執務室に着きノブに手をかけようとすると、中から言い争うような声が聞こえてきた。

「なんだとっ!ヴォルフラムが行方不明!」
「ああ」
「それで、俺はヴォルフを探しに行こうと思う。陛下には護衛の件に関してお暇を頂いた。」
「後任に関しては、ヨザックに頼もうと思っている。」
机を思いっきり叩く音が聞こえたと同時に、低重音の声が聞こえてきた。
「だから!あんな、異世界育ちの子供に王を任せるのは反対だったんだ!」
「彼奴は、自分の生まれ育ったところの常識ばかりを押し付け、こちらの常識には慣れようとしなかったではないか!男同士だから?それがどうした!そんな本人が望んで得たものではないものを言われても!」
「グウェン。今回ばかりは俺もユーリの肩を持つことは出来ない。しかし、彼は間違いなくこの国の王だ。グウェンがいないとまだ彼はこの国を治めるのは難しいだろう。」
「この件で、彼はきっといろいろ学ぶだろうから、その時に彼方がいないとー」
「まだ、あれを王と呼べというのか?お前は。」

兄弟の会話を口を挟まずに聞いていた王佐殿が、ようやく口を開いた。

「それでは、あなた方はユーリ陛下の治世に異を唱えるというのですか?それは立派な反逆罪ですよ!」
「そもそも、あの子供が王に就く事が間違いだったのだ。魔王はヴォルフラムの方が相応しい。あれは、眞王の血を色濃くついでいる。あいつが就くべきなのだ。」
「コンラートは?どうです?あなたは、スザナジュリアの魂をあちらに運んで陛下を誕生させたのでしょう?」
「そうだ、今でもユーリは王としての資質は持ち合わせていると思っている。しかし、甘いところがあるのも現実だ」

全てを聞いたユーリは、その場から立ち去ることしか出来なかった。
(俺は、そんな風に思われていたんだ…)
ユーリは流れる涙も拭おうとせず走り去る事しかできなかった。


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2011/10/29