過ぎ去りし日々は取り戻せるのか否かー8 | Juliwolfmunのブログ

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腐女子じゃなく主腐じゃないかと自負するもののブログです。
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「俺は…このまま俺と婚約していてもきっとヴォルフは幸せなんかなれないと思ったんだ。だから、婚約を破棄した…。また、一番の親友から始めればいいと…。決してヴォルフに辛い思いをさせるためじゃないよ…」
「知っていたら、破棄などしなかったよ」
ウェラー卿は、フゥーと大きく息を吐いて答えた。
「そうでしょうね。貴方はそういう方だ。だからこそ、弟は貴方に何も告げなかったのでしょう。」
「だから、俺は!ヴォルフを探しに行く!」
「探してどうするおつもりですか?貴方は弟に添い遂げるつもりはないのでしょう?なのに何故探す必要があるのですか?」
「だから、友…」
「いい加減にしてくださいっ!これ以上弟を苦しめないでやってください!確かに、婚約行為は貴方がこちらの事を知らないで行ったことだと、あの場にいた者は皆知っています。」
「そして、確たる後ろ盾がなかった貴方を名実ともに魔王として立てるために、弟の婚約を利用していた俺たちにも責任があります。しかし、貴方はこの国を統べる王だ。いくらでもなかったことに出来た筈でしょう?」
「貴方はそれをしなかったばかりか、"男同士だから"と弟の存在を否定するような言葉で弟を傷つけていた。これ以上傷つけるようだったら、たとえユーリであっても俺は許すことができない。」
「……」
「勝手な事をいって申し訳ありません。もし不敬罪に問われるのであれば、問うていただいて結構です。」

ユーリは動かない脳みそをフル回転して答えた。
「そんな事を俺ができるわけ…ないじゃないか!」
「ですよね。ユーリは優しいから。」
「優しくなんか…」
「でも、その優しさは時に罪であり愚かな感情だ。俺のことにしてもヴォルフラムの事にしてもね。王としては時に冷淡になる事も必要かと存じます。」
ウェラー卿は、クルッと背中を向けてドアをあけようとしていた。そして、思い出したようにこう告げた。


「しばらく俺、ウェラー卿コンラートは…ユーリ陛下の護衛の任を解いていただけるようお願いする所存です。」
「信用たる配下を後任に推薦させていただく所存でございます。」
「後任が決まるまで、陛下におかれましてはあまり動かない様お願いもうしあげます。ああ、あちらの世界にお帰りになるのも一つの手段かと存じますが?こちらから眞王廟に赴きお願いしてまいりますので…」
「そんなことは必要ない!それとも俺がここにいると邪魔だと?」

「ええ。邪魔です」

信頼していた名付け親の、その言葉はユーリの気持ちをどん底に突き落とすには十分すぎるものであった。

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2011/10/29 juliwolfmun