過ぎ去りし日々は取り戻せるのか否かー7 | Juliwolfmunのブログ

Juliwolfmunのブログ

腐女子じゃなく主腐じゃないかと自負するもののブログです。
ここのサイトの作品は、二次創作であって、出版社様・原作者様とは全くもって関係がございません。

「コンラッド!どういうことなんだよ!お前知っていたのか?」
そう主に詰め寄られた護衛兼名付け親は、フルフルと緩く首を横に降り答えた。
「俺も先程初めて聞いたのです。ビーレフェルトに戻って領主になるための勉学に勤しんでいるものとばかり…」
何にも動じない名付け親が、狼狽したような表情を浮かべているのはかなり珍しい。などと思いにふけっている場合ではないのだ。
「コンラッド!ヴォルフを探そう!」
今にも駆け出して行きそうなユーリの肩をウェラー卿は、強く掴み阻止した。
「待ってください!探すって、貴方が探してどうするんですか?あなたと弟はもう婚約者でも何でもないんです。弟のことは俺たち兄弟で何とかしますから、貴方は報告を待ってください。」
「そうだ、取り敢えずグウェンに相談しなければ。」
そう言って、魔王部屋を出て行こうとするウェラー卿の腕を、今度はユーリが掴んだ。残念ながら、肩は体格の差のため無理だったのだ。
「何でだよ!ヴォルフは俺にとっても大切な友人だぞ!その友人が行方不明なんだ。それなのに俺だけしているているなんて!」
ウェラー卿は今まで見せた事のない怒りを帯びた表情をユーリに向けた。ユーリには甘いと巷では評判のウェラー卿だから、いつもユーリの前では、「女の人もこれで一落としv」みたいな顔しか見せてこなかったので、ユーリはビクッと怯え慄いたのだ。
「コンラッド…」
ウェラー卿は大きく深呼吸をすると、改めてユーリに向き合い言い聞かせるように話した。
「貴方は知る必要がないと判断して、俺たちは黙っていたのですが…。貴方は魔王に婚約者がそれを破棄されるということは何を意味することかおわかりですか?」
「えっ?わ、わかかんないよ…だってそういう事は誰も教えてくれないじゃないか…俺の国のことなのに…俺の知らない事ばかりだ。いつもいつも子供扱いしてさ!実は俺のこと信用していないんじゃねーの?って思うこともあるよ。」
「ユーリ…すみません。俺たちは決してそんな考えで教えないわけではないのですが…貴方がそう捉えていたのならば、皆を代表して謝ります。」
ユーリは、目の前で首を垂れて謝罪する名付け親を慌てて制した。
「やめてくれっ!俺がそういうの苦手なのあんた知ってんだろ?」
「で、どういうことなんだ?俺が婚約破棄した事で、どんな不利益な事がヴォルフの身に降りかかるんだよっ!」
ウェラー卿は、心を決めたようで目の前のユーリに淡々と語り始めた。

「先程、フォンビーレフェルト卿が仰ったとおり、貴方が破棄したことでヴォルフは、魔王に捨てられた惨めな者として認識されるのです。」
「えっ?」
「それは、噂話や陰口の類のものではなく、一生つきまとう不名誉な称号の様なものです。例に挙げると、弟は軍部でも最高位には就けなくなります。それはいくら元魔王の息子であってもです。」
「そして、結婚も思い通りにはいかなくなるでしょうね。考えてみてください。魔王に捨てられた傷物を自分の可愛い娘や息子と添い遂げさせようと思う親が何処にいますかっ?そういう輩を家系にいれることで自分の家が穢れる事を皆恐れるのです。」
「なんだって……」
異世界育ちのユーリには、そういう貴族間での約束事ははっきり言って理解できるものではなかった。が、今現実にそれは行われているのだ。それも大切な友人に。ユーリは、さらにウェラー卿に話した。


@@@@@@@@@@@@@@@@@

2011/10/29 juliwolfmun