NO ELVIS, NO AMERICAN.
#3
エルヴィスの前にも後にも、エルヴィスはもう現れない。
アメリカの人々は、60年代の永遠の若さそのままの
エルヴィスを決して忘れはしない。
エルヴィスを知らないは、アメリカ人ではない…とは
読まないでください。
ELVIS LIVES エルヴィスはイキテイル。
ELVIS LIVES エルヴィスは住んでイル。
ELVIS LIVES エルヴィスはライヴをヤル。
【エルヴィス オン ステージ】 1974年に
最大のグラウンド・コンサートを、
最高のライヴ・ショーに“THAT`S THE WAY
☆IT IS☆ それこそが、やりたかったことだ”
とエルヴィスは発露した。
映画最終に近づく28本目。
始めにエルヴィスは大観衆を前にド肝を抜くような演出でスタートした。
かつてポップスには使われたことのないクラシックをサンプリングしたのだった。
19世紀ドイツのニーチェという思想家の難解な哲学書『ツァラトゥストラは、
かく語りき。』 に感銘したオーストリアのクラシック作曲家シュトラウスが
曲名もそのままの壮大なオーケストラによる交響曲を完成させた。
何と驚くべきことにオープニングに象徴的なその曲目が採用されて始まる。
ドラマティックで何か途轍もないことが起きる様な雰囲気がただよってくる。
儀式が始まる管楽器ティンパニーの高らかな足音で効果は盛り上がる。
一瞬オーディエンスは緊張感に包まれる。エルヴィスは誰も成し遂げられない
ようなライヴのスタンバイを始める。何しろそのニーチェの哲学書は
『超人思想、無敵の自己肯定思想』が内容だからだ。
エルヴィスはこれで抜き差しがたい大勝負にでたに違いないが、
エルヴィス自身 『超人思想、無敵の自己肯定思想』 に近づこうとしていた
かは解らない。