You`ve Lost That Lovin` Feelin`.(ふられた気持)
The Righteous Brothers(ザ・ライチャス・ブラザ-ス)
≪Cover Song ≫Vol.8 Elvis presley
(カバーソング)とは日本だけに通用する言葉と思ったが、
実はアメリカでもよく使われているワードだった。
ニューヨーク・マンハッタン、観光客が集中する中心地タイムズスクエア近くの超一等地に、11階建ての年数の経った建物、60`sアメリカン・ポップス界をシンボリックに賑わしたBrill Bilding(ブリル・ビルディング)があった。
このビルの中には数多くの音楽出版社とスタジオがあり、ドン・カーシュナーが経営するアルドン・ミュージックと言う著作権管理会社又レコード会社も入居していた。
多くの音楽関係者、プロデューサー、作曲家、作詞家、指揮者、また演奏者であるギター・ベイシスト・ドラム・ピアノ・サックス・トランペット奏者、そして歌い手のソロ・シンガー&グループ,又シンガー・ソングライター等々、とにかくミュージッシャンが大集団でゴッタ返していた。
彼らはポップス・シーンでビッグ・ヒットを期待され、『ブリル・ビルディング・サウンド』を作り出すこと競わされるごとく宿命付けられていた。
64年、その群れの中で特に目立っていた作曲プロデュースの鬼才フィル・スペクターが、ザ・ライチャウス・ブラザースの為にと、作曲作詞の夫婦バリー・マンとシンシア・ワイルに掛け合っていた。
程なくして一曲が出来きつつあった、当の三人でスマッシュ・ヒットは考えていたが‥‥。
タイトルは“You`ve Lost That Lovin` Feelin`.”(ふられた気持ち=あの愛する感触を無くしている)。しかしそのうちフィルの直感と執念は凄まじいものになっていって、演奏はモチロン、オーケストラの様な重厚な地響きするエコー・オン・エコーの≪Wall of Sound(ウオール オブ サウンド)≫にこだわりを持つようになる。
テンポに関してかなりの試行錯誤があり、何度もくり返し超スローテンポのリズム&ブルーズを試された。低音域バリトンのビル・メドレーと高音域のテナーのボビー・ハットフィールドの絶妙なシャウトの掛け合い(マッチング・シャウト)がファンキーなドラマティックでスゴイ‼‼‼この大いなる失恋の歌は、フィル・スペクターは普段趣味で聞いている大変好きな音楽で19世紀のクラシック・ドイツロマン派の歌劇リヤハルト・ワーグナーに、心酔していて、(ワーグナーには特別なマニアックがいて深く耽溺するワグネリアンと言う人たちが存在する。)もしかしてその影響を受けたのではないと思われたが‥‥。
とにかく凄まじい魔法をかけ宝石のように磨き上げられた≪ウオール オブ サウンド≫の一曲が完成した。≪A Magic Treasure Song (ア マジック トレジャー ソング≫
65年2月またたく間に全米全英で各々No.1に達する。
そしてこの“You‘ve Lost That Lovin` Feelin`.”が、アメリカの権威あるB.M.Iで1999年に20世紀史上、ラジオテレビで最も多く演奏された曲に第一位の記録を樹立した。
遂には当時、我らのエルヴィスも、やはりブルーアイド‐ソウルと言うキャッチーなワードを冠して、エルヴィス独自のリズム&ブルーズ,“You`ve Lost That Lovin` Feelin`.”をレコーディングして大いなる≪カバーソング≫の一曲に加えて大ヒットさせている。