1月4日(土)Kazuo Ishiguro"THE BURIED GIANT"/本日の塾長 | 塾長雑記帳

塾長雑記帳

盛岡市高松にある個人塾「石原学舎」塾長のブログです.
石原学舎の生徒さんの様子,チェロ,読書などの話題がメインです.

Kazuo Ishiguro "The Buried Giant" 読了

 

アーサー王の時代よりも少し後の英国.自分たちとその周りの村人の記憶の抜け方があまりに奇妙であると気づいた老夫婦が,長いこと会っていない自分たちの息子を探しに行く,という話.

最初のページから"ogre(人喰い鬼)"とか知らん単語があって,その後もドラゴンとか勇者とか,中世ファンタジーかよって感じの設定にも関わらず,主人公がジジババであるがために話が地味なまま進んでゆく.その割には色々とハプニングがあり,何だか微妙な盛り上がりが何箇所もある.

Giant が何なのかがわかるのは最後の二十ページくらい.最初はタイトルを「くたばれジャイアンツ」のもじりかと思ってたけど,そういうことではなかった.Giant が様々なレベルで描写されており(隠喩的にではあるが),話の焦点がピタッとはまらないうちに終わってしまった.若干ポカーンという印象.

邦訳の「忘れられた巨人」は,ちょっとネタばらしし過ぎな気がする.直訳で「埋められた(埋葬された)巨人」でいいんじゃねえか.

 

去年から使っている単語帳で覚えた単語が山のように出てきていて,この単語帳の元ネタなんじゃないかと勘ぐってしまった.しかし,この単語帳のベースである語彙集は20年以上前から存在しているものなので,この本が単語帳の元ネタであることはあり得ない.Kauzuo Ishiguro がこの単語帳を元ネタにして小説を書いたなんてことはさらにあり得ない.幸せな偶然だ.良い復習になったぜ.

 

***

 

年末に食料品を大量に買い込んであったが,納豆が切れてしまったので,久々に外出して食料品を購入した.ついでに,久々に郵便ポストを見たら,なんと年賀状が何通か届いてた.返事書かんとあかん.