速さの一行問題⑩ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

速さの一行問題の第10回です。

 

  時間差から距離を出す(鎌倉女学院2024)

 

家から駅まで▢mの道のりを、自転車で毎時14.4kmの速さで行くと、毎分80mの速さで歩くより10分早く着きます。

 

右矢印右矢印右矢印

  1. 自転車の「毎時14.4kmの速さ」は14.4×1000÷60=分速240m
  2. これと「毎分80mの速さで歩く」ときをくらべると(240m歩くのに自転車で1分、歩きで3分かかるから)道のり240m歩くごとに2分の差ができる
よって10分の差ができるのは240m:2分=▢m:10分より
▢=240×10÷2=1200
 
 

  速さの推理(東京都市大学等々力2024S特)

 

A、B、C、Dの4人が1500mの徒競走をし、そのときの結果について次のように話しています。A「Cがゴールしたとき、私はゴールまで375mの地点にいた」B「私がゴールまで半分の地点で、Dより30m先を走っていた」C「私はBより50秒早くゴールした」D「私は秒速4.8mで走った」このとき、Aの走る速さは秒速▢mです。ただし、4人はスタートからゴールまでそれぞれが一定の速さで走ったものとします。

 

右矢印右矢印右矢印

  1. A発言(CがゴールしたときAはゴールまで375m)より距離は速さに比例するから、速さの比はC:A=1500:(1500-375)=1500:1125=4:3…ア
  2. B発言(Bが半分走った地点でDより30m先)より、速さの比はB:D=750:(750-30)=25:24
  3. これとD発言(Dは秒速4.8m)よりBの速さは4.8÷24×25=秒速5m。だからBはゴールまで1500m走るのに1500÷5=300秒かかった
  4. これとC発言(CはBより50秒早くゴール)よりCは250秒でゴールした。だからCの速さは秒速6m(=1500÷250)
  5. これとアよりAの速さは6÷4×3=秒速4.5m
よって▢=4.5
 
 

  動く歩道(恵泉2024第3回)

 

下の図のように、A地点からB地点に向かって分速30mで動く「動く歩道」と、「歩道」があります。恵さんと泉さんは、同時にA地点を出発してP地点を目指します。
恵さんは、まず「動く歩道」の上を歩き、B地点で「動く歩道」を降りてからA地点の方向に「歩道」を歩きました。泉さんは、はじめから「歩道」だけを歩きました。すると、2人は同時にP地点に到(とう)着しました。恵さんと泉さんの歩く速さは、それぞれ分速60m、分速75mで、A地点からP地点までの距離(きょり)は100mです。このとき、A地点からB地点までの距離を求めなさい。ただし、「動く歩道」を降りてから「歩道」を歩き始めるまでの時間は考えないものとします。

 

右矢印 恵さんは行きのA→Bは「動く歩道」を、帰りのB→Pは「歩道」を歩いた。このとき恵さんの進む速さを考えると、恵さん自身が「分速60m」、「動く歩道」が「分速30m」より

A→Bは分速90m、B→Pは分速60m

ここでBP間に注目すると
  • 行きが分速90m、帰りが分速60mだから、速さの比は行き:帰り=90:60=3:2
  • するとかかる時間の比はその逆比で2:3
そこでBP間の行きに②分、帰りに③分かかったとする(下図)
このときかかった時間の合計を考えると
  1. 「歩く歩道」上で分速90mの恵さんはA→P(距離100m)を進むのに100÷90=¹⁰⁄₉分かかる。またP→Bに②分、B→Pに③分かかるから、A→P→B→Pと進むのに合計(¹⁰⁄₉+⑤)分かかった
  2. 分速75mの泉さんはA→Pを歩くのに100÷75=⁴⁄₃分かかった
  3. これらの時間は等しいから ¹⁰⁄₉+⑤=⁴⁄₃ より⑤=²⁄₉分。これよりBP間の距離は(分速60mの恵さんが③分かかる距離だから)60ײ⁄₉×⅗=8m
よってAB間の距離は100+8=108m 完了