三角形の回転移動② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

三角形を回転させたとき通過する面積を求めるという問題です。

 

AB=BC=4cmの直角二等辺三角形ABCについて、次の各問いに答えなさい。(豊島岡2024第3回)
⑴ 下の<図1>のように、三角形ABCを点Aを中心に反時計回りに90°回転させると、点Bは点Q、点Cは点Rに重なりました。このとき、三角形ABCが通過した部分の面積は何㎠ですか。

 

右矢印 三角形ABCが通過した部分は2つに分けられて、❶△ABCと❷ACを半径とする四分円をくっつけた形になる。

それぞれ面積を求めると

❶△ABC…4×4÷2=8㎠

❷ACを半径とする四分円…AC×AC×3.14÷4で求められる

  1. ここでACの長さは出せないが(正方形の面積は対角線×対角線÷2としても出せるからABをたて、BCを横、ACを対角線とする正方形を考えると)AB×BC=AC×AC÷2よりAC×AC=32㎠とわかる
  2. したがって四分円の面積は 32×3.14÷4=25.12㎠
よって三角形ABCが通過した部分の面積は8+25.12=33.12㎠

 

⑵ 下の<図2>のように、3点A、B、Cを頂点とする正方形の残りの頂点をDとします。三角形ABCを点Dを中心に反時計回りに90°回転させると、点Aは点Cがもともとあった点P、点Bは点Q、点Cは点Rに重なりました。このとき、三角形ABCが通過した部分の面積は何㎠ですか。

 

右矢印 三角形ABCが通過した部分は次のように❶真ん中はDBを半径とする四分円から半径がDBの半分の長さの四分円を取りのぞいた形、❷両はしはどちらも△ABCを半分にした形になる。それぞれ面積を求めると

  1. ❶真ん中…DBを半径とする四分円の面積は(DB=ACより)小問⑴で求めた25.12㎠。ここから取りのぞく四分円は、半径がDBの½だから、面積は¼。こうして残る面積は 25.12×(1-¼)=18.84㎠
  2. ❷両はし…2つ合わせて△ABCの1つ分だからその面積は 4×4÷2=8㎠
よって三角形ABCが通過した部分の面積は18.84+8=26.84㎠

 

⑶ 下の<図3>のように、⑵の正方形ABCDと1辺の長さが4 cmの正方形を3個用いて、大きい正方形をつくります。三角形ABCを大きい正方形の頂点Eを中心に反時計回りに90°回転させると、点Aは点P、点Bは点Q、点Cは点Rに重なりました。このとき、三角形ABCが通過した部分の面積は何㎠ですか。

 

右矢印 三角形ABCが通過した部分は次の赤の図形になる。ここでアとイは合同だからアをイに等積移動してみると結局、この図形は❶△ABC(8㎠)、❷EBを半径とする四分円からECを半径とする四分円を引いた形、の2つに分けて求めることができる

そこで❷EB、ECを半径とする四分円の面積をそれぞれ計算すると

  • EBを半径とする四分円…EBの長さは出せないがEB×EBは正方形ABCDの5個分(下図のとおり)だから4×4×5=80㎠とわかる。するとこの四分円の面積は 80×3.14÷4=62.8㎠
  • ECを半径とする四分円…小問⑴で求めた25.12㎠
したがって❷の面積は62.8-25.12=37.68㎠
 
よって三角形ABCが通過した部分の面積は8+37.68=45.68㎠ 完了