以前の記事の続きです。
今年の入試問題から鉄橋とトンネルを使った通過算の第3弾です。
その1(聖セシリア2024B)
ある列車が、長さ1300mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまで31秒かかります。また、長さ900mのトンネルに入り始めてから出終わるまで23秒かかります。この列車の長さは何mですか。
列車の長さを①mとすると
- 「長さ1300mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまで31秒」かかるから列車は31秒で(1300+①)m進む
- 「長さ900mのトンネルに入り始めてから出終わるまで23秒」かかるから列車は23秒で(900+①)m進む
- これらの差を考えると(①が消えて)列車は8秒で400m進むのがわかり列車の速さは秒速50mとわかる
よって(トンネルの情報を使うと)列車は23秒で50×23=1150m進むからその長さ①は
1150-900=250m
その2(東洋英和2024)
列車Aは、長さ572mの鉄橋を渡り始めてから渡(わた)り終わるまでに32秒かかります。また、長さ858mのトンネルを通るときに列車全体が隠(かく)れているのは33秒間です。列車Aの速さは常に一定であるとします。列車Aの速さと長さを求めなさい。
列車の長さを①mとすると
- 「572mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに32秒」かかるから列車は32秒で(572+①)m進む
- 「858mのトンネルを通るときに列車全体が隠れているのは33秒間」だから列車は33秒で(858-①)m進む
- これらの和を考えると(①が消えて)列車は65秒で1430m進むのがわかる
よって
- 列車Aの速さは1430÷65=毎秒22m
- (鉄橋の情報を使うと)列車は32秒で22×32=704m進むから列車Aの長さ①は704-572=132m
その3(洗足学園2024第2回)
一定の速度で走る電車Pがあります。図のように、長さ328mの橋と、橋のB地点から1800m先に長さ696mのトンネルのC地点があります。電車Pが橋のA地点を通過し終わってからトンネルのD地点に差しかかるまでにかかる時間より、電車Pが橋のB地点を出始めるときからトンネルのD地点を通過し終わるまでにかかる時間の方が11秒短くなります。また、電車Pと同じ速度で走る同じ長さの電車Qがあります。電車PがA地点に、電車QがD地点に同時に差しかかってからすれ違い終わるまでに1分33秒かかります。このとき、電車の長さは何mですか。
列車の長さを①mとすると
- 「電車Pが橋のA地点を通過し終わってからトンネルのD地点に差しかかるまで」の距離をアm、「電車Pが橋のB地点を出始めるときからトンネルのD地点を通過し終わるまで」の距離をイmとする。このとき「長さ328mの橋と…長さ696mのトンネル」だから(BD間の距離をBDと書くと)ア=328-①+BD、イ=BD+①とあらわせる(つぎの図のとおり)
- アにかかる時間よりイにかかる時間の方が「11秒短く」なるから距離の差(ア-イ)を考えると(BDが消えて)列車は11秒で(328-②)m進むのがわかる。これを2で割って簡単にすると5.5秒で(164-①)m進む…❶
- また電車Pと同じ速度と長さの電車Qがあるとき「電車PがA地点に、電車QがD地点に同時に差しかかってからすれ違い終わるまでに1分33秒」かかる。たとえばPについて考えるとAD間(その距離は328+1800+696=2824m)のちょうど真ん中でQとすれ違いはじめるから(すれ違い終わるまでの距離は(1412+①)mとなり)93秒で(1412+①)m進む…❷
- ❶❷の和を考えると(①が消えて)98.5秒で1576m進むのがわかり電車Pの速さは秒速16m(=1576÷98.5)とわかる
よって❶で考えると秒速16mの電車Pは5.5秒で16×5.5=88m進むから電車の長さ①は
164-88=76m