立体切断2024⑤ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年出題の立体切断の問題の第5回です。

 

図のような1辺の長さが6cmの立方体があります。
辺AB、DC、EF、HG上にそれぞれ点I、J、K、Lをとります。
AI:IB=DJ:JC=4:5、EK:KF=HL:LG=2:1です。 
このとき、次の問いに答えなさい。(本郷2024)

⑴ この立方体を3点I、K、Lを通る平面で切ったとき、点Aを含む立体Pの体積は何㎤ですか。

 

右矢印右矢印右矢印

  1. 1辺の長さが6cmの立方体」で「AI:IB=DJ:JC=4:5、EK:KF=HL:LG=2:1」だから AI=DJ=⁸⁄₃㎝(=6×⁴⁄₉)、EK=HL=4㎝(=6×⅔)がまずわかる。
  2. そして立方体ABCD-EFGHを「I、K、Lを通る平面」で切ると、その切り口は長方形IKLJとなる

よって「点Aを含む立体P」を底面が台形AEKI、高さがADの四角柱とみるとその体積は(⁸⁄₃+4)×6÷2×6=120㎤

 

学校発表のデータから正答率を出すと、小問⑴が62.7%(289/461)、小問⑵が19.7%(91/461)、小問⑶が1.3%(6/461)となっています。

⑵ 立体Pについて、辺EK、HL上にそれぞれER:RK=HS:SL=2:1となるように点R、Sをとります。このとき5点I、R、K、L、Sを頂点とする立体の体積は何㎤ですか。

 

右矢印右矢印右矢印

  1. 小問⑴で求めたEK=HL=4㎝より「辺EK、HL上にそれぞれER:RK=HS:SL=2:1となるように点R、Sを」とるとRK=SL=⁴⁄₃(=4×⅓)となる
  2. すると「5点I、R、K、L、Sを頂点とする立体」は長方形RKLSを底面、RIを高さとする四角すいとなっている

よって求める立体の体積は

 ⁴⁄₃×6×6÷3=16㎤

 

⑶ 辺AD上にAM:MD=1:1となるように点Mをとります。立体Pを3点M、H、Lを通る平面で切ったとき、点Aを含む立体の体積は何㎤ですか。 

 

右矢印立体Pを3点M、H、Lを通る平面で切ったとき」の様子は次の通り。

この「点Aを含む立体」を台形AEHMを底面とする断頭四角柱とみて平均の高さを使ってその体積を求める。

 

ただし底面が台形だと平均の高さは使えないので底面を2つの三角形に分けて考える。つまり立体を面AHLIで切りはなして断頭三角柱ア、イの2つに分けて考える。

すると

  • ア…底面は底辺がAM、高さがAEの三角形だから底面積は3×6÷2=9㎠。平均の高さは (⁸⁄₃×2+4)÷3=²⁸⁄₉㎝→体積は9ײ⁸⁄₉=28㎤
  • イ…底面はタテ横とも6㎝の直角二等辺三角形だから底面積は6×6÷2=18㎠。平均の高さは (⁸⁄₃+4×2)÷3=³²⁄₉㎝→体積は18׳²⁄₉=64㎤

よって求める立体の体積は 28+64=92㎤ 完了