以前の記事の続きです。
正方形のマスに重複なく数を並べる場合の数を求める問題の出題例です。
図1のような3×3の正方形のマス目があり、図2のように1〜9の数を1個ずつ記入します。横並びの3個の数を上から順に第1行、第2行、第3行といい、縦並びの3個の数を左から順に第1列、第2列、第3列ということにします。たとえば、図2における第2行の数は3、5、7、第3列の数は4、7、8です。このとき、次の問いに答えなさい。(聖光学院2024第2回)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240514/05/jukensansuwa/82/ea/j/o0723089015438498441.jpg?caw=800)
⑴ 図2は、各行の3個の数のうち奇数であるものの個数は、上から順に1個、3個、1個とすべて奇数個となっています。また、各列の3個の数のうち奇数であるものの個数は、左から順に1個、3個、1個とすべて奇数個となっています。
このように、「各行の3個の数のうち奇数であるものの個数がいずれも奇数個」であり、かつ「各列の3個の数のうち奇数であるものの個数がいずれも奇数個」である、という性質を(性質A)ということにします。
(a) 図3のように1〜4の数が記入されています。
このマス目が(性質A)を持つように5〜9の数を書き入れる方法は全部で何通りありますか。![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240514/05/jukensansuwa/c0/47/j/o0682087715438500420.jpg?caw=800)
![右矢印](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/122.png)
「各行の3個の数のうち奇数であるものの個数がいずれも奇数個」の条件より各行の奇数は1個か3個。すると
- 第1行…1が奇数、2が偶数だから奇数は1個に決まる→㋐は偶数
- 第2行…3が奇数、4が偶数だから奇数は1個に決まる→㋑は偶数
- 第3行…5~9にある偶数2個(6と8)は㋐㋑で使った→ウ~オはすべて奇数
したがって
- ㋐㋑は6,8のどちらかで2通り
- ㋒㋓㋔は5,7,9のどれかで 3×2×1=6通り
よって全部で 2×6=12通り
(b) 図4のように1と3の数が記入されています。
このマス目が(性質A)を持つように残りの7個の数を書き入れる方法は全部で何通りありますか。![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240514/05/jukensansuwa/50/84/j/o0677086615438500398.jpg?caw=800)
空いているマスに次のように㋕~㋛の記号をつけると
「各行の3個の数のうち奇数であるものの個数がいずれも奇数個」かつ「各列の3個の数のうち奇数であるものの個数がいずれも奇数個」の条件より各行と各列の奇数は1個か3個。
これをみたすには、奇数の1と3がいまある場所を考えると、残る奇数3個(5,7,9)は
- ㋕㋖㋙
- ㋕㋗㋚
- ㋕㋘㋛
のどこかに入ることとなる
たとえば⒈のパターンについてしらべると(⒉と⒊も同じ通り数があるので最後に3倍する)
- 奇数3つを㋕㋖㋙に入れる決め方が 3×2×1=6通り
- 残りの偶数4つ(2,4,6,8)を㋗㋘㋚㋛に入れる決め方が 4×3×2×1=24通り
よって⒈のパターンだけで6×24=144通りあるから、3パターンで 144×3=432通り
図5は、各行の3個の数の和が上から順に、6、15、24といずれも3の倍数となっていて、さらに各列の和も左から順に、12、15、18とすべて3の倍数になっています。このように、「各行、各列の3個の数の和がいずれも3の倍数」である、という性質を(性質B)ということにします。![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240514/05/jukensansuwa/c7/39/j/o0680085815438500151.jpg?caw=800)
(c) 図5のように、各行の3個の数の和が上から順に、6、15、24となっていて、かつ、「各列の3個の数の和が、12、15、18の組み合わせ」であるように9個の数を書き入れる方法は、図5を含めて全部で何通りありますか。
「各行の3個の数の和が上から順に、6、15、24」となるとき
- 第1行…1~9の数を使って和が6になる足し算は1+2+3=6だけ
- 第2行…残った数4~9を使って和が15になる足し算は4+5+6=15だけ
- 第3行…残った数7~9を使って和が24になる足し算は7+8+9=24だけ
このとき「各列の3個の数の和が、12、15、18の組み合わせ」を考えると
- 和が12になる足し算は(各行の最も小さい数を使った)1+4+7=12だけ→上から「1,4,7」と並ぶタテの列がある
- 和が15になる足し算は(各行の二番目に小さい数を使った)2+5+8=15だけ→上から「2,5,8」と並ぶタテの列がある
- 和が18になる足し算は(各行に残っている数を使った)3+6+9=18だけ→上から「3,6,9」と並ぶタテの列がある
こととなる。
よって「1,4,7」「2,5,8」「3,6,9」の3列(3色)の並べ方で 3×2×1=6通り
(d) 図5のように、各行の3個の数の和が上から順に、6、15、24となっていて、かつ、(性質B)を持つように9個の数を書き入れる方法は、(c)を含めて全部で何通りありますか。
「各行の3個の数の和が上から順に、6、15、24」というのは小問(c)と同じだから
- 第1行…「1,2,3」の3数の組合せ
- 第2行…「4,5,6」の3数の組合せ
- 第3行…「7,8,9」の3数の組合せ
というところまでは同じ。
このとき「各列の3個の数の和がいずれも3の倍数」になるものを考えると
- 1を使った足し算…1+4+7=12、1+5+9=15、1+6+8=15の3通り
- 2を使った足し算…2+4+9=15、2+5+8=15、2+6+7=15の3通り
- 3を使った足し算…3+4+8=15、3+5+7=15、3+6+9=18の3通り
あるが、1~9の数は重複しないので、タテの列は
- 上から「1,4,7」「2,5,8」「3,6,9」となっている3列が並ぶもの
- 上から「1,5,9」「2,6,7」「3,4,8」となっている3列が並ぶもの
- 上から「1,6,8」「2,4,9」「3,5,7」となっている3列が並ぶもの
という3パターンにしぼられる。
よって各パターンで3列(3色)の順番を入れかえることで 3×2×1=6通りずつできるから 6×3=18通り ![完了](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/522.png)
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