センターラインの公式⑥ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

円の中心が動いてできる線(センターライン)についての今年の出題例です。

 

下の図のように、半径5cmの円と縦30cm、横20cmの長方形が、いくつかあります。円は、図形の周りを矢印の方向に、図形の周に接しながら1周して元の位置に戻ります。次の問いに答えなさい。(岡山中2024)
⑴ 図1の長方形の周囲を円が1周するとき、円の中心が動いてできる線の長さは何cmですか。また、円が通過した部分の面積は何㎠ですか。

 

右矢印右矢印右矢印 

円の中心が動いてできる線

全体像は上の赤い点線部分となる。これを直線部分とおうぎ形の弧の部分とに分けて考えると 

  • 直線部分…(30+20)×2=100㎝
  • 弧の部分…4つの角におうぎ形(半径5㎝、中心角90°)が4つできるから 5×2×3.14÷4×4=31.4㎝
だから合計131.4㎝

円が通過した部分の面積

原則どおり「センターラインの長さ×円の直径」で求められるから
 131.4×10=1314㎠
 

⑵ 図2のように、互いの辺が直角になるように図1の長方形を2枚置きました。2枚置いた図の周囲を円が1周するとき、円の中心が動いてできる線の長さは何cmですか。


 

 

右矢印 小問⑴で求めた長方形が1個のときのセンターラインと比べると青の矢印線の部分をのぞいて2倍すればよいことがわかる。

 

青の部分の長さは円の半径2つ分(5×2=10㎝)と中心角90°のおうぎ形の弧1つ分(5×2×3.14÷4=7.85㎝)の合計で17.85㎝…❶

よって (131.4-17.85)×2=227.1㎝ 

 

⑶ 図2と同様に、図3のように図1の長方形を10枚置きました。10枚置いた図の周囲を円が1周するとき、円の中心が動いてできる線の長さは何cmですか。

 

右矢印 まずセンターラインの全体像は次のとおり。

  • このうち左から2枚の長方形部分にまず注目する。この部分のセンターラインを小問⑵の形と比べると次の青の矢印線の分だけ短くなっている。この部分の長さは❶の17.85㎝

  • つぎに左から3番目と4番目の長方形部分に注目する。この部分のセンターラインを小問⑵の形と比べると同じ青の矢印線の2つ分だけ短くなっている。その長さは❶×2=35.7㎝

したがって

  1. 左から2枚の長方形部分のセンターラインの長さは 227.1-17.85=209.25㎝。また図形の対称性より右から2枚の長方形のセンターラインの長さも同じく209.25㎝となる
  2. 左から3番目と4番目の長方形のセンターラインの長さは 227.1-17.85×2=191.4㎝。また左から5番目と6番目、7番目と8番目はこれと同じ形なのでどちらも191.4㎝となる

よって 209.25×2+191.4×3=992.7㎝ 完了