以前の記事の続きです。
今年出題の立体切断の問題その3です。
その1(品川女子2024第2回)
右の立体は立方体です。•は辺AB、GHを3等分する点を表しています。3点F、P、Sを全て通るような平面で立方体を切断しました。切断面の形を最もふさわしい名前で答えると▢です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240228/04/jukensansuwa/af/8e/j/o0663072815406860010.jpg?caw=800)
立体切断の手順どおり考えていくと
- 同じ面上にあるPとF、FとSはそのまま直線で結ぶ(下図左)
- Sから出るPFと平行な直線を考えるとその直線はちょうど頂点Dを通るのがわかり直線DSを引く
- 同じ面上にあるDとPを線で結ぶ(このときDPはたしかにSFと平行になっている)
こうしてできた四角形PDSF(上図右)は辺2組が平行だが長さは異なる(たとえばSFよりDSの方が明らかに長い)
よって切断面の形は平行四角形
その2(浅野中2024)
一辺の長さが4cmの立方体ABCD-EFGHがあります。[図1]の点Iは正方形ABCDの対角線の交点です。[図2]の点Jは辺EH上でEJ:JH=3:1となる点です。四角すいIEFGHと三角すいAEFJが重なっている部分を立体Xとします。
このとき、次の問いに答えなさい。
ただし、(角すいの体積)=(底面積)×(高さ)×⅓で求められます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240320/16/jukensansuwa/c9/56/p/o2367137715415319368.png?caw=800)
⑴ EGとFJの交点を点Kとするとき、EK:KGをもっとも簡単な整数の比で答えなさい。
底面の正方形EFGHに注目すると、次のように2つの三角形(青)は相似で相似比3:4だから EK:KG=3:4
⑵ AKとEIは交わります。その交点を点Lとするとき、AL:LKをもっとも簡単な整数の比で答えなさい。
AKもEIも同じ面AEGC(下図赤)の上にある。そしてここにも相似な三角形(下図黒)ができており、EK:KG=3:4だから、EG=7とするとAI=3.5。
したがってその相似比は3.5:3=7:6
よってAL:LK=7:6
⑶ 立方体の底面EFGHから点Lまでの高さは何cmですか。
「一辺の長さが4cmの立方体」だから三角形の相似比7:6より
4×6÷(7+6)=²⁴⁄₁₃㎝
⑷ 立体Xの体積は何㎤ですか。
立体Xは三角形EFJを底面、「立方体の底面EFGHから点Lまでの高さ」を高さとする三角すいとなる(下図赤)
よって 4×3÷2ײ⁴⁄₁₃×⅓=⁴⁸⁄₁₃㎤