旅人算2024④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年の中学入試で出された旅人算の問題その4です。

 

  その1(洗足学園2024)

 

A、B、Cの3人がスタートから7km走ったところで折り返し、同じ道を戻ってゴールする14kmのマラソン大会に参加しました。3人は同時にスタートし、ゴールまでそれぞれ一定の速さで走りました。AとBの速さの比は5:4です。Aは6km走ったところでCとすれ違い、Bはスタートから43分45秒後にCとすれ違いました。このとき、BがゴールしたのはAがゴールしてから何分何秒後ですか。なお、この問題は解答までの考え方を表す式や文章・図などを書きなさい。

 

右矢印 Aが6km走ったときの3人の状況を考えると

  • AとBの速さの比は5:4」よりBがいるのは6×⅘=4.8km地点
  • Aは6km走ったところでCとすれ違」ったから(片道7km、往復14kmだから)Cがいるのは14-6=8km地点

  • このときBとCの走った距離に注目するとその比は4.8km:8km=3:5だからBがCとすれ違うまでに③走るとするとCは⑤走ることとなる

  • そして「Bはスタートから43分45秒後にCとすれ違」った。ここまでBが走った距離は全体の⅜(=③÷(③+⑤))だから 43分45秒÷⅜=43.75÷0.375=116⅔分よりスタートから116分40秒後にBがゴールする
  • またかかる時間の比は速さの逆比だから「AとBの速さの比は5:4」よりAが走った時間:Bが走った時間=4:5。とすると 116⅔×⅘=93⅓分 よりスタートから93分20秒後にAがゴールする

よって(116分40秒-93分20秒=23分20秒より)BがゴールしたのはAがゴールしてから23分20秒後

 

 

  その2(洗足学園2024第3回)

 

A地点からB地点までは2700m離(はな)れています。姉と妹の歩く速さの比は3:2で、自転車に乗ると移動する速さがそれぞれ3倍になります。はじめは妹が自転車に乗った状態で、2人が同時にA地点を出発し、AB間を何往復かします。ただし、姉と妹が会う度に自転車を歩いている方に受け渡(わた)します。2回目に妹が自転車を受け渡すのは、A地点から何m離れたところですか。なお、この問題は解答までの考え方を表す式や文章・図などを書きなさい。

 

右矢印姉と妹の歩く速さの比は3:2で、自転車に乗ると移動する速さがそれぞれ3倍に」なるから、姉の歩く速さを③とするとそれぞれ速さは次のようになる。

  • 妹が1回目に自転車を渡すまで…速さは妹が⑥、姉が③。進む距離もこれに比例して⑥:③となり「A地点からB地点までは2700m」だから妹は3600m(=2700×2×6÷(3+6))進む。つまり2人が出会うのはB地点から900m(=3600-2700)のところ

  • そのあと妹が1回目に自転車をもらうまで…速さは妹が②、姉が⑨。進む距離もこれに比例して②:⑨となるが、妹はA方向に歩くのに対して姉はいったんB方向に進むので(⑨-②=)⑦だけ妹より長い距離を進むことになる。この⑦が900×2=1800mだから①=¹⁸⁰⁰⁄₇m。つまり妹が進む距離②は ¹⁸⁰⁰⁄₇×2=³⁶⁰⁰⁄₇mだから2人が会う(姉が追いつく)のはB地点から⁹⁹⁰⁰⁄₇m(=900+³⁶⁰⁰⁄₇)のところ
  • そのあと妹が2回目に自転車を渡すまで…速さは妹が⑥、姉が③。進む距離もこれに比例して⑥:③となる。進んだ距離は2人合わせて (2700-⁹⁹⁰⁰⁄₇)×2=¹⁸⁰⁰⁰⁄₇m。このうち妹は ¹⁸⁰⁰⁰⁄₇×6÷(6+3)=¹²⁰⁰⁰⁄₇m進んだから出会うのはA地点から³⁰⁰⁰⁄₇m(=¹²⁰⁰⁰⁄₇-⁹⁰⁰⁰⁄₇)のところ
よって2回目に妹が自転車を受け渡すのはA地点から³⁰⁰⁰⁄₇m離れたところ 完了