平面図形の大問2024② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された平面図形の大問を取り上げる第2回です。

 

1辺の長さが6cmの正十一角形があります。この正十一角形の各頂点を中心として半径6cmの円をかき、11個の円の内側全体を図形アとします。
このとき、次の問いに答えなさい。ただし、円周率は3.14とします。(駒場東邦2024)

⑴ 正十ー角形の11個の角の大きさの和を求めなさい。

 

右矢印 正11角形は11-2=9コの三角形に分けることができるから

 180×9=1620°

 

⑵ 正十一角形の内側にあり、アの外側にある部分のまわりの長さを求めなさい。

 

右矢印 求めたいのは次の赤の部分の長さ。

この線は次のように合同な11コのおうぎ形の弧でできており、その11コのおうぎ形は合同な11コの正三角形(黒)でかこまれている。

このときおうぎ形11コの内角の和

 ①正11角形の内角の和(1620°)から

 ②正三角形の内角2つ分(60°×2)を11倍したものを引く

ことで求められるから 1620-1320=300°

 

 

よって求める長さは

 6×2×3.14×300÷360=31.4㎝
 

⑶ アを正十一角形によって2つの部分に分け、それらの面積を比べます。正十一角形の内側にある部分をイ、外側にある部分をウとします。このとき、イとウのうち、どちらの方が何㎠大きいですか。

 

右矢印 まず比べる部分は次のイとウの面積。

このときイ、ウどちらにも正三角形が11コあるから(ここでは差は出ないので)この部分ははずして考えてよい。

こうして内側と外側のおうぎ形の面積の和だけを比べればよいとわかる。

 

そこでおうぎ形の内角の和に注目すると

  • 外側ウのおうぎ形の内角は(正三角形の内角4つ分=240°を360°からはずして考えると)『120°-内側イのおうぎ形の内角』で求められる
  • とするとおうぎ形11コの和で考えると(小問⑵で求めた内側イのおうぎ形11コの内角の和300°より)外側ウのおうぎ形11コの内角の和は 120×11-300=1020°

したがって内角の和でくらべると (1020-300=720より)外側の方が720°大きい

 

よって面積の和でくらべると 6×6×3.14×720÷360=226.08㎠ だから

ウの方が226.08㎠大きい 完了