通過算2024 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された通過算の問題です。

 

一定の速度で走る電車Pがあります。図のように、長さ328mの橋と、橋のB地点から1800m先に長さ696mのトンネルのC地点があります。電車Pが橋のA地点を通過し終わってからトンネルのD地点に差しかかるまでにかかる時間より、電車Pが橋のB地点を出始めるときからトンネルのD地点を通過し終わるまでにかかる時間の方が11秒短くなります。また、電車Pと同じ速度で走る同じ長さの電車Qがあります。電車PがA地点に、電車QがD地点に同時に差しかかってからすれ違い終わるまでに1分33秒かかります。このとき、電車の長さは何mですか。(洗足学園2024第2回)

 

右矢印 電車の長さを①mとする。

まず「長さ328mの橋と…かかる時間の方が11秒短くなります。」にある情報を整理して図を書くと

  • アの距離を走るのにかかる時間よりイの距離を走るのにかかる時間の方が11秒短い。

  • ということは距離の差(ア-イ)を考えると(1800mと696mは共通だから残り部分の引き算をして)328-①-①=328-②。ここで「11秒」の時間の差がつくということだから電車Pは(328-②)mを走るのに11秒かかる…❶

つぎに「電車Pと同じ速度で走る同じ長さの電車Qが…すれ違い終わるまでに1分33秒かかります。」にある電車P、Q(長さも速さも同じ)のすれ違いの状況を考える。

  • 2台が進んだ距離の合計はAD間の距離(328+1800+696=2824mと電車2台分の長さ②。これを2台で半分ずつ走ると「1分33秒」=93秒かかる。つまり電車Pだけで同じ距離 (2824+②)mを走ると186秒かかる…❷

 

したがって❶❷を足し算すると(328-②+2824+②=)3152mを走るのに197秒かかるとわかるから電車Pの速さは

 3152÷197=秒速16m

 

よって電車の長さ①は電車Pの走った距離で考えて

 16×93-2824÷2=76m 完了