ニュートン算2024② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出されたニュートン算の問題の第2回です。

 

  その1(賢明女子2024C)

 

あるコンサートのチケットを売り始める前から売り場に行列ができ始め、売り始めた後も同じ割合でチケットを買う人が行列に加わるものとします。チケット売り場の窓口を2つにすると売り始めてから10分で行列がなくなり、窓口を5つにすると2分で行列がなくなります。この行列ができ始めたのはチケットを売り始める何分前ですか。ただし、どの窓口もチケットを売る速さは同じであるものとします。

 

右矢印 1つの売り場で入場できる人数を毎分①人とする。

チケットを売り始める前から…同じ割合でチケットを買う人が行列に加わる」が行列がふえる割合を毎分▢人とすると

  • 窓口を2つにする」と毎分②人ずつ入場できるので差し引き毎分(②-▢)人ずつ行列はへっていく(左の面積図のタテ)。このとき行列は「10分で」なくなる(左の面積図の横)行列の人数は(②-▢)×10とあらわせる

  • 窓口を5つにする」と毎分⑤人ずつ入場できるので差し引き毎分(⑤-▢)人ずつ行列はへっていく(右の面積図のタテ)。このとき行列は「2分で」なくなる(右の面積図の横)行列の人数は(⑤-▢)×2とあらわせる

ここで行列の人数(面積図の面積)は同じだから (②-□)×10=(⑤-□)×2 より

 ⑩-□×5=⑤-□だから ▢=

 

よってはじめにあった行列の人数は(左の面積図で計算すると)

 (②-)×10=

だから行列ができはじめたのは(÷=6より)6分前

 

 

  その2(本郷中2024)

 

ある製品を毎分20個ずつの割合で作る工場があります。工場の中で作られた製品は、ベルトコンベアで工場の外へ運び出されます。いま、この工場の中には360個の製品が保管されています。ここで、さらに製品を作り始めたと同時に5台のベルトコンベアを使って運び出すと18分ですべての製品を工場の外へ運び出すことができます。このとき、製品を作り始めたと同時に7台のベルトコンベアを使って運び出すと何分ですべての製品を工場の外へ運び出すことができますか。 

 

右矢印5台のベルトコンベアを使って運び出すと18分ですべての製品を工場の外へ運び出す」ことができる。

とすると18分後に運び出された製品の個数はつぎの1.と2.の合計720個

  1. はじめに「360個の製品が保管されて」いた
  2. さらに工場の中で「毎分20個ずつの割合で作る」から18分後には 20×18=360個の製品ができていた

この720個を運び出すのに「5台のベルトコンベアを使って運び出すと18分」かかったからベルトコンベア1台が運び出す能力は720÷5÷18=毎分8個

 

よって7台のベルトコンベアを使うと(8×7=)毎分56個が運び出せるから

 360÷(56-20)=10分 

 

 

 

  その3(国府台2024)

 

一定の割合で水がわき出る井戸があります。ポンプ3台でくみあげると、からになるまで20分かかります。また、ポンプ4台だと10分かかります。このとき、ポンプ6台でくみあげると、からになるまで▢分かかります。ただし、ポンプでくみあげる速さは一定です。

 

右矢印 わき出る水の量を毎分△、ポンプ1台でくみあげる水の量を毎分①とする。

ポンプ3台で…20分かかり…ポンプ4台だと10分」かかるからはじめから井戸にあった水の量は次の2とおりの形であらわせる

  •  (③-△)×20…図アの場合
  •  (④-△)×10…図イの場合

これらが等しいから

 (③-△)×20=(④-△)×10 より

 (③-△)×2=④-△ だから △=②

このとき井戸にはじめにあった水の量は(図アで考えると)  (③-②)×20=

 

よってポンプ6台⑥でくみ上げるとき(図ウ)

わき出る水の量②、はじめにあった水の量⑳だから

 (⑥-②)×□=⑳ より ▢=⑳÷④=5分