以前の記事の続きです。
今年出題された条件整理の問題です。
1から5までの数字が2個ずつ合計10個あります。この10個の数字を、次の規則にしたがって左から横一列に並べます。
[規則]どの隣り合う3個の数字も、真ん中の数字が両隣の数字よりも大きいか、両隣の数字よりも小さい
たとえば、
4 5 1 3 2 5 3 4 1 2
という並びはこの規則を満たします。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、⑴と⑵は答えのみを解答欄に記入しなさい。(東大寺学園2024)
⑴ 次の①のように、左から2番目が2、4番目が3、6番目が4、8番目が5であるような数字の並びは1通りだけあります。空欄に入る数字の並びを答えなさい。
▢2▢3▢4▢5▢▢…①
よく考えると規則にしたがうような10個の数字の並びは必ず
のどちらかの波の形になることがわかる。
そして❶❷で数字が増えたところを「山」、減ったところを「谷」ということにすると、5は必ず山になり1は必ず谷になる。
すると①には5があるのでここが山になるから
という形になる(▢を左からア、イ、…、力とよぶ)
したがって
- アとイは1に決まる(「1から5までの数字が2個ずつ」あるので残りは2,3,4,5)
- ウは2に決まる(残りは3,4,5)
- エは3に決まる(残りは4,5)
- オは4、力は5に決まる
よって 1⃣21⃣32⃣43⃣54⃣5⃣
⑵ 次の②のように、左から4番目が4、6番目が3、8番目が2であるような数字の並びはちょうど2通りあります。空欄に入る数字の並びを2通りすべて答えなさい。ただし、解答の順序は問いません。
▢▢▢4▢3▢2▢▢…②
②にある4、3、2が山になる場合と谷になる場合を考える(それぞれ1通りずつで「ちょうど2通り」になるのではないかと予測できる)
❶4、3、2が山になる場合
- 山になるあと2つの▢なのでイとキは5に決まる(残りは1,1,2,3,4)
- オと力は1に決まる(残りは2,3,4)
- エは2に決まる(残りは3,4)
- ウは3、アは4に決まる
よってまず1つめが
4⃣5⃣3⃣42⃣31⃣21⃣5⃣
❷4、3、2が谷になる場合
- 谷になるあと2つの▢なのでイとキは1に決まる(残りは2,3,4,5,5)
- ウとエは5に決まる(残りは2,3,4)
- オは4に決まる(残りは2,3)
- 力は3、アは2に決まる
よってもう1つが
2⃣1⃣5⃣45⃣34⃣23⃣1⃣
⑶ 次の③のように、左から2番目が3、4番目が5、6番目が4、8番目が5であるような数字の並びは全部で何通りありますか。
▢3▢5▢4▢5▢▢…③
③には5があるのでここが山になるから
という形になる。
すると山になる▢はあと力だけなので力=4がまず決まる。
つぎにアとイに注目すると
(ア,イ)=(1,1) (1,2) (2,1) (2,2)
のどれか。場合分けをしてしらべると
- ア=1,イ=1のとき…ウ、エ、オは2、2、3のどれかなので3通り
- ア=1,イ=2のとき…ウ、エ、オは1、2、3のどれかなので3×2=6通り
- ア=2,イ=1のとき…2.と同じで6通り
- ア=2,イ=2のとき…ウ、エ、オは1、1、3のどれかなので3通り
よって③をみたす数字の並びは全部で 3+6+6+3=18通り
⑷ 次の④のように、左から1番目と10番目がどちらも3であるような数字の並びは全部で何通りありますか。
3▢▢▢▢▢▢▢▢3…④
山からはじまる形の方だけをしらべてみる(谷からはじまる形はこれを左右逆にしただけで通り数は同じになるので最後に2倍する)
❶まず山の部分(ア、ウ、オ、キ)には4と5が、谷の部分(イ、エ、力、ク)には1と2が入るとき④をみたす。
したがって山の部分は「4,4,5,5」の並びかえだから4×3÷2=6通り、谷の部分は「1,1,2,2」の並びかえだから同じく6通りあるから 6×6=36通り
❷さらに山が2となり谷が4となる場合にも④をみたすものがある。このとき2の両隣りは必ず1となり、4の両隣りは必ず5となるから、「5-4-5」「1-2-1」と3つ1組で考えて波の形に合う並び方をしらべると次の4通りが見つかる。
よって山からはじまる形で36+4=40通りあるから(谷からはじまる40通りとあわせて)ぜんぶで80通り