旅人算2024 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年の中学入試で出された旅人算の問題です。

 

  その1(栄東2024東大特待Ⅰ)

 

栄くんと東さんは同じ道を通って学校から駅まで歩きます。東さんが学校を出発した2分後に栄くんも歩いて駅に向かいました。栄くんは出発してから4分後に東さんに追いつきましたが、そこで忘れ物をしたことに気付き、すぐに学校に向かって走って引き返しました。栄くんが学校に着いてから再び出発するまでに3分かかり、走って駅に向かったところ、東さんより2分遅く駅に到着しました。栄くんと東さんが歩く速さはそれぞれ一定で、栄くんが走る速さは栄くんが歩く速さの2倍でした。東さんは学校を出発してから駅に到着するまでに▢分▢秒かかりました。

 

右矢印 栄くんは「東さんが学校を出発した2分後に」歩いて学校を出発し「学校を出発してから4分後に」東さんに追いついた。

  • 東さんが学校を出てからの時間ですべて考えると、栄くんは2分後に出発し、6分後に東さんに追いついた。ダイヤグラムにすると次の通り。

  • 栄くんが走る速さは栄くんが歩く速さの2倍」だからその逆比で (栄くんの歩く時間):(栄くんの走る時間)=2:1…㋐。とすると栄くんが(学校から4分歩いたあと)学校まで走ってもどるのに2分かかるから学校に着いたのは8分後で学校をふたたび出たのは11分後
  • また栄くんは東さんが歩いて6分かかる距離を4分で歩いた。このときかかった時間の比は (東さんの歩く時間):(栄くんの歩く時間)=6:4=3:2…㋑
  • ㋐㋑を比合わせすると (東さんの歩く時間):(栄くんの歩く時間):(栄くんの走る時間)=3:2:1。つまり学校から駅まで東さんが③分で歩くとすると栄くんはこれを①分で走る(その差は②分)
  • そして栄くんは「東さんより2分遅く駅に到着」したから(11分遅く出て2分遅く到着したからかかった時間の差は9分だから)②=9分より①=4.5分

よって東さんが学校を出てから駅に到着するまでにかかった時間③は

 4.5×3=13.5分=13分30秒 

 

 

  その2(甲陽学院2024)

 

S駅から学校までの途中にK地点があります。月曜日、太郎君は7時55分にS駅を出発し歩いて学校に向かい、K地点を8時6分に通過しました。その後、次郎君がK地点を出発し歩いて学校に向かい、8時12分に太郎君に追いつきました。その時から二人でいっしょに学校までの520mを太郎君の歩く速さで歩きました。火曜日、太郎君はS駅を月曜日と同じ時刻に出発し、月曜日と同じ時刻に学校に着きましたが、次郎君はK地点を月曜日より7分30秒おくれて出発したため、月曜日より5分50秒おそく学校に着きました。太郎君が歩く速さは、次郎君が一人で歩く速さの¾倍です.
⑴月曜日、次郎君がK地点を出発したのは何時何分何秒ですか。

 

右矢印 次郎君が「8時12分に太郎君に」追いついた地点をP地点とする。状況をダイヤグラムにすると次のとおり。

ここで黄色の部分に注目すると

  1. 太郎君が歩く速さは、次郎君が一人で歩く速さの¾倍」だから速さの比は太郎:次郎=3:4。すると(速さの逆比で)かかる時間の比は太郎:次郎=4:3
  2. 太郎君は「K地点を8時6分に通過」してP地点に8時12分に着いたからKP間を6分かかった
  3. したがって次郎君は同じ距離を歩くのに 6×3÷4=4.5分 かかる
よって次郎君がK地点を出発したのは 8時12分-4.5分=8時7分30秒

 

⑵ 月曜日、二人が学校に着いたのは何時何分何秒ですか。

右矢印 P地点から学校までの距離520mを月曜日の次郎君(「太郎君の歩く速さで」歩いた)が④分かかったとすると(かかる時間の比は太郎:次郎=4:3より)火曜日の次郎君は③分かかった。この差①が1分40秒(「月曜日より7分30秒おくれて出発した」ところ「月曜日より5分50秒おそく学校に」着いたことより)だから月曜日の次郎君(と太郎君)はP地点から学校まで

 1分40秒×4=6分40秒

かかったとわかる。

よって2人がP地点で出会ったのが8時12分だから学校に着いたのは 8時18分40秒

 

⑶ S駅から学校までの道のりは何mですか。

 

右矢印 ここまでにわかった情報もダイヤグラムに書き入れると次のとおり。

これでわかるのは太郎君はS駅から学校まで23分40秒(=8時18分40秒-7時55分)かかるということ。

 

よって太郎君はP地点から学校までの距離520mを6分40秒で歩くから、S駅から学校までの距離を▢mとすると

 520m:6分40秒=▢m:23分40秒 より

 ▢=520m×1420秒÷400秒=1846m 完了