図形の折り返し③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

図形を折り返したときの角度や面積がどうなるかという「図形の折り返し」の問題の第3弾です。

 

  その1(江戸川女子2023第3回)

 

図は、面積が12㎠である三角形ABCを、BCと平行なDEを折り目として折り曲げたものです。AD:DB=2:1であるとき、斜線部分の面積は▢㎠です。

 

右矢印 折り曲げたあとにAがくる場所をA'とする。すると△ADEと△A'DEは合同であることと「AD:DB=2:1である」ことから、直線AA'は辺DEと辺BCにより2:1:1に分けられる。

ここで△ADEの面積を④とすると相似比と面積比の関係より、面積はそれぞれ次のようになる。

またこのとき△ABCの面積は⑨(△ADEの面積の⁹⁄₄倍(=³⁄₂׳⁄₂)だから)

よって⑨=12㎠より斜線部分の面積③は 12÷3=4㎠

 

 

  その2(三田国際2023)

 

図1の形をした紙を図2のように折りました。アの角の大きさは▢度です。

 

右矢印 次のように図2にある角に❶、❷の番号をつける。この順に求めると

  • 角❶を折り返した部分に注目すると  ❶×2+14°=180° より ❶=83°
  • 四角形の内角の和で 75°+70°+❶+❷=360° より ❷=360°-228°=132°

よって ア=180°-132°=48°

 

 

  その3(京華2023午後)

 

次の図で、おうぎ形を直線ACで折ると、Oはおうぎ形の周上の点Dに重なります。𝓧の角の大きさは何度ですか。
 

 

右矢印 補助線ODを引くと

  • 右側の△ODBは二等辺三角形だから角ODBも48°なので角BOD=84°
  • 左側の△OAD(青)は(折り返しでOA=DA、円の半径でOA=ODだから)三辺が等しい正三角形だから角AOD=60°

よって𝓧=角AOD+角BOD=60°+84°=144°

 

 

  その4(桐蔭2023午後)

 

【図4】のように、正方形の折り紙を点線に沿って2回折り曲げました。2つの三角形(ア)と(イ)の面積比はいくつですか。もっとも簡単な整数の比で答えなさい。

 

 

右矢印 折り返したときの角度がどうなっているかをまずしらべると

  • 折り返しなので❶=❷、❸=❹
  • 三角形(ア)(イ)とも直角三角形なので平行線の錯角より❶=❹
だから❶=❸で赤の三角形は二等辺三角形とわかる(また三角形(ア)(イ)はどちらも直角二等辺三角形と決まる)
 

ここで赤の三角形の二等辺の長さを▢㎝とすると

  • 三角形(ア)の面積は▢×□÷2
  • 三角形(イ)の面積は▢×□÷2÷2(対角線の長さ▢㎝の正方形の半分だから)

よって三角形(ア)と(イ)の面積比は 2:1 完了