歯車 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

 

中学入試でときどき出される歯車の問題です。

 

  その1(桜蔭2023)

 

4つの歯車A、B、C、Dがあります。

図のように歯車AとB、CとDはそれぞれかみ合っています。
また、BとCは同じ軸に取り付けられていて、すべることなく一緒に回ります。
A、B、Cの歯数はそれぞれ68、48、27で、Aが11回転するときDは7¹⁹⁄₂₄回転します。
このとき、Dの歯数は[ イ ]です。

 

右矢印 かみ合っている歯車どうしは「歯数×回転数」が等しいこと、したがって回転数の比と歯数の比は逆比の関係にあることを使うと

  1. 歯数の比は A:B=68:48=17:12 だから回転数の比は歯数の逆比でA:B=12:17
  2. BとCは同じ軸に取り付けられて¹⁸⁷⁄₂₄」いるからBとCの回転数は同じ。とすると回転数の比はA:C=12:17
  3. したがって「Aが11回転するとき」Cは 11÷12×17=¹⁸⁷⁄₁₂回転する。このとき「Dは7¹⁹⁄₂₄回転」=¹⁸⁷⁄₂₄回転するから、CとDの歯数の比は回転数の逆比でC:D=¹⁸⁷⁄₂₄:¹⁸⁷⁄₁₂=1:2

よってCの歯数27よりDの歯数イは 54 

 

さらに、Aが5回転するのに3秒かかるとすると、Dは12回転するのに[ ウ ]秒かかります。

 

右矢印Aが11回転するときDは7¹⁹⁄₂₄回転」=¹⁸⁷⁄₂₄回転するから回転数の比は A:D=11:¹⁸⁷⁄₂₄=24:17。 

よってAとDの1秒あたりの回転数を考えて

 (5÷3):(12÷ウ)=24:17 より 12×24÷ウ=5×17÷3 だから

 ウ×5×17=3×12×24 より ウ=⁸⁶⁴⁄₈₅秒 

 

 

  その2(頌栄女子2023)

 

歯の数24の歯車Aとかみあっている歯車があります。Aが5分で30回転するとき、かみあっている歯車は12分で96回転します。Aの回転する速さが2倍になったとき、かみあっている歯車の回転する速さを変えないためには、歯の数がいくつの歯車に変えればよいか求めなさい。

 

右矢印 かみあっている歯車どうしは「歯数×回転数」が等しい

歯車Aとかみあっている歯車」を歯車Bとし、歯車Bの歯数を▢とすると

  • 歯数…Aは24Bは▢
  • 回転数…1分あたりの回転数にするとAは6回転(=30÷5)でBは8回転(=96÷12)
したがって 24×6=▢×8 より、いまBの歯数▢は18
 
そして「Aの回転する速さが2倍になったとき」には(「回転する速さ」とは回転数と同じことだから)Aの「歯数×回転数」も2倍になるので 
  1. Bの歯数を2倍にするか
  2. Bの回転数を2倍にするか
のどちらかだが「かみあっている歯車の回転する速さを変えない」=Bの回転数は変えないのが条件なのでBの歯数を2倍にすればよい
よって歯数が2倍の36の歯車に変えればよい
 
 

  その3(名古屋国際2023)

 

図のように、4つの歯車A、B、C、Dがかみ合っています。BとCは同じ軸にとりつけられていて同じ回転をします。A、B、Cの歯数はそれぞれ75、25、90です。このとき、次の問いに答えなさい。

⑴ Dの歯数が45のとき、Aが矢印の向きに1回転すると、Dはア、イどちらの向きに何回転しますか。

 

右矢印 となり合った歯車は反対の向きに回るから

  • Aが矢印の向きに1回転する」ときBは時計回り
  • BとCは同じ軸にとりつけられていて同じ回転」をするからCも時計回り

となるのでDは反時計回りとなる。

 

つぎにAが1回転するときの回転数を考えると

  • 歯数の比はA:B=75:25=3:1だから回転数の比はA:B=1:3→Aが1回転するとBは3回転する
  • BとCは同じ軸にとりつけられていて同じ回転」をする→Bが3回転するとCも3回転する
  • したがってかみ合っている歯車どうしは「歯数×回転数」が等しいから、歯数90のCが3回転するとき「Dの歯数が45」だから90×3÷45=6よりDは6回転する

よってDはアの向きに6回転する。

 

⑵ Aが3回転すると同時にDが15回転するとき、Dの歯数はいくつですか。

 

右矢印 小問⑴のDと比べながら考えると

  • 小問⑴でわかったのはAの歯数75、Dの歯数45のとき、Aが1回転するとDは6回転するということ。このときAが3回転するとDは18回転する
  • これに対して小問⑵では「Aが3回転すると同時にDが15回転する」。Aが3回転したときの回転数の比をみると小問⑴:小問⑵=18:15=6:5だから歯数の比は回転数の逆比で5:6
よって 45÷5×6=54

 

⑶ Dの歯数が72のとき、Dが225°だけ回転するとAは何度回転しますか。

 

右矢印 小問⑴のAと比べながら考えると

  • 小問⑴でわかったのはAの歯数75、Dの歯数45のとき、Aが1回転するとDは6回転するということ。このときDが225°回転するとAは225÷6=37.5°回転する
  • これに対して小問⑶では「Dの歯数が72」。歯数の比をみると小問⑴:小問⑶=45:72=5:8だから回転数の比は歯数の逆比で8:5
よってAが回転するのは 37.5×8÷5=60度 完了