以前の記事に関連する話です。
割合の単元のなかに「はね上がるボール」や「ボールのはね返り」などと呼ばれる定番問題があります。落としたときいつも同じ割合ではね上がるボールはN回目にどれくらい高くはね上がるかというものです。
たとえば今年の出題例にこういう問題があります。
地面に対して、さまざまな高さからボールを落とします。落ちる高さに対して、必ず50%の高さまではね上がるボールAがあります。図1のように、ボールがはね上がったときを1回目、2回目、3回目、4回目、…と数えます。例えば、100cmの高さからボールAを落とす場合、1回目は、50cmの高さまではね上がり、2回目は、25cmの高さまではね上がります。
次の各問いに答えなさい。(鈴鹿中等教育学校2023)
⑴ 100cmの高さからボールAを落とします。図2のように、高さ30cmの台を2台だけ設置します。
このとき、3回目は地面から何cmの高さまではね上がるかを求めなさい。
落ちる高さとはね上がる高さをていねいに調べていくと
- 最初に70㎝落ちるから1回目で35㎝上がる
- そのあと65㎝落ちるから2回目で32.5㎝上がる
- そのあと2.5㎝落ちるから3回目で1.25㎝上がる
よって3回目ではね上がる高さは
1.25+30=31.25㎝
⑵ 図3のように、高さが調節できる台を1台だけ設置します。ボールAを1260cmの高さから落とします。2回目でボールAが500cm以上はね上がるためには、台の高さを少なくとも何cm以上にする必要があるか答えなさい。
「2回目でボールAが500cm以上はね上がる」ような台の高さを求めるにあたりひとまず「2回目でボールAが500cmちょうどはね上がる」ような台の高さを求める。
2回目から逆に調べていくと
- 2回目の高さ500㎝なので1回目の高さは1000㎝
- ここで台からはね上がった高さを①とすると最初にボールを落とした地点(高さ1260㎝)から台までの高さは②となる
- とすると 1000-①+②=1260 より ①=260㎝
こうして(1000-260=740より)台の高さ740㎝のとき2回目でちょうど500㎝はね上がるとわかる。
よって500cm以上はね上がるには台の高さを少なくとも740㎝以上にする必要がある。
⑶ 図4のように、台X、台Y、台Zを設置します。台Xの高さは、500cmです。また、台Yの高さは、台Xよりも200cm低く、台Zの高さは、台Yよりも100cm低くなっています。
ボールAとはね上がり方が異なるボールBを1000cmの高さから落とします。ボールBは、1回目は600cmの高さ、2回目は360cmの高さまではね上がりました。このとき、4回目は、何cmの高さまではね上がるかを求めなさい。ただし、ボールAと同じく、ボールBも落ちる高さに対して、一定の割合の高さまではね上がるものとします。
問題文にある情報をぜんぶ書き込んでみる。これでていねいに調べていくと
- 最初に500㎝(=1000-500)落ちて1回目で100㎝(=600-500)上がっている
- そのあと300㎝(=600-300)落ちて2回目で60㎝(=360-300)上がっている
- ここでボールBは必ず20%の高さまではね上がるボールだとわかる(1回目が100÷500=0.2、2回目が60÷300=0.2より)
- とすると2回目に上がったボール(高さ360㎝)は台Z(高さ200㎝)まで160㎝落ちるから 160×0.2=32㎝はね上がって3回目の高さは232㎝となる。
よって4回目の高さは 232×0.2=46.4㎝