こわれた水道管 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

右の図のように水道管がつながっており、上から水を入れます。2つに分かれるところでは半分ずつに分かれて水が流れます。水道管がこわれている場合、その水道管には水が流れず、こわれていない方に水がすべて流れます。ただし、分かれた水道管の両方がこわれていることはありません。(大阪星光学院2023)

⑴ こわれている水道管がないとき、上から水を1L入れると、[あ]から出る水の量は□L、[う]から出る水の量は□Lです。

 

右矢印 水の量を書いていくと次のようになる(途中段階では約分しない方が計算ミスがあったとき発見しやすい)

よって

[あ]から出る水の量は ½×½×½×½=¹⁄₁₆L

[う]から出る水の量は ⁶⁄₁₆=⅜L

 

⑵ 水道管クだけがこわれているとき、上から水を1L入れると、[え]から出る水の量は□Lです。

 

右矢印 水道管クがこわれているとき出る水の量は次のように変わる(黄色が変わったところ)

よって[え]から出る水の量は

 ²⁄₁₆=⅛L

 

⑶ 上から水を1L入れると、[あ]から⅛L、[い]から⁵⁄₁₆L、[う]から¼L、[え]から³⁄₁₆L、[お]から⅛Lの水が出てきました。このときこわれている水道管は□と□です。

 

右矢印 考えやすいように分母16で通分したときの分子だけを考える

一番下の段の8本ある水道管を「1階部分」、下から2段目の(オ~コまで6本ある)水道管を「2階部分」、下から3段目の(ア~エまで4本ある)水道管を「3階部分」とよぶこととし、下から順に調べていくと

丸ブルー1階部分

 (あ, い, う, え, お) の蛇口から出る水の量はそれぞれ (2, 5, 4, 3, 2) となるが両はしの「あ」と「お」だけは一方向からしか水は流れてこない

とすると8本ある両はしの水道管の水の量は2に決まる(青字)

そして (い, う, え)=(5, 4, 3) はそれぞれ水道管2つずつの合計(こわれていないとした場合)なので、真ん中6つの水道管に流れる水の量は上の赤字のようになっていることがわかる(このように矛盾なく決まるから1階部分はこわれていない)

丸レッド2階部分

その合計は左から順に (4, 6, 2, 4) となるが、同じ理由で6本ある水道管のうち両はしのオとコはどちらも4に決まる(下図の青字)

このとき(オとペアになっている)力にも4が流れ、そうなるとキには 6-4=2 が流れて(キとペアになっている)クにも2が流れる。

とするとケ=0でないと足し算が合わないからケはこわれている水道管だとまずわかる。

丸ブルー3階部分

その合計は左から順に (8, 4, 4) となるから、4本ある水道管のうち左はしのアは8、右はしのエは4に決まる(下図の青字)

そして(エとペアになる)ウが4に決まる(赤字)。こうしてイ=0でないと足し算が合わないのがわかるからイがもう1つのこわれている水道管

 

よってこわれている水道管はイとケ 完了