以前の記事の続きです。
今年出題された食塩水の問題の第18弾になります。
その1(実践女子2023)
食塩水75gに食塩5gを加えたところ、10%の食塩水になりました。もとの食塩水は何%ですか。
「食塩水75gに食塩5gを加えた」から
- できあがった食塩水は80g
- これが「10%の食塩水」だからここに入っている食塩は8g
よってもとの食塩水75gには食塩3g(=8-5)が入っていたとわかるから 3÷75=0.04 より 4%
その2(浦和明の星2023)
濃度▢%の食塩水220gと、濃度8%の食塩水80gと、濃度10%の食塩水120gを混ぜると、濃度7%の食塩水ができる。
どの食塩水にどれだけの食塩が入っているかを考えると
- 「濃度▢%の食塩水220g」には220×□÷100=▢×2.2gの食塩
- 「濃度8%の食塩水80g」には80×0.08=6.4gの食塩
- 「濃度10%の食塩水120g」には120×0.1=12gの食塩
- できあがった「濃度7%の食塩水」は420g(=220+80+120)でここには420×0.07=29.4gの食塩
その3(東京都市大学等々力2023S特選第2回)
3%の食塩水と8%の食塩水を3:5の割合で混ぜ、そこへ水を加えたところ、5%の食塩水が490gできました。最初に混ぜた3%の食塩水の重さは▢gです。
「3%の食塩水と8%の食塩水を3:5の割合で」混ぜるから、3%の食塩水が300、8%の食塩水が500 あるものとして考える。
- このとき入っている食塩は49(=300×3%+500×8%)
- これが「5%の食塩水」になったので食塩水の量は 49÷0.05=980
- この980が490gだから 1=0.5g
よって最初に混ぜた3%の食塩水の重さ300は 0.5×300=150g
その4(日本大学中2023A-2)
容器に100gの水が入っています。この容器に10gの水と5gの塩を同時に入れてよく混ぜる操作をくり返し行います。食塩水の濃度が15%を超えるのは▢回目の操作を行ったときです。
○回目の操作を行ったとき食塩水の濃度が15%ちょうどになるものとして考えると
- 操作は「10gの水と5gの塩を同時に入れてよく混ぜる」ものだから、操作1回につき食塩水は15g(このうち塩は5g)ふえる
- とすると○回目の操作後に入っている食塩水の重さは100+⑮(このうち塩は⑤)
- 「食塩水の濃度が15%」というのは食塩水:塩=100:15=20:3ということだから (100+⑮):⑤=20:3 より =300+㊺ だから ①=300÷55=5.45…
その5(茗渓学園2023第2回)
濃度がわからない食塩水に、水18gと食塩12gを加えたところ、濃度25%の食塩水が120gできました。もとの食塩水の濃度は▢%です。
あとから加えた「水18gと食塩12g」の合計30g。このうち12gが食塩だから(12÷30=0.4より)これをいったん濃度40%の食塩水30gとして考える(*水に溶ける食塩の量は限度があり常温でできる食塩水の濃度の上限は約26%とされていることもここではいったん忘れて)
するとできた食塩水が120gだから「濃度がわからない食塩水」は120-30=90g。
これで天びん図を書くと
左のうでの長さは 15×30÷90=5 とわかる。
よってもとの食塩水は 20%
その6(桜丘中2023)
10%の食塩水160gから水を何gか蒸発させた後、食塩を8g加えたところ、食塩水の濃度は16%になりました。蒸発させた水は何gですか。
食塩の量に注目すると
- はじめにあった「10%の食塩水160g」に食塩は16g(=160×0.1)入っている(ここから「水を何gか蒸発させた」としても食塩の量は変わらない)
- ここに「食塩を8g加えた」からできあがった食塩水に入っている食塩はぜんぶで 16+8=24g
- できあがった「食塩水の濃度は16%」だから食塩水の全体量は 24÷0.16=150gになった(加えた食塩8gをふくむ)
よって蒸発させた水は 160-150+8=18g
その7(田園調布学園2023)
濃度が9%の食塩水から40gの水を蒸発させると、食塩水の濃度は11.4%になりました。濃度が9%の食塩水ははじめ何gありましたか。
問題文で
「濃度が9%の食塩水」-「40gの水」=「11.4%の食塩水」
となっているのを
「11.4%の食塩水」+「40gの水」=「濃度が9%の食塩水」
と読みかえて天びん図を書くと
よってできあがった濃度11.4%の食塩水は 40÷4×15=150gとわかり、はじめにあった濃度9%の食塩水は 150+40=190g
その8(金沢学院大学附属2023)
4%の食塩水275gがあります。この食塩水に、275gの水を混ぜたあとに、食塩を加えました。できた食塩水の濃度が12%であるとき、加えた食塩の重さが何gになるか答えなさい。
水の方に注目すると
- 「4%の食塩水275g」に入っている食塩は11g(=275×0.04)だからここに入っている水は264g(=275-11)
- ここに「275gの水を混ぜた」ので水はぜんぶで539g(=264+275)になった
- こうして「できた食塩水の濃度が12%」のとき水の濃度にすると88%(=100-12)
- したがってできた食塩水は 539÷0.88=612.5g。ここに入っている食塩は73.5g(=612.5×0.12)
その9(渋谷教育学園渋谷2023第2回)
3種類の食塩水A、B、Cがあります。AとBを重さの比が1:2となるように混ぜると、濃さが6%の食塩水になります。BとCを重さの比が1:2となるように混ぜると、濃さが7%の食塩水になります。CとAを重さの比が1:2となるように混ぜると、濃さが10%の食塩水になります。同じ重さのAとBとCを混ぜると、濃さは何%になりますか。
食塩に注目すると
- 「AとBを重さの比が1:2となるように混ぜると、濃さが6%」だからAを100gとBを200g混ぜた食塩水❶には食塩18g(=300×0.06)が入っている
- 「BとCを重さの比が1:2となるように混ぜると、濃さが7%」だからBを100gとCを200g混ぜた食塩水❷には食塩21g(=300×0.07)が入っている
- 「CとAを重さの比が1:2となるように混ぜると、濃さが10%」だからCを100gとAを200g混ぜた食塩水❸には食塩30g(=300×0.1)が入っている
よって食塩水❶❷❸を混ぜるとA、B、Cが同じ300gずつ混ざった食塩水900gができてここに食塩69g(=18+21+30)が入っているから
69÷900=²³⁄₃₀₀ より濃さは ²³⁄₃%
その10(洗足学園2023第3回)
2つのコップA、Bがあり、Aには食塩水、Bには水がそれぞれ400gずつ入っています。いまAからBに100g移してよく混ぜてから、BからAに100g移してよく混ぜたところ、Aは濃度3%の食塩水になりました。はじめにAに入っていた食塩水の濃度は何%ですか。
受験生正答率48.5%の問題(学校発表)
Aに4の食塩が入っていたとすると
- まず「AからBに100g」を移すと食塩の量はAが3、Bは1となる
- つぎに「BからAに100g」を移すとき、Bに入っていた食塩水500gのうち100gを移すから食塩水の⅕がBからAに移る。とすると同じ割合で食塩も移るから 1×⅕=0.2 がBからAに移る
- こうして最後にAに入っている食塩は3+0.2=3.2となる
よってはじめにAに入っていた食塩水の濃度▢%は ▢%×0.8=3% より
▢=3%÷0.8=3.75%