以前の記事の続きです。
うそつき問題の第7弾です。
旅人と村人(啓明学園・算数特待入試サンプル)
旅人が左右に分かれる分かれ道にやってきました。 片方は正直村に、片方はうそつき村へと続いています。 旅人は正直村に行きたいのですが、どちらが正直村なのかがわかりません。
そこに村人がやってきました。村人は正直村、うそつき村、どちらかの住人ですが、どちらの住人かわかりません。正直村の住人は必ず正直な答えをし、うそつき村の住人はかならず嘘の答えをします。
さて、旅人は右側の道を指さして、
「あなたが住んでる村はこちらですか。」
ときくと、村人は、
「はい、そうです。」
と答えました。正直村は、右側ですか。左側ですか。
右側の道を指さして「あなたが住んでる村はこちらですか」ときいたときの返事がどうなるかを考えると
- 正直村の住人の場合…正直村が右側なら「はい」、正直村が左側なら「いいえ」
- うそつき村の住人の場合…正直村が右側なら「はい」、正直村が左側なら「いいえ」
よってどちらの住人でも答えは同じとなり、村人は「はい」と答えたので正直村は右側
徒競走の順位(愛知淑徳2023)
Aさん、Bさん、Cさんの3人が徒競走を行いました。その結果について聞いたところ、3人は次のように答えました。
Aさん「私は3位だった」
Bさん「私は1位だった」
Cさん「私はAさんより早かった」
この3人のうち、2人が本当のことを言い、1人がうそをついています。うそをついている人がだれかを考えて、3人の正しい順位を答えなさい。また、その理由を説明しなさい。ただし、3人の順位は1位から3位のいずれかであり、すべて異なります。
うそつきが誰かをA、B、Cの順に調べていくと
- Aがうそつきとしたとき…B発言「私は1位」は正しいからAは2位。だがこれだとC発言「私はAさんより早かった」は正しくなくなってしまい矛盾する→Aはうそつきではない
- Bがうそつきとしたとき…A発言「私は3位」は正しいからBは2位。このときC発言「私はAより早かった」も正しい→矛盾はない
- Cがうそつきとしたとき…A発言「私は3位」もB発言「私は1位」も正しいからCは2位。だがこれだとC発言「私はAより早かった」は正しいことになってしまい矛盾する→Cはうそつきではない
よってBがうそつきで正しい順位は
Cが1位、Bが2位、Aが3位
犯人と共犯者(広尾学園2023第2回)
A、B、C、D、Eの5人の中に、ある事件の犯人が1人だけいます。この5人に事情聴取を行ったところ、それぞれが次のように答えました。
A「AとBのどちらも犯人ではない。」
B「CとDのどちらも犯人ではない。」
C「CとEのどちらも犯人ではない。」
D「BとDのどちらも犯人ではない。」
E「Aは犯人ではない。」
このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 全員が本当のことを言っているとすると、犯人は特定できますか。特定できる場合は、犯人をA~Eの記号で、特定できない場合は「×」で答えなさい。
AとBのどちらも犯人ではないことを「A×B×」のように書く。
5人の発言内容をまとめると
ここでA発言「A×B×」、B発言「C×D×」、C発言「C×E×」がすべて本当だとすると5人とも犯人ではなくなってしまう。
よって犯人は特定できず ×
ここからは、犯人以外の4人のうち、1人だけ犯人をかばうために嘘をついているとします。その人を共犯者と呼ぶことにします。
⑵ 5人のうち、共犯者だけが嘘をつき、他の4人は本当のことを言っているとすると、犯人は特定できますか。特定できる場合は、犯人をA~Eの記号で、特定できない場合は「×」で答えなさい。
まず小問⑴で見たようにA発言、B発言、C発言が同時に正しいということはないのでDとEは共犯者(嘘つき)ではない。
残り3人について共犯者の可能性を調べていくと
- Aが共犯者だとしたとき…A発言「A×B×」はうそで犯人はAかB。だがこれだと正しいはずのD発言「B×」とE発言「A×」と矛盾してしまう→Aは共犯者ではない
- Bが共犯者だとしたとき…B発言「C×D×」はうそで犯人はCかD。だがこれだと正しいはずのC発言「C×」とD発言「D×」と矛盾してしまう→Bは共犯者ではない
- Cが共犯者だとしたとき…C発言「C×E×」はうそで犯人はCかE。このときEが犯人ならどの発言とも矛盾しない→Eが犯人でCが共犯者
よって 犯人はE
⑶ 共犯者も犯人も嘘をついていて、残りの3人は本当のことを言っているとすると、考えられる犯人と共犯者の組み合わせは何通りあるか答えなさい。
5人のうちうそつきが2人いるときの組み合わせは5×4÷2=10通りある。
この10通りを一つずつ調べていくと
- AとBがうそつき…A発言の逆で「AかBが犯人」、B発言の逆で「CかDが犯人」となる→ありえない×
- AとCがうそつき…A発言の逆で「AかBが犯人」、C発言の逆で「CかEが犯人」となる→ありえない×
- AとDがうそつき…A発言の逆で「AかBが犯人」、D発言の逆で「BかDが犯人」となる。Bが犯人とすれば2人の発言に矛盾はないが、そもそも(うそをついていない)Bは犯人ではない→ありえない×
- AとEがうそつき…A発言の逆で「AかBが犯人」、E発言の逆で「Aが犯人」→犯人=A、共犯者=Eとすれば条件に合う
- BとCがうそつき…B発言の逆で「CかDが犯人」、C発言の逆で「CかEが犯人」→犯人=C、共犯者=Bとすれば条件に合う
- BとDがうそつき…B発言の逆で「CかDが犯人」、D発言の逆で「BかDが犯人」→犯人=D、共犯者=Bとすれば条件に合う
- BとEがうそつき…B発言の逆で「CかDが犯人」、E発言の逆で「Aが犯人」→ありえない×
- CとDがうそつき…C発言の逆で「CかEが犯人」、D発言の逆で「BかDが犯人」→ありえない×
- CとEがうそつき…C発言の逆で「CかEが犯人」、E発言の逆で「Aが犯人」→ありえない×
- DとEがうそつき…D発言の逆で「BかDが犯人」、E発言の逆で「Aが犯人」→ありえない×
よって考えられる犯人と共犯者の組み合わせは4.5.6.の3パターンだから 3通り