うそつき問題⑥ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

こちらも今年の中学入試で出されたうそつき問題です。

 

  その1(横浜富士見丘2023)

 

A、B、C、Dの4人がマラソンをしました。そのときの順位について、 4人はそれぞれ次のように言っています。
   A:「私は4位だった」
   B:「私はCさんより順位が上だった」
   C:「私は2位でも4位でもない」
   D:「私は1位だった」
この中の1人はうそをついているとします。
このとき、次の▢に最も適した答えを求めなさい。
⑴ うそをついている人は▢さんです。
⑵ 4人の正しい順位は[    ,    ,    ,    ]です。

 

右矢印 発言内容を見るとAとDが具体的に順位を言っているのでまずはBかCがうそつきだと仮定するのがAとDの順位が具体的に決まるので考えやすい。

  • Bがうそつきだとすると…AとCは正しいからAは4位、Dは1位に決まる。またCは正しいから3位となり、Bは残った2位に決まる。しかしこれはうそのはずのBの発言内容と合っており矛盾する
  • Cがうそつきだとすると…AとCは正しいからAは4位、Dは1位に決まる。とするとCは2位となり、Bは残った3位に決まる。しかしこれは正しいはずのBの発言内容と違っており矛盾する
となるとうそつきはAかD。さらに調べると
  • Aがうそつきだとすると…CとDは正しいからDが1位でCか3位と決まる。Bも正しいのでBは2位に決まる。するとAは4位となるが、これはうそのはずのAの発言内容と合っており矛盾する
  • Dがうそつきだとすると…Cは正しいから1位か3位。だがBも正しいのでCは3位に決まる。Aは4位。残るのは1位と2位だが、Dの発言内容はうそだからDは2位に決まる。残った1位はBと決まる。これは正しいはずのBの発言内容とも合っておりすべて条件に合う
よって
⑴ うそをついているのは Dさん
⑵ 4人の正しい順位は[B, D, C, A]
 

 

  その2(学習院2023)

 

A、B、C、D、E、Fの6人とあなたで、次のような数当てゲームをします。1から6の数字が書かれた6枚のカードをAからFに1枚ずつ配ります。AからFはお互いのカードの数字が見えていますが、あなたには見えません。1と5のカードの人が本当のことを、2と4のカードの人がうそを言うことになっています。また、3と6のカードの人はどちらを言ってもかまいません。
いま、AからFの6人が次のように言いました。
  A「僕のカードの数字は1だ。」
  B「僕のカードの数字は4だ。」
  C「僕のカードの数字は偶数だ。」
  D「Bは本当のことを言っている。」
  E「僕のカードの数字は5ではない。」
  F「Aのカードの数字は3だ。」
このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ Fのカードの数字を答えなさい。

 

右矢印 まず5のカード(正直者)は誰かを考えると

  • Aはちがう(Aが5を持っている正直者だとしたらA「僕のカードの数字は1だ」といううそはつかない)
  • Bもちがう(Bが5を持っている正直者だとしたらB「僕のカードの数字は4だ」といううそはつかない)。またBは4でもない(Bが4を持っているうそつきだとしたらB「僕のカードの数字は4だ」という本当のことは言わない)
  • Cもちがう(Cが5を持っている正直者だとしたらC「僕のカードの数字は偶数だ」といううそはつかない)
  • Dもちがう(Dが5を持っている正直者だとしたらD「Bは本当のことを言っている」は正しい。だが実際はBは4ではないのにB「僕のカードの数字は4だ」とうそを言っている)
  • Eもちがう(Eが5を持っている正直者だとしたらE「僕のカードの数字は5ではない」といううそはつかない)

よってAからEまでは5ではないから残ったFが5とわかり F

 

⑵ AからEのカードの数字を答えなさい。

 

右矢印 Fは5だからFの発言は正しいのでAは3

ここまでをまとめると次の通り。

つぎに4(うそつき)が誰かを考えると

  • Bはちがう(Bが4を持っているうそつきだとしたらB「僕のカードの数字は4だ」は本当のことになってしまう)
  • Cもちがう(Cが4を持っているうそつきだとしたらC「僕のカードの数字は偶数だ」は本当のことになってしまう)
  • Eもちがう(Eが4を持っているうそつきだとしたらE「僕のカードの数字は5ではない」は本当のことになってしまう)

したがってDが4

つぎに2(もう1人のうそつき)が誰かを考えると

  • Cはちがう(Cが2を持っているうそつきだとしたらC「僕のカードの数字は偶数だ」は本当のことになってしまう)
  • Eもちがう(Eが2を持っているうそつきだとしたらE「僕のカードの数字は5ではない」は本当のことになってしまう)

したがってBが2

最後に1(もう1人の正直者)がCかEかを考えると、1を持っている正直者の発言として正しいのはEだけなのでEが1

 

よって A=3、B=2、C=6、D=4、E=1 完了