以前の記事の続きです。
今年出題された速さの一行問題の第6弾になります。
その1(東京都市大学付属2023)
A君は、毎分▢mで4kmを歩きました。B君は、A君と同じ時間で7km走ったところ、A君より1分あたり60m速く走りました。
B君は「A君より1分あたり60m速く」走るから2人の距離は毎分60m差がつく。2人の差が3000m(=7km-4km)になるのは 3000÷60=50分後。
よってA君の分速は 4000÷50=毎分80m
その2(東海中2023)
P公園とQ公園を結ぶ一本道があります。A君はP公園を出発してQ公園まで走り、P公園までもどってきます。B君はQ公園を出発してP公園まで走り、Q公園までもどってきます。A君が出発してから24分後にB君が出発したところ、行きも帰りも同じ場所ですれちがいました。A君とB君の走る速さの比は5 : 7です。2回目に2人がすれちがったのはA君が出発してから▢分後です。
「A君とB君の走る速さの比は5 : 7」なのでかかる時間の比は速さの逆比で7:5。A君がPQ間を⑦分で走るとするとB君は⑤分で走ることとなる。
そして「行きも帰りも同じ場所で」すれちがうことからダイヤグラムにすると
- A君がQ公園に着くのと同時にB君もP公園に着く
- グラフは左右で線対称になる
ことがわかる。
ここで⑦と⑤との差②が24分だから①=12分。ここからA君はPQ間を 84分(=12×7)で、B君は60分(=12×5)で走るとわかる。
ここでA君の走りに注目すると
- P→Qの行きに走った距離を1とすると(相似比5:7の相似な三角形ができていることから)Q→Pの帰りにB君とすれちがうまでに⁵⁄₁₂の距離を走る。走る距離の合計は1⁵⁄₁₂
- 距離はかかった時間に比例するから、1の距離を走るのに84分かかるA君が1⁵⁄₁₂の距離を走ると 84×1⁵⁄₁₂=84+35=119分かかる
よって2回目に2人がすれちがったのはA君が出発してから119分後
その3(法政大学中2023)
道路を秒速1mで歩いている人と、同じ方向に秒速3mで走っている人がいます。この道路と平行な線路を列車が秒速▢mで反対方向に走っています。列車とすれ違い始めてからすれ違い終わるまでにかかる時間は、歩いている人が16秒で、走っている人が14秒でした。
- 列車とすれ違うときは速さの和を考えることとなる。すれ違うときの速さは歩いている人が秒速(1+▢)m、走っている人が秒速(3+▢)m
- かかった時間は「歩いている人が16秒で、走っている人が14秒」だから列車とすれ違う速さの比は14:16=⑦:⑧
- この差①が2m(=(3+▢)-(1+▢))だから歩いている人が列車とすれ違うときの速さ⑦は秒速14m。ここから歩いている人の速さ(秒速1m)を引いた秒速13mが列車の速さ
その4(品川女子学院2023算数)
A、B、Cの3人は、同じ道を通って地点Pから地点Qまで一定の速さで進みます。Aは午前10時に、Bはその18分後に、Cはさらにその4分後に出発しました。Cは出発してから28分後にBに追いつき、Bは出発してから54分後にAに追いつきました。Cが地点Qに午前11時25分に着くとすると、Aは地点Qに午前11時▢分に着きます。
問題文にある情報を整理してダイヤグラムにすると次のとおり。
- 10時18分に出発した「Bは出発してから54分後にAに」追いつくからAとBが出会うのは11時12分。このときA(10時に出発)は72分進んでいる。進んだ時間の比がA:B=72:54=4:3なのでその逆比でAとBの速さの比は3:4
- 10時22分に出発した「Cは出発してから28分後にBに」追いつくからCとBが出会うのは10時50分。このときB(10時18分に出発)は32分進んでいる。進んだ時間の比がB:C=32:28=8:7なのでその逆比でBとCの速さの比は7:8
- この3人の速さを連比にすると(4と7の最小公倍数28より)A:B:C=21:28:32。するとAとCの速さの比は21:32だからその逆比でかかる時間の比はA:C=32:21
- Cは地点Pを10時22分に出て「地点Qに午前11時25分に着く」からPQ間に63分かかる。Aがかかる時間はこの³²⁄₂₁倍だから 63׳²⁄₂₁=96分
よって到着は午前10時の96分後で午前11時36分だから ▢=36 ![]()








